2017年10月31日火曜日

【チャコ】新しい家族②


こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。


一昨日の譲渡会で出会い、我家の新しい家族になったチャコのこと・・・

前回のブログのつづきです。


【チャコの健康診断】


●感染症と妊娠


譲渡会会場を出て、その足で向かった動物病院で診断していただいた結果、感染症や妊娠はありませんでした

ホっとして一気に肩の力が抜けたような感じでした。

同時に、30頭のうち、チャコ以外の女の子で妊娠している子はいなかっただろうか・・・ということが頭をかすめました。

けれども今はただ、目の前のチャコの健康状態に留意し、安心して幸せに暮らせるようにしてあげることが第一です。


●その他の診断


血液検査の結果、フィラリアなどの深刻な疾患は認められないとのことでしたし、妊娠検査の際にエコーで他の臓器も確認していただきましたが、怪しい陰なども見えず、おおむね良好との診断をいただきました。

また、歯の状態も思ったよりも悪くないとのことでした。

ちなみにチャコは推定年齢5歳くらいです。

カリカリフードしか食べていなかったのが期せずして幸いしたのかもしれません。


●問題は皮膚疾患


最も深刻だったのは皮膚疾患です。

劣悪な環境に詰め込まれて、まったくケアをされていなかったため、被毛は酷く汚れてベタベタしていましたし、すごく臭いました。

診断結果は、アトピーと、もしかすると食物アレルギーの疑いもあるとのこと。

シーズー×ヨーキーMIXですから、皮膚疾患の多いシーズーの特徴が濃く出ているのかもしれません。

ただ、それ以前にまず、チャコの皮膚は、カビ菌のマラセチアに征服されている状態とのことでしたので、コイツをやっつけることが最優先です。

当面の治療はカビ菌退治。

それから改めて、アトピーやアレルギーに対してどう対処するか決めていくという方針が決まりました。


『先生、この子、熱があるんじゃないかしら?すごく熱く感じるのだけど・・・』

気になっていたことを訊いてみると先生は

『ああ、それはね、この子の場合 全身の皮膚が炎症を起こしちゃってるんだよ。ものすごーーく痒いはずだよ。可哀相になぁ・・・きっと夜も眠れないくらい痒いだろうよ。かゆみ止めをあげるからね』

ううう・・・チャコ・・・( ノД`)

熱があると勘違いするほど、チャコの皮膚は炎症で熱くなっていたのでした。

『シャンプーをしてあげたいんだけど、今日マイクロチップを入れたばかりで・・・』

『明日になったらシャンプーしてあげて大丈夫だよ!できればカビ菌に効く薬用シャンプーでね』

『アトピーだとしたら、あまりガッツリ洗わない方がいいのかしら?乾燥すると余計に痒くなったりする?』

『いや、この子の場合はガッツリ洗っちゃった方がいいね。むしろ脂ギットリの肌質だから。それがエサになってカビ菌が繁殖し放題なんだよ。』

『おおー!じゃあガッツリいきます!あと、マラセチア菌は他の子にうつらないって認識だけど、大丈夫よね?』

『うん。うつらないよ。マラセチア菌はそこいら中にいる常在菌だから。大繁殖しちゃうのはその子の状態に問題があるの。』


こうしてチャコは、2週間分の抗生剤、カビ菌をやっつけるお薬、痒み止めをいただいてきました。

神さま・・・チャコのカユカユを早く鎮めてくださーーーい!!

チャコの下半身は、被毛がほぼ抜け落ちてハゲています。
その他の全身も、脱毛がひどくてスカスカ・・・
そのため、とっても寒がりさんです。

目の周りも赤くなっていて、とっても痒そうでしょう?

保護した翌日、カビ菌退治の薬用シャンプーで
洗ってあげました。
おりこうにできたヨ!えらいね~~!

●今後の流れ


お薬を飲み切った2週間後に、再び獣医さんに診てもらって、お薬の効果を見極めると共に狂犬病の予防接種をしてもらいます。

保護団体さんが6種ワクチンを接種して下さっていたので、少し間を空けて狂犬病予防接種をしなくてはならないんです。

そして、狂犬病予防接種証明書を持って市役所に飼い主の登録に行きます。

避妊手術については、皮膚の炎症がもう少しおさまるまで待ってからということになりました。


【気になること】


●チャコが暮らしていた環境


チャコの健康状態が把握できて、治療方針も立ったので、少しホっとしたわたしたちでしたが、動物病院からチャコを連れ帰ってから、新たに気になることが出てきました。

◆経産婦では?


出産経験のない女の子と比べて、チャコの乳首が大きいので、赤ちゃんを産んだことがある子なのかな・・・

そう感じました。

ちょっと失礼~!乳首見せてね~
チャコ「イヤーーン ボス見ないでよー!」


◆まったく吠えない


正確には、鳴くことは鳴くのですが、その声が『ブウ~~~~ブウ~~~』というごく控え目なおねだり鳴きのみ。
『ワン』とは一言も吠えません。

単に吠えない子であればいいのですが、声帯カットされている可能性も頭をよぎりました。

もっとも、まだ本領発揮していないでしょうから、長い目で見てみないとわかりませんけれど・・・

他の29頭はどうなんだろう・・・

そういえば、譲渡会の会場でも30頭もワンちゃんがいるのにワンワン吠えている子はあまり多くなかったような・・・うーん、記憶が定かではありません。

歳のせいか、短期記憶がめっきりダメな最近のわたくし・・・(-_-;)

今後、できれば保護団体さんや同じように引取をされた方と連絡を取り合っていけたらと思います。


もし、もしもチャコが声帯カットされていたのだとしたら・・・

ひとつの疑問が浮かんできます。

『単なる犬好きオジサンが多頭崩壊に陥ったのだとしたら、声帯カットのお金があればまず避妊手術を受けさせるはずじゃあ?』

ってことです。


経産婦かもしれないということと、声帯がカットされているかもしれないということで、わたしたちが考えてしまうのは、あの忌まわしきパピーミルのこと。


そして、どうやらわたしたちの想像は残念ながら当たってしまっていたようです。



長くなるのでつづきは次回にします。



<今日のPet Hotel 11!>

ボス・なつ「チャコ、なに引きずってるの~?」
チャコ「お尻が寒そうだからって毛布かけてくれたの」

だって、毛がスカスカだからとっても寒いのよ~~!

初日はまったくゴハンを食べなかったチャコ。
一夜明けて、朝ごはんは完食しました!
お薬もちゃーんと飲めたよ。ホッ♪



2017年10月30日月曜日

【チャコ】新しい家族①

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。



昨日、茅ヶ崎で開催された譲渡会で出会い、我が家の新しい家族になったチャコです。


シーズー×ヨーキーのMIXで女の子です。

毛色が黒×茶で、茅ヶ崎からやってきたから名前は”チャコ”に決めました。

チャコがこれから三浦海岸で送る、新しい犬生はまさに・・・まさに・・・

チャコの海岸物語や~~~~~!!(←ボカスカ)


ちなみに、お料理番は名前を決める際に

『チューバッカだチューバッカだ!』

と主張しましたが一蹴させていただきました。

確かに似てるけど・・・似てるけど・・・女の子なんだぞ~~~~(-_-;)


みなさん、チュ・・・じゃなくて、チャコをどうぞヨロシクね~♪



【譲渡会の結果】


昨日、茅ヶ崎で行われた譲渡会は、30頭の多頭飼育放棄が起きたことによる緊急譲渡会でした。

会場には台風で大荒れの天候の中、たくさんの引取り希望者が訪れて、30頭全頭の新しい飼い主が決まったそうです!

ただし、昨日一緒におうちに帰れたのは26頭、残りの4頭は体調に問題があると主催者側が判断して、後日あらためて健康状態が良くなってからのお引渡しということになったそうです。

狭い会場に30頭のワンちゃんと300人近い人間・・・そして悪天候(-_-;)

にも関わらず、大きな混乱もなく全頭譲渡ができたのは、保護団体のスタッフの方々茅ヶ崎市保健所の職員さんたちの素晴らしい働きのおかげです。

また、当日引き渡しの前に簡単にワンちゃんの爪切りなどをして下さった茅ヶ崎市内のトリミングサロンさんは、お店をお休みにしてボランティアに来てくださっていたそうです。

本当に頭が下がる思いです。

外は冷たい雨が横殴りでしたが、会場内は、集まった人々の優しさで温かい空気に包まれていました。

30頭全員、しあわせになれますように・・・

画像はKDPさんのFBより転載させていただきました。

【譲渡会に行ったわけ】


以前から、我家に1匹ワンちゃんを迎えようという話はしていました。

『どうせ迎えるなら保護犬にしよう』

ということで、今までにも情報をチェックしていたんです。

ただ、

『慌てる必要はないし、お店もまだオープンして1年経っていないので、もう少しお店が軌道に乗ってからでもいいか。』

『きっと、あえて探さなくても、そのうちいつか、わたしたちが引き取らざるを得ない状況というのがくるよ。その時を待とう。』

そんな風に話し合っていました。

そして今回の緊急譲渡会・・・

前回のブログでもお話した通り、保護団体さんも問題が多いと自覚し、批判を浴びながらでも開かねばならなかった、異例の譲渡会でした。

わたしたちは、この情報を知り、

『”その時”って・・・今のような気がする』

『うん!ぜひ行っておいで』

ってことになったというわけです。


【チャコのこと】


●何番の子にするか


会場ではまず、引取りを希望するワンちゃんの番号を決めなくてはなりませんでした。

番号を決めたら、申込書に自分のことや居住環境、先住犬の有無、犬を飼った経験、室内飼育かどうか?などを記入して、面談へと進みます。

面談では、

『もしかすると病気があるかもしれません。ガンになっている可能性も・・・そうなれば治療費もたくさんかかります。それでも終生ちゃんとお世話ができますか?』

というような、主に”覚悟”の部分を重点的にきかれました。

スタッフさんの祈るような気持ちがヒシヒシと伝わってきます。

わたしがペットホテルのオーナーだと言うと、

『ああ、じゃあ大丈夫ですね。お解りですよね?』

と、少しホっとしたようなお顔をされていました。

わたしが申込書に書いたのは9番のワンちゃんでした。

正直、どの子でもいいというつもりで行ったのですが、決めないと次の手順に進めませんので目が合った子の番号を書いたんです。

ところが面談で

『9番の子はもうご希望の人がいらっしゃるようなので、他の子にしてもらえませんか?』

と言われました。

もう他のワンちゃんを見に行っている時間もないので

『じゃあ~・・・10番はどうですか?』

と訊くと

『10番は大丈夫です』

そうして、10番の子と対面することになりました。


●10番さんとの対面


面談が終わると、希望した番号のワンちゃんをケージから出してもらって、直接触れ合うことができます。

そこで、最終的に気持ちが変わらなければ


・今後の説明を受けて誓約書へサイン

・マイクロチップの装着費用と去勢・避妊手術の約束金の支払い

・獣医さんによるマイクロチップ装着(会場に来ていらっしゃいました)


という手順を経て、ケージに入れておうちに連れ帰ります。


対面した10番さんは、おとなしくて、緊張と怯えから少し震えていましたが、とっても可愛い子でした♪


●あらかじめ判っている情報


30頭のワンちゃんは、野犬だったわけではありませんので、少しは判っていることもありました。

とはいえ、判っている情報はとても少ないです。


・30頭が同じ室内で飼育されていた。

・去勢、避妊はしていない。

・飼い主だった”オジサン”以外の人間をキホン知らないようだ。

・ゴミ屋敷のような不潔な環境で飼われていたので、酷く汚れており、ほぼ皮膚病を患っているであろう。

・ごはんは十分にもらっていたようだ。

・散歩はおろか、生まれてから1度も外へは出たことがないと思われる。


以上が判っている全てでした。


●獣医さんへ


譲渡会の会場から、10番さんを連れて出たわたしは、その足で横殴りの雨の中を慎重に運転して、信頼している獣医さんのところへ向かいました。

何もわからないけれど、多頭飼いで避妊手術を受けていないため、一番恐れていたのは感染症妊娠でした。

ウチはペットホテルなので、超長期お預かり犬”ボス”と”なつ”をはじめ、お預かりしたワンちゃんたちに感染ってしまうような病気があった場合は隔離しておかなくてはなりません。

ノミダニのお薬は保護された段階で獣医さんがつけて下さっていましたし、6種ワクチンも接種しておいて下さっていました。

でも、自分自身で獣医さんに連れて行って確認することは、ペットホテルじゃなくても飼い主としての義務です。

また、妊娠している場合は、それなりのケアをしてあげなくてはなりませんし、生まれた子どもたちの飼い主になってくれる人を探す必要も出てきます。


会場では保護団体のスタッフさんに

『妊娠している可能性もありますから・・・』

とハッキリと言われていました。

そういう可能性をキチンと伝えて、それを納得した人にしか引き渡さないのは、とても重要なことですね。



長くなるので次回につづきます。




<今日のPet Hotel 11!>

「環境に慣れるまではケージに・・・」
って言われていたけどチャコは
「出して出して~」ってとっても積極的だったので
出しちゃいました(^▽^)/

すぐにみんなと仲良くなれたよ♪
  
初めての子はまずあがらない特等席のクッションに
ちゃっかりあがるチャコ。
”なつ”もチャコを認めたみたいでよかったよかった(笑)

”チューバッカ”じゃないの!
”ヒゲじい”でもないの!
ワタシ、チャコよーーー!!





2017年10月29日日曜日

茅ヶ崎の緊急譲渡会に行って

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。


本日、茅ヶ崎市保健所で開かれた緊急譲渡会に行ってきました。

今回の譲渡会については、必死で成功させようとする人や応援する人も数多くいた一方、断固として反対する人もいました。


【茅ヶ崎市の緊急譲渡会】


●経緯


緊急譲渡会を開くとの情報がネットで公開されたのは、今月23日(月)のことでした。

シーズー×ヨーキーのMIXが30頭、一度に飼育放棄されたのです。

原因は多頭飼育崩壊でした。

神奈川県の保護センターはもう一杯で、受け入れは実質不可能。

このままでは殺処分を免れない・・・

ということで、茅ヶ崎市の職員さん、獣医さん、保護団体さんが協力して急遽、この譲渡会を開くことになったのです。

関係している保護団体さんご自身が、

『色々問題がある事は、皆が認識しており、言いたい事も沢山ありますが・・・』

と仰っているように、この譲渡会は保護団体さんとしても不本意なことだらけの異例の譲渡会だったのです。

それだけ、切羽詰まっていたということなのでしょう。


●保護犬譲渡の暗黙のルール


保護犬の譲渡について、ハッキリとした決まりはありません。

けれども、保護団体の多くは、保護しても保護しても捨てられる子がなくならないことに対する問題意識が人一倍高いわけです。

せっかく救った子たちが、もう二度と酷い目に遭ったり捨てられたりしないために何が必要か?

ということを考えて、いわば暗黙のルールのようなものができあがっているんですね。

保護した子の状態や性格、置かれていた環境などによっても違いますし、保護団体によっても考え方は微妙に異なるようですが・・・

暗黙のルールとは、たとえば次のようなことです。


◆保護団体が健康状態や性格を把握してから譲渡


新しい飼い主さんにワンちゃんを引き渡してから、思ってもいなかった重大な疾患が見つかった場合に

『こんなはずじゃあなかった。こんな子と知っていたら引き取らなかった』

と言って、飼い主さんがまたワンちゃんを捨ててしまう可能性があります。

そうなっては元も子もありませんし、ワンちゃんだって可哀相です。

だから、あらかじめ保護団体でそういったことをチェックした上で、それを承知で引き取ってくれる飼い主さんを探すんですね。


◆保護団体で去勢や避妊手術をした上で譲渡


少し前に、これを一切しないで譲渡していた有名な団体が非難をあびていましたが・・・

去勢や避妊をしないばっかりに、無計画に近親交配をしてどんどん数が増えてしまうケースが実に多いんですね。

いきつく先は多頭飼育崩壊・・・

更に、近親交配による重大な病気を持ったワンちゃん・・・

収容場所がないというのに、捨てられるワンちゃんはどんどん生まれて増えていくという状態になります。

それを防ぐには去勢・避妊手術をするしかないのですが、新しい飼い主さんが果たしてそれを確実にやるかどうかなんて、保護団体にはわかりません。

数年後に、どこかの家で多頭飼育崩壊があったとの知らせを受けて駆けつけてみたら、それは以前に自分たちから保護犬を引き取った人の家だった・・・

あの人に保護犬を1匹譲渡したら保護犬30匹になって戻って来たヨ!得したねぇ~~♪

・・・ってなるかーーーいっ!!

っちゅーお話ですね。

ですから、多くの保護団体さんでは、引き取ったワンちゃんの去勢・避妊手術をして、新しい飼い主さんに譲る際に、その費用を新しい飼い主さんに払ってもらう・・・という形で譲渡活動をしているケースが多いんです。


◆相性や引き取る人を見極める


『保護犬だって~!処分されちゃうんだって~!可哀相~~!』

という一時の同情だけで軽々しく保護犬を引き取ってしまった飼い主さんが、その熱が冷めてから

『こんなはずじゃなかった・・・いたるところにオシッコはするし、アレルギー持ちだし、ぜんっぜん懐かないし、もう無理~~!ワーーン!』

なんてことも珍しくありません。

それ以外にも、


・実はペット禁止のマンションに住んでいて、後になって管理組合から苦情を受けて飼育放棄する人。

・家族に内緒で引き取って、家族に反対されて飼育放棄してしまう人。

・先住犬との相性が悪くて『ウチは無理でした』と飼育放棄してしまう人。

・動物虐待をすることが目的で引取りに来る悪魔のような人。


保護犬を引き渡した新しい飼い主さんが、こんな人だったら大変です。

だから、保護団体さんは、いきなりワンちゃんを引き渡すのではなく、トライアル期間を設けたり、新しい飼い主さんのことを注意深く調べたり、何度も面談をして話を聞いたりするんです。

中には、引取希望の人の家まで確認に行く団体さんもあるんですね。


こういった暗黙のルールは、多くの保護団体さんが、長いあいだ保護活動をしていく中で、失敗から学んだりした結果、経験上『コレが必要だよね』と感じたことを情報交換しながら作り上げてきた知恵なのだと思います。


●今回の譲渡会は・・・


緊急開催、かつ頭数が多かったためでしょうか。

今回の譲渡会は、上記のような暗黙ルールに沿った形ではなく、次のような点が異例でした。


・ワンちゃんの健康状態も性格も全くわからない状態での譲渡だった。

・30頭すべて未去勢、未避妊の状態のままの譲渡だった
(その代りに、新しい飼い主さんは『必ず手術を受けさせる』という誓約書に署名をし、手術したら返金される”約束金”¥30000を支払うという形にされていました)

・譲渡会の当日、その場で保護犬の引き渡しをするという形だった。
(書面と面談による意思確認と、考えられるリスクに関する説明はキチンとされていました)


●反対の声


そのような形で行われた譲渡会だったため、応援する人がたくさんいた一方で、本日の譲渡会に対して、多くの保護団体や個人から、非難や反対の声もあがっていたようです。

こんないい加減な譲渡の仕方をしてしまえば、再び飼育放棄をする人が出てくる可能性が高いし、万一 虐待目的で引き取るような人がいたらどうするつもりなのか・・・

ということですね。


●いよいよこんな日がきたか・・・


今回、緊急譲渡会に関わった保護団体の方たちは、誰よりもこのような形での譲渡会に多くの問題があることをご存じの方たちでした。

日頃の活動内容を陰ながら応援させていただいているわたしたちは、

『その彼らが止むにやまれずこのような譲渡会を開いたのだろうから、そこにはよほどの事情があったに違いない』

という風に判断しました。

同時に、こうなることはもうとっくの昔からわかっていたことでもあるので、

『いよいよこんなことになってきたか・・・』

という暗澹たる気持ちにもなりました。

何度もお話していますが、行政の”殺処分ゼロ計画”穴だらけです。

飼育放棄自体を減らす政策を取ることなく、単に今まで殺処分していた子たちを、民間の保護団体に引き出してもらうという形で 殺処分ゼロを実現しているにすぎません。

当然、受け皿となっている保護団体だっていつしか受け止めきれなくなる時がくることは、関わっている人たちのすべてが、ずっと前から言っていたことです。

現場で保護犬や保護団体さんと日々接している行政の職員さんたちの多くも、そのことを痛感して、歯がゆい思いに苦しんでおられます。

残念ながら、今後、ますますこういった不本意な形の譲渡活動は増えていくでしょう。

もう限界なんです。

現在のシステムは崩壊しかけているんです。

今回の譲渡会は、その象徴なのだろうと感じています。



●皺寄せは善意の人々に・・・


今回、譲渡会を開催した側の保護団体さんも、反対の声をあげた保護団体さんも、どちらも生き物の命を尊重し、たいせつにしたいと心から考える善意の人々です。

ですから、どちらの方が正しいとか間違っているとかいう問題ではないと、わたしは思っています。

どちらも必死で、

『今、最優先で何をどうするのが よりこの子たちのためになるのか?』

を考えて行動していらっしゃるのでしょう。


同じ目的や理想を共有する、同じように動物を愛する優しい人たちどうしが、なぜ互いに非難し合ったりするようなギリギリのところまで追いつめられなくてはならないのでしょうか・・・

ほんとうに哀しいことです。

一日も早く、保護犬自体の頭数を減らす、いわゆる”蛇口をしめる政策”を実現してもらわなければ、心優しき人たちが疲弊して潰れてしまいます。

政府や行政のトップは、それをどう考えているのでしょうか・・・



本日、わたしは会場にいたNo.10という番号札のついたワンちゃんを家に連れ帰りました。

新しい家族です。

新しい家族についてのお話は、長くなるので次回のブログに書くことにします。




<今日のPet Hotel 11!>

本日から新しい家族になりました!
譲渡会の帰り、その足で獣医さんに行って健康チェック済。
環境に慣れるまでは静かに過ごせるようにしてあげます。

MAXくん「しっかしよく台風くるなぁ~~~」
まったく、やんなっちゃうねぇ~~

ボス「ねぇ~~~~ ボールはぁ~~~?!」
そんな恨めしい顔したって台風なんだから仕方ないでしょー

なつ「ちょっとー、早くお外で遊ばせてよ~う」
・・・って、めちゃめちゃ快適そうに見えるんですがー(笑)




2017年10月28日土曜日

韓国で起きた咬傷事故を受けて③

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。



韓国のアイドルグループ”SUPER JUNIOR”のメンバー、チェ・シウォン氏のご家族が飼っているフレンチ・ブルドッグが起こした咬傷事故が、様々な波紋を呼んでいる件について、感じたことを書いています。

この事件について韓国国内で、

『そんな危険な犬は安楽死させるべきだ』

という論争にまで発展していることに対して、日本のネット上で


『安楽死という極論まで出るのは、そもそも韓国人の犬に対する考え方がドライだからだ。

韓国人は犬を食べる民族だし、仁川空港(インチョン空港)での犬射殺事件を見てもそれが解る』

というような見解を示している人がいるけれど、わたしは、

それはちょっと違うんじゃあないか・・・

と感じているというお話です。

【韓国の犬事情(つづき)】

●仁川空港における犬射殺事件とは


昨年(2016年)12月に起きた事件です。

仁川空港でバンコク行きの飛行機に搭乗予定のタイ人が預けた愛犬が、ケージを抜け出して駐機場を走りまわりました。

犬を預かった職員が、ケージのカギをかけ忘れたことが原因でした。

職員はなんとか犬を捕獲しようと試みましたが捕まえることができず・・・

滑走路に侵入すれば飛行機の離発着に支障をきたすと判断した空港職員によって、その子は射殺されてしまいました。

(仁川空港では、実は2013年にも同様の事件があったとのお話もありますが、真偽のほどは確認できませんでした)

空港側は、

「必死に捕まえようとしたが、犬が滑走路の近くまで接近し、事故の恐れがあると判断したため、現場に駆けつけた野生鳥獣管理チームが空港のマニュアルに従って射殺した」

と言っていますが、そもそも空港職員のミスで逃げ出してしまったワンちゃんを、いくら規定だとはいえ、無慈悲にも射殺してしまったことに対して世界中から非難の声が数多く上がりました。

わたしも、

『そりゃーないだろう!酷すぎるっ!!』

と憤りを感じました。

犬が滑走路に侵入すれば、射殺しなくてはならないくらい大変な事態を招くことが判っているのなら、逃走防止策を徹底しなさいよ!!

ってことですね・・・

飼い主さんもワンちゃんも、あまりにも可哀相です( ノД`)


【決めつけは何も生まない】


●羽田空港プードル脱走事件


仁川空港の事件に対して、つい先日 羽田空港で同様に係員がケージに網をかけ忘れたことが原因で逃げ出してしまったスタンダード・プードルを、40分後に無事捕獲したという話題がニュースになりましたね。

犬好きとしては、どうしてもこれら2つのニュースを比較して、韓国は犬に冷たい!と言いたくなってしまうのかもしれません。

けれども、物事を冷静に見てみると、必ずしもそうでないことが判ります。


●ニュージーランドで・・・


この事件は、わたしのブログでもご紹介しました。

【ワンコを射殺してまで守りたかったものとは?】

やはり空港での出来事でした。

麻薬探知犬の訓練生ワンちゃんが逃げ出し、駐機場を走り回って捕獲できなかったため、最後は警察によって射殺されてしまいました( ノД`)


●ドイツで・・・


日本人にとっては、犬に優しい国の代表格のようなドイツで、今年(2017年)7月に起きた事件です。

買ったばかりの愛犬を車に乗せてドライブしていた飼い主が、トイレ休憩していたところ、リードに繋いでいなかったワンちゃんが逃走し、高速道路上を走り回りました。

捕獲を試みましたが捕まらず、あたりが暗くなってきたために、安全を考慮した警察によって射殺されてしまいました( ノД`)


●アメリカで・・・


今年(2017年)7月、ミネアポリスで起きた事件です。

ある民家の警報アラームが鳴り、要請を受けた警官が敷地内に侵入したところ、庭に2匹のピットブルがいました。

2匹のピットブルは、その家の情緒不安定な長男のために感情支援動物として飼われていました。

防犯ビデオの映像では、ワンちゃんたちは庭に侵入した警官に対してシッポを振っていて、襲い掛かる風情もなくその場に立っていたところを警官に拳銃で撃たれました。

2匹とも・・・

その後、警官は塀をよじ登って逃げていきました。

『身の危険を感じたので撃った』

だそーですヽ(`Д´)ノ

一部始終が防犯ビデオの映像として残っています。

撃たれたワンちゃんたちは、奇跡的に命を取り留めましたが、長期にわたる手術を必要とする重症だそうです。


●悲劇を無駄にしないで・・・


なんだかイヤなお話ばかりになってしまい、泣きそうな気持ですが・・・

どれも、人間の 管理不行き届き や 早とちり といった冷静さや注意力を欠いた行動が原因となって、ワンちゃんたちが酷い目に遭ってしまったという事件です。

韓国だから、日本だから、ドイツだから・・・といったこととは性質が違うんです。

『この国は犬に優しい国だから国民全員が犬好き』

ということもなければ

『この国は犬に冷たいから国民全員犬嫌い』

なんてことは、あるはずがありません。


日本でも先日、チワワを劣悪な環境のごみ屋敷で多頭飼育し、繁殖させては無資格で販売していた男が逮捕されましたね。

そのニュースが韓国で流れたとして、それを見た韓国の方が

『日本人って最悪だな!犬を虐待するひどい国民性だ!』

なんて言ったら

『チョーイチョイチョイ待った~~!!レッテル貼りはやめてよね~』

って思いますよね?

大事なことは、こういった事件を知った時に、批判や中傷をして終わってしまうのではなく、自分にも起こり得ることだという自覚を持つことではないでしょうか?

飼い主さん、犬を預かる可能性のある施設職員、警官などなど・・・

犬に関わる人みんなが、こういった痛ましい事件を反面教師にして、二度とこんなことが起きないように気を付けることではないでしょうか。


自分の対応やオペレーションは大丈夫だろうか?

脱走防止対策は万全だろうか?

安全確認をルーティンにしてしまい、ないがしろにはしていないだろうか?

ケージや鍵、リードやチョーカーは劣化していないだろうか?


といったことを再確認したり、


もし自分が同じようなシチュエーションに遭遇した当事者だったら、どういう行動を取るべきだろうか?


ということをシュミレーションしたり・・・


愛犬家のわたしたちがすべきなのは、そういうことなのだと思っています。

なぜならば、それが、わたしたちがこのような事件によって命を落としたり大怪我をしたワンちゃんたちにしてあげられる唯一の償いだと感じるからです。

非難や中傷は、摩擦や憎しみを助長してしまうだけで、な~んの役にも立ちゃーしません。


最近、やたらと危機感を煽ったり、争いを助長するような、エラい人たちの発言によって、きな臭い殺伐とした空気が蔓延しているように感じます。

どの国の人でも、どの民族でも、どんな宗教でも、どんな星座でも血液型でも干支でも・・・・

『あいつら』だとか『こんな人たち』だとか

ひとくくりにするのは、とってもキケンだと、わたし個人は感じていて、今の空気をとても危惧しています。



犬に咬まれて亡くなった女性の死も、人間によって殺された犬たちの死も、無駄にしないようにしたいものですね・・・


それこそ、戦争などが起きてしまっては、人も犬も多くの命が失われるのですから・・・




<今日のPet Hotel 11!>

MAXくん
「今日は雨ふりだからお庭で遊べないんですね~」
そうなのよ。イイコねぇ~~

なつ
「早くお庭で虫さんと遊びたいんだけどっ?!」
雨コンコンだから無理だよぅ~(-_-;)

ボス
「どーしてお庭でボールできないの?」
だから雨コンコンだから無理なんだってばぁ(-_-;)




2017年10月27日金曜日

韓国で起きた咬傷事故を受けて②

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。


前回のブログで、韓国のアイドルグループ”SUPER JUNIOR”のメンバー、チェ・シウォン氏のご家族が飼っているフレンチ・ブルドッグが起こした咬傷事故について書きました。


【韓国の犬事情】


●事故の波紋


残念ながら、大変痛ましい事故となってしまいましたが、前回記事でもお話したように、亡くなった女性の遺族が、加害者の誠意ある謝罪を受けて

『訴訟を起こす気も慰謝料を請求する気もありません』

と表明しておられます。

にも関わらず、ネットを中心に大変なバッシングがあったようですね。

『チェ・シウォン氏は、追悼の意を表して 出演しているドラマを降板すべきだ』

『降板させないならドラマの放映を中止せよ』

などという声がテレビ局に殺到したというニュースもありましたし、事故を起こしたフレンチブルドッグに対して

『そんな危険な犬は安楽死させるべきだ』

なんて言うネット上の発言も・・・

当事者間で『許す』というお話になっているのに『許せない』と感じる人や、自分が直接被害を被っていないようなことをも『絶対許せない!』と非難する人が、最近すごく多いような気がします。

でもきっと、以前からこういう人は一定数いて、特に増えたということではないのかもしれませんね。

家の中でテレビに向かってブゥブゥ言っていたような独り言や、ごく親しい人とのお喋りの中で

『おかしいよね?!ワタシ絶対許せないっ!』

と言っていたようなお話を、SNSなどを使ってネットで発信するようになったことで、単なる個人の感想が誰かに対する非難に形を変えてしまっただけのことかもしれません。

そうなってくるともう、実際には『許せない』なんて思ってもいない人まで、その騒ぎ自体を面白がって悪ノリしたりするんでしょう。

いずれにせよ、趣味のいいお話ではありませんね・・・

『安楽死』などという声が上がっていることは、悪ノリにしてもあまりにも酷すぎると思いますし、驚きと悲しみを禁じ得ません。



●韓国人は犬に冷たいの?


ネット上では、この事故の波紋について取り上げて、

『安楽死という極論まで出るのは、そもそも韓国人の犬に対する考え方がドライだからだ。

韓国人は犬を食べる民族だし、仁川空港(インチョン空港)での犬射殺事件を見てもそれが解る』

というような見解をしている人もいるようです。

わたし自身、韓国には一度も行ったこともありませんし、残念ながら韓国人の友人もいませんので実際のところは解りませんが、それでも・・・このような考え方は少し偏っていると思います。

確かに、韓国には犬肉を食べるという文化があります。

仁川空港での犬に対する酷い仕打ちは許しがたいとわたしも感じています。

まずは、ご存じない方のために上記2つの件についてお話しておきましょう。


●犬食について


愛犬家にはショッキングなお話ですが、犬の肉を食べるという文化は、昔は世界中の国で見られました。

日本もかつては犬を食べいたことが、遺跡や古い書物からも明らかになっています。

食文化とは少し違いますが、太平洋戦争の戦中~戦後の食糧難に際しては、日本でも犬の肉を食べていたという事実もあります。

韓国では今現在でも確かに犬食の文化が残っていて、イギリスでは韓国政府に対して犬肉取引の禁止を求める嘆願書に署名した人が9万人以上に上ったこともニュースになりました。


●日本では考えられない事件も・・・


犬食がフツーな韓国だからこそ起きた事件もありました。

昨年のことです。

韓国のとある村で、その事件は起きました。

10年間可愛がっていた大型犬(オールド・イングリッシュ・シープドッグ)をウッカリ逃がしてしまった飼い主さん。

必死で探し回り、近所にも聞き込みをしましたが見つかりませんでした。

ところが、なんとそのワンちゃんは、行方不明になってから2日後に、河原で倒れていたところを、近隣の住民4人によって屠殺(とさつ)され、食べられていたことが判明したというニュースです ( ノД`)

しかも、その4人は飼い主さんが愛犬を探して聞き込みをした人の中に入っていたそうです。

愛犬を探していることを知っていながら、発見した犬を殺して食べたということになりますねヽ(`Д´)ノ

ちなみに、4人はその後、占有離脱物横領罪という罪で罰金刑に処せられたとのことです。

こんな事件を知ってしまうと、愛犬家としてはもう感情的に吐き気を伴うような憎悪を感じてしまいますよね(-_-;)

でも、この事件は韓国人の間でも相当の非難を浴びたようです。

韓国人だから・・・というよりも、どこの国にもいる酷い人が起こした酷い事件だと捉えるべきだと、わたし個人は考えています。


●わたしたち日本人も・・・


わたしだって、犬を食べることにはとてつもなく抵抗感があって、ぜひともやめて欲しいですヨ!

でも、それは感情論です。

わたしたち日本人だって、牛・豚・鳥などをいただきます。

食べるために飼っている・・・とも言える”牧畜”を当たり前のこととして容認しています。

そして、小さな子どもたちを”ふれあい牧場”などに連れて行って、肉牛に牧草をあげたり、和気あいあいとふれあった直後、すぐ隣の広場で牛肉バーベキューをして舌鼓を打ったり、帰りにお土産屋さんでジャーキーなんかを買って帰ったりしますよね?

牛を食べない文化圏の人から見たら、

『悪魔かよっ?!』

と思える、地獄絵図のような光景でしょう。


もっと言えば、海外から多くの非難を浴びている、クジラ肉イルカ肉を食べる文化が日本にはあります。

同じ日本人の中にも、

『イルカを食べるなんて野蛮すぎる!許せないわ!』

という人もいれば

『今日、特売でイルカ肉が安かったから今夜はイルカの味噌煮よ~♪』

というお母さんがいるご家庭がフツーという地域もあるわけです。


少なくとも、こういった矛盾に筋の通った説明ができない限り、軽々しく

『韓国人は犬を食べる民族だから犬に冷たい』

などと言うのはどうかと思ってしまいます。


ただし、食文化の違いによる生理的な抵抗感というものは、理性では払拭しがたいほどに摩擦係数が大きい!!ってことは、わたし自身理解はしているつもりです。

『ワタシもアナタの食文化を認めるから、アナタもワタシの食文化を認めてね!』

っていう風にシンプルには、なかなかいかないところが難しいですねぇ・・・



長くなったので、仁川空港の事件のお話は次回にします。




<今日のPet Hotel 11!>


ストレス発散にやってきたウリくんの変顔(笑)

”なつ”姐さんには興味がないけど・・・

なぜかボスのことが大好き!

や・・・やめてくれ~~~(by ボス)

ボスが逃げると追いかけるんだけど・・・

「追い抜いとるやないか~~~いっ!!」(byなつ)




2017年10月26日木曜日

韓国で起きた咬傷事故を受けて①

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。


先日、韓国のアイドルグループ”SUPER JUNIOR”のメンバー、チェ・シウォン氏のご家族が飼っているフレンチ・ブルドッグが起こした咬傷事故がニュースになりましたね。

それを受けて、色々と思うところがありましたので記事にしてみたいと思います。



【安全対策は万全に】


●事故のあらまし


フレンチ・ブルドッグは、マンションの室内で放し飼いされていたようです。

そして、何かの拍子に玄関から外へ出てしまいました。

当然、ノーリードの状態です。

運悪く、そこに到着したエレベーターのドアーが開き・・・中にいた被害者女性は、入って来たフレンチ・ブルドッグに脚を咬まれてしまいました。

6日後、フレンチ・ブルドッグに噛まれた傷が原因と思われる敗血症で、その女性は命を落としました。

亡くなられた女性は、歴代大統領や、政界・財界御用達の70年以上もの歴史を持つ超老舗レストラン”韓一館(ハニルグァン)”の代表だったそうです。

また女性のご遺族は、チェ・シウォン氏とご家族が全面的に非を認めて誠実に謝罪し、葬儀にも参列して共に涙を流してくれたとして、

『飼い主さんを訴えるつもりも慰謝料を請求するつもりもない』

と仰っているようです。


エレベーターに乗っていたら、アラアラ♪可愛いワンちゃんが入ってきたわ~!

という微笑ましい出来事が、”ガブリッ!”で一変・・・

それからたった6日で亡くなってしまうことになるなんて・・・誰が想像できたでしょう?!


●犬に咬まれると敗血症になる?


そうともいえるし、そうでないともいえます。

そもそも敗血症というのは、外傷などから侵入した菌が血液を汚染して全身に回り、命に関わる重篤な症状を呈する病気です。

犬じゃなくても猫に咬まれても起きる可能性はありますし、もっといえば引っ掻かれただけでも起きる可能性があります

ただ、感染源となる動物が敗血症に繋がるような病原菌(カプノサイトファーガ・カニモルサス)を持っていることと、傷を負った人の抵抗力が落ちていること・・・

といった不幸な条件が揃わない場合は、敗血症にかかりません。

ちなみに、日本国内でペットに咬まれたり引っ掻かれたりして敗血症が重症化した事例は14例だそうです。

咬傷事故の発生件数だけを考えても、そう高い確率ではない・・・というより、かなりのレアケースだということが判ります。

まして、引っ掻きの発生件数も分母に足すと・・・ペットに咬まれたり引っ掻かれたりして敗血症になってしまうことは、確率的には非常に低いんだと言ってもいいかと思います。

余談ですが、日本国内では敗血症によって年間推定10万人の方が亡くなっているそうです。


●あなどることなかれ


たーだ!!

自分を咬んだり引っ掻いたりした犬(猫)が敗血症の原因となる菌を持っているかどうかなんて、あったりまえですが見た目で判断することなどできません。

抵抗力が落ちている人ってことで、お年寄り限定かと思いきや、今回フレンチ・ブルドッグに咬みつかれて敗血症で死亡した女性の年齢は53才です。

真矢ミキさんと同い年です!まだまだ若いヨ!!

ですから、ワンちゃんやネコちゃんに万一咬みつかれた場合は、どんな小さな傷であっても、必ずすぐに病院に行くようにしてください。

また、単に引っ掻かれた時も、発熱や吐き気などの体調変化があったら、すぐさま病院へ~~~!

菌が全身に回ってしまってからでは、手遅れになる可能性が高いんですからね。

肝に銘じておいてくださいましっ!



●ウチの子に限って


マンションの室内でワンちゃんを放し飼いしている人は、たーくさんいらっしゃるでしょう。

自分のおうちの中ですから、何もマンション内でも檻に閉じこめておけなんていう人はいませんね。

問題は、玄関が開いたら出てしまうような状態だったことです。

『ウチの子は大丈夫。今まで1回も玄関から出ちゃったことなんてないんだもの♪』

と仰る飼い主さんは要注意です。

以前もお話しましたが、咬傷事故を起こしてしまったワンちゃんの飼い主さんのほとんどが、異口同音に

『今まで咬みついたことなんて1度もなかったのに・・・まさかウチの子がこんなことをするなんて信じられませんっ!!』

と言っているんです。

そんなことするわけない っていう油断が事故を招いてしまうんですね。

何かに驚くなどして我を失ったワンちゃんが、止める間もなく開いた玄関の隙間から逃げ出してしまったら・・・

一旦、ノーリードでお外に飛び出したワンちゃんを追いかけて止めるのは至難の業です。

いつもならするはずのないことをしているのですから、飼い主さんの呼び戻しだって耳に入らない興奮状態かもしれません。


どんなにしつけが行き届いていて、飼い主さんの許可がなければ玄関の外には出ないおりこうワンちゃんだったとしても、外に通じる出入口を開く時には奥のお部屋にいさせるようにするなどの脱走防止策を取っておいた方がいいですね。

『んなバカなぁ~~~!』

と思う方は、ご近所の方の顔を思い浮かべてみてください。

その方が、アナタの愛犬に咬みつかれてたった6日後に亡くなったとしたら・・・

ゾゾゾゾ~~~~!!

でしょ?!

今回の事故でも、防犯カメラの映像には、家を飛び出してしまったフレンチ・ブルドッグを追いかけて来たチェ・シウォン氏のお父さんが、慌てて女性から愛犬を引き離す様子が映っています。

油断と気のゆるみが招いた、ほんの一瞬の出来事だったのだということがよくわかりますね。


長くなるので次回につづきます。



<今日のPet Hotel 11!>

明日はボスのことを大好きなヤンチャ坊主がやってくるよ~!
って言ったらこの顔(笑)

昨夜、夜中に珍しく”なつ”が鳴くので、心配したところ・・・
深夜にすごーくいいウンチを(笑)
夕方食べたサツマイモが効いたのかな~?

近所のお魚屋さんで4尾380円でゲットした
マルマルとしたサンマ♪
美味しかったよ~~(^▽^)/















2017年10月25日水曜日

ワンちゃん想いの政党はどこだ?!④

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。


前回のブログで登場人物③として国会議員の言い分を書いてみました。

便宜上解りやすくなるように

・8週齢規制の法制化に賛成の議員さん
・8週齢規制の法制化に反対の議員さん
・日和見派の議員さん

という風にしましたが、色々と調べていくと実はこんな風に明確に分かれているわけではなくて、もしかすると思っているよりも多くの議員さんが三番目の”日和見派”なんじゃーないかと思うに至りました。

あくまで私見ですが・・・


【わかりにくい議員さんの本音】


●表向きは全員もれなく動物愛護を表明


例えば、動物愛護団体などが政党や議員さんにアンケート調査を行った結果を見ると、その結果は ほとんどの議員さんが動物愛護を推進している立場にいるかに見えます。

『動物愛護だぁ?関係ないネっ!正直どーだっていいぜ!』

みたいな”ますらおぶり”な回答はないんですね~。

もし、このアンケート結果が真実ならば、とーーっくの昔に8週齢規制が実現しているはずじゃあ・・・?って思っちゃうくらいです。

でも実際には、アンケートにきめ細かく答えていて、模範解答をしている政党や議員さんだからといって、必ずしも発言や活動実績が伴っているとは言えないんです。

当然、模範解答をした方がイメージがいいわけですから、アンケート調査をした団体が望むような回答を上手にしている政党や議員さんはたくさんいる・・・

でも、よくよく調べていくと、動物愛護管理法の法改正の時には、明らかに業界寄りの発言をしていたり、法改正が遅れる方向に誘導していたりという議員さんのことも漏れ聞こえてきます。

中には、動物愛護を推進する団体の幹部に名前を連ねているのに、業界寄りの動きをしているような人も・・・

だから、アンケート結果を見ただけでは本質はぜんぜん見えてこないんですねぇ。

むしろ、アンケートに模範解答をしているのは、単に政党としての広報活動が上手なだけという気がしてくるわけです。

まさに、政界は魑魅魍魎だらけ~(-_-;)


●疑心暗鬼


例えば、被災地で飼い主さんと離れ離れになったペットを救う活動を熱心にしている議員さんがいたとします。

わたしたちは、そのお話を聞いて

『すばらしいなぁ~!ワンちゃんに優しい議員さんなんだなぁ~!応援したいぞ』

と思います。

でも、よーくよくよく調べていくと、実はその議員さんにペット業界から多額の政治資金が寄付されていたり・・・

そういうことが判ると、(。´・ω・)ん? 

『もしかして・・・被災地に大量にあの議員さんが寄付していたペットフードは業界が議員さんに渡していたものかも?』

という疑念がフツフツと湧いてきます。

『〇〇先生、被災地支援のためにペットフードをたくさん寄付しますよ。先生のお名前で被災地に寄付すれば、イメージアップ間違いなしですよ!』

『ふむふむ、苦しゅうない』

『その代り、8週齢規制の件、実現しないようにぜひお願いしますよ~~!』

『よきにはからう』

みたいなやりとりが裏であったのかもしれないし、なかったかもしれない・・・

そんな妄想をしてしまうんですね・・・


●選べんっ!!


結局のところ、本当に自分が重要視している事案に関して、期待しているような行動をしてくれる政党だの議員さんだのを選ぶのは至難の業ってことだけはわかりました。

調べれば調べるほどに暗澹たる気持ちになるばかり・・・


綺麗ごとを言えば”日和見派”の議員さんの言っていることは

『フザけんなよこの税金ドロボー!!』

の一言で片付いてしまいます。

でも一方で、彼らの言い分も解らないではないんですよね。

実際、彼らは議員でなくなれば法改正に関わることすらできなくなるワケです。

議員でい続けるためにはお金が必要で、そのためには大手の業界や企業との結びつきがないと、他の議員に太刀打ちできないというカラクリ・・・

それがあるために、わたしたち一般の有権者からは、本質が見えにくくなっているんでしょう。


●格差拡大システム


一番腹立たしいのは、お金の呪縛から国会議員を解き放たない限り、お金をたくさん持っている人の言い分ばかりが国会を通過していくシステムになっているってことです。

をたくさん持っているのは、いわゆる”大手”と名の付く業界や企業です。

お金をたくさん持っているのは、いわゆる”大手”と名の付く業界や企業です。

一緒やないかいっ!!ヽ(`Д´)ノ

そりゃあアータ、格差も広がる一方だわねぇ(-_-;)


●より深刻なのはどっちだ?


法律や社会のしくみを考える際に、意見が対立するのは仕方ないと思います。

けれども、どちらを優先するべきか?を考える時に、本来ならば、

どちらの方がより深刻に困っているか?

という判断になるのが人道的に理想だと思うんです。

8週齢規制に関して言えば、明らかにギリギリの状態に置かれているのは業界団体ではなく、保護団体であり、飼い主さんであり、虐待されたり捨てられたりする犬たちだと思うのです。

にもかかわらず、審議会はそういう基準で判断が下されたとは到底思えない、屁理屈だらけの結果に終わったんですね。

『強いものに配慮がなされた結果』

そう呼ばざるを得ないでしょう。

強い者に必要なのは、外からの配慮や援助ではなく、自らの企業努力なんじゃーないんですかねぇ?


●企業献金ってヤツ


わたしたちが、もっとシンプルに政党や議員さんのやっていることを見極めることができるようになればいいのに・・・

色々と調べていく中で、タメイキまじりに何度そんなことを思ったことでしょう。

しまいにゃー、もうドイツもコイツも怪しく見えてきて、かなり厭世的になっちゃいましたヨ(とほほ)

その解りにくさの一番の元凶は、企業献金ってヤツじゃーないかと思っています。

”日和見派”の議員さんたちだって、結局コレに振り回されているんでしょうし、首根っこをギュッと掴まれているんでしょう。

まるで、大企業にチョーカーとリードをつけられたワンちゃんみたいな議員さんだらけなんですね!(ワンワン)

そんならもっとワンちゃんの気持ちがわかるだろーに・・・(ブツクサ)


もしかすると、企業献金がはびこっている今のシステムのまま8週齢規制の法制化を訴え続けるよりも、まずは企業献金を廃止にすることを訴えた方が、”急がば回れ”になるのかもしれないなぁ・・・・


そんなことを考えた、今回の衆議院総選挙でした。

結論もない、愚痴のようなブログになってしまいました(;'∀')




<今日のPet Hotel 11!>

選挙ポスター風ボス
作ってみたけれど・・・

なんだそりゃ~~?
・・・って、犬たちには不評(´;ω;`)

今日は寒いなぁ~~~



2017年10月24日火曜日

(緊急のお願い)ワンちゃん想いの政党はどこだ?!③

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。


前回のブログのつづきですが、今日はみなさまに緊急のお願いがあります。

ぜひ最後までお読みください。
(お時間がない方は最後だけでもお読みください)


【法改正に関わる登場人物たち】(つづき)


登場人物③

議員さんたち

8週齢規制を望む団体などからの陳情を受け、規制を推進しようとする人

8週齢規制に反対するペット業界などの要望を汲んで、規制を阻止しようとする人

8週齢規制に関して確たる信念や考えがなく、日和見(ひよりみ)主義の人

という3種類の議員さんがいます。


では、彼らの言い分を・・・


◆8週齢規制推進派の議員さん


保護団体や愛護団体から陳情を受け、深刻な問題だという認識を持っています。

欧米などの愛護先進国を見ても8週齢規制が常識となっている今、日本はかなり立ち遅れていると言わざるを得ません。

愛護動物(ペット)をどのように扱っているか?ということは、その国の文化レベルを推し量るバロメーターでもあります。

また、各都道府県行政が力を入れている”殺処分ゼロ運動”についても、現実には保護団体頼みという現状があるのだから、早急に根本的な解決策を打ち出す必要があります。

そういう理由から、早急な8週齢規制の法制化に賛成です!


◆8週齢規制に反対の議員さん


多くの関連企業があるペット業界が、8週齢規制によって大きなダメージを受けることになる。

それによって景気が停滞することは国民のためにならない。

国の経済が落ち込めば、当然のことながら保護団体や飼い主さんにもダメージになることだ。

そのような大きな変化を法律で決めるには、単に諸外国に倣うというだけでなく、確実で学術的なエビデンスが提示されるべきではないか?

そういう理由から、今回議題となっている8週齢規制の法制化には反対です!


◆日和見主義の議員さん


もちろん、議員の仕事に就いているのは、国民の代表として多くの国民の声を国づくりに反映させるためです。

でもねぇ・・・国会議員には必要不可欠なものがふたつあるんですよ。

それは”票”と”お金”

”票”っていうのはまあ支持者の数ですよね。

国民の声に真摯に向き合って誠実に仕事をしていれば、当然支持も増える・・・

わたしだって議員になりたてのころはそう思っていましたよ。

でも、現実はそう簡単じゃあないんですねぇ。

今回、困っている保護団体さんや問題行動の多いワンちゃんの飼い主さんのお話を伺って、8週齢規制を法制化すべきだとわたしも感じました。

でも、反対派の人たちからの陳情もまた、わたしたち議員のところには届くんですよ。

アチラを立てればコチラが立たない・・・

票っていうのは数ですからね。

どうしても、大企業や大きな業界の声というのは無視できない部分はご理解いただきたい。

大企業や大きな業界団体というのはまた、企業献金というのをね、してくれるんですよ。

それは、わたしたちにとっては本当に有難い!!

え?ひどいって?

いやいや、だって、票とお金がなければ議員生命はおしまいになるんですよ?

そうなっては、弱者の声に耳を傾けることも、国民の幸せのために尽力することもできなくなってしまうんですよ?!

ですから、国民を幸せにするというわたしの使命を果たすためにも、まずはわたし自身が議員でい続けること。

これが何よりも大事なんですよ!

解ってくださいますよね、ね?!


------------


なるほどな、なるほどなるほどなるほどなっ!!
(by原西)

そういえば、今回の衆議院総選挙でも、

『大義を果たすためには、とにかく選挙で生き残って議員でい続けることだー!』

と言って鞍替えした議員さんたちがたくさんいらっしゃいましたねぇ~。

言い分というか、気持ちは なるほどなっ!解らないでもないけれど、こういう議員さんたちは、じゃあ一体いつになったら本当に国民の幸せのためにお仕事してくれるんでしょーかねぇ~~!


【多頭崩壊!緊急のお願い】


前回のブログで、8週齢規制を推進したい保護団体の方たちの言い分を書きましたね。

行政の”殺処分ゼロ計画”の受け皿となって、日々奮闘している人たちです。

まさに、現在問題となっていることを象徴するような出来事がありました。


●ご協力をお願いします。


保護犬の引き取りが可能な方、ぜひご協力をお願いします。

引き取りは難しいけれど、何か協力したいと言って下さる方、リンクを開いて、そのページをぜひ多くの方にシェアしていただけるようお願いします。


<概要>


神奈川県茅ケ崎市の保健所管轄内で、飼い主による小型犬30頭の飼育放棄が起きました。

神奈川県動物保護センターは、収容された犬たちで既にいっぱいです。

この30頭を収容すると、殺処分を即再開せざるを得ない状況です。

そこで、この子たちの飼い主さんを探すために、保護団体:アニマルプロテクションさんが10月29日(日)に緊急譲渡会を開きます

詳細はコチラをご覧ください。

※保護団体の方たちはとってもお忙しいです!気軽に問い合わせをすることはご遠慮さしあげ、譲渡条件やワンちゃんたちの状態については、サイトを隅から隅までよ~くお読みください。


今回のお話は、茅ヶ崎市の職員さんが、ある獣医さんに相談したことがキッカケで、アニマルプロテクションさんによる譲渡会に繋がりました。

市の職員さんは、本来なら単に県の動物保護センターに引き渡してお仕事終了のところを、ワンちゃんたちの命の重さを考えて、保護センターに引き渡す前に何とかできそうな人に相談されたのです。

この、茅ヶ崎市職員さんの勇気ある行動と、相談を受け流すことなく保護団体に繋げて下さった獣医さんの尽力を無駄にしないためにも、多くの方のご協力をお願いいたします。

現在、既に神奈川県動物保護センターに収容されているワンちゃんたちの命を守ることにも繋がります。

当日は、わたしも譲渡会に行ってくるつもりです。



【ハナちゃんの手術】


先日来、ブログでお話していたチワズーのハナちゃん。

本日午後、外歯瘻の手術でした。

お陰様で手術は無事成功しました(*^▽^*)

今回、抜歯は2本で済み、また血液検査の結果もハナマル♪

飼い主さんも喜んで、

『じゃあきっと長生きだ~!健康な歯でいられるように頑張らなくちゃですね!』

と決意を新たにされていました。

応援して下さった皆様、お祈りして下さった皆さま、本当にありがとうございました!



<今日のPet Hotel 11!>

今から獣医さんでオペ
ちょっとドキドキ~

「ハナちゃん、がんばってきてね~~~!」

「行ってきま~~す!」
”なつ”が心配そうに見送ります

ワタシも歯周病にならないように
松ぼっくりで歯磨きしなくっちゃ!

ボクも・・・うーん
”なつ”の歯磨きの後かぁ・・・(-_-;)






2017年10月23日月曜日

ワンちゃん想いの政党はどこだ?!②

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。

みなさまのお住まいの地域では、台風の被害はありませんでしたか?

ここ、三浦市では多くの世帯が早朝から停電で、復旧したのは午後になってからでした。

冷凍にしていたコロッケやハンバーグが半解凍されてしまったので、急いで食べなくちゃー・・・程度の被害で済みました。

また次の台風の赤ちゃんが生まれたそうですね・・・

台風の出産ラッシュだけはいただけなーーい( ノД`)



さて、前回のブログで、2013年9月の動物愛護管理法において、8週齢規制が検討されたにも関わらず、実際には骨抜きの改正になったということをお話しました。


【法改正に関わる登場人物たち】


●刻むねぇ~!


前回お話した通り、改正法では

45日(改正後3年間) → 49日(いつか改正されるまで) → 56日(いつか)

などとゆー、法律とはいえないほど曖昧な結論になっています。

いつかっていつなんだ~い?!


●望むのは誰?望まないのは誰?


生後56日(8週齢)までは子犬を母犬から引き離さない方が問題行動を起こすワンちゃんが減ることはもう判っているんです。

判っているから具体的に56日っていう数字が出ているんです。

にも関わらず、スパッ!と56日にせずに、ここまで刻むのは何故なんでしょう?

何やらものすんごい攻防戦が繰り広げられた結果、落としどころをこのようにせざるを得なかったからなんですね。

その攻防戦というのは、誰と誰の間の攻防戦で、誰が得をして誰が損をするお話なんでしょーか?


●登場人物


動物愛護管理法の改正という舞台に登場する人物たちと、その言い分を整理してみましょう。

登場人物①

動物保護団体、動物愛護団体など(飼い主さんとワンちゃんもこのグループにします)

8週齢規制を1日も早く法制化したい人たち。

または法制化すると得をする人たちです。

◆動物保護団体(個人の保護活動家)

根本的に捨てられるワンちゃんの数を減らすことをせず、保健所から単に保護犬を横流しすることで

『ウチの地域はワンちゃんの殺処分ゼロに近づけましたー!どう?優しい行政でしょ?』

などと言っている無責任な自治体はもうたくさん!

市民ウケのいい行政の”殺処分ゼロ計画”の受け皿になって、こっちはパンク寸前なんですが?!

処分されるワンちゃんを減らしたい!

そういう想いで日々、保健所からワンちゃんを救出し、世話をしています。

必要に応じて病気があれば治療をし、去勢や避妊手術もします。

引き取り手が見つかりやすいように、問題行動のあるワンちゃんをしつけ直したりもします。

でも追い付かない・・・

どうしても問題行動が抜けない子もたくさんいる・・・

そもそも、この問題行動のせいで飼い主から捨てられてしまったのかもしれない子たち。

こんなことを繰り返していてもキリがない。

施設にも人手にも資金にも限りがある中で、ワンちゃんたちの命を繋ぐ最後の受け皿となっている自分たちが潰れないようにするには、根本的に飼育放棄されるワンちゃんを減らさなくては!!


もちろん、問題行動のすべてが、”早すぎる母子の分離”によるものではないでしょう。

でも、多くの問題行動の根っこになると言われている社会性の欠如の原因になっていることは、さまざまな研究からも判ってきているのだから、せめてそこを改善してくださいよ!

そういう理由から、早急な8週齢規制の法制化を強く望みます!


◆動物愛護団体(動物愛護家)

犬としての基本的な社会性を身に着けるたいせつな時期に、母犬や兄弟犬と引き離された結果、他のワンちゃんと交流する術(すべ)を知らず、ひどく神経質だったり臆病だったりするワンちゃんたちが可哀相!

犬として本来謳歌できるはずの犬生の楽しみが激減してしまう。

それは、ワンちゃんが持っている基本的犬権の侵害だ。

更に、社会性のなさから問題行動を起こしてしまい、たくさんのワンちゃんたちが飼い主さんから見放され、深く傷つくのはあまりにも人間の身勝手すぎる!

その挙句に、捨てられて傷ついているワンちゃんたちをガス室に入れるだなんて言語道断!鬼畜の所業!

8週齢規制を設けて、こういった可哀相なワンちゃん(ペットたち)を減らすべきだ!

そういう理由から、早急な8週齢規制の法制化を強く望みます!


◆飼い主さん

今まで何匹もワンちゃんを飼ってきたけれど・・・

ペットショップで買ってきたこの子は懸命に愛情を注いでしつけをしても、どうも困った行動が直らなくて、ほとほと疲れてしまいました。

家族全員、もう何度も噛まれて病院送りに・・・( ノД`)

先日、テレビで視て知ったんです。

あまりに早い時期にお母さんから引き離された子にこういう子が多いって。

プロのトレーナーでもお手上げの子がいるって・・・

そんな子、シロウトの飼い主にしつけられるはずがないじゃーないですかぁ?!

だったらそんなに早く店頭に並べられないようにしてくれたらいいじゃーないですかぁ?!

そんな子たちを売れる制度を許しておいて、『しつけは飼い主の責任だ』なんて、あまりにあんまりですぅ~~~!(むせび泣き)

わたしのような悲惨な飼い主を増やさないためにも、早急な8週齢規制の法制化を強く望みます!


◆ワンちゃん

ワンッ!ワンワンワンワンワンワンワンワンッ!!


登場人物②

ブリーダー、ペット流通業界、ペット販売業などといった、いわゆるペット業界の人たちです。

8週齢規制を阻止したい人たち。

または法制化すると損をする人たちです。


8週齢規制なんかされた日にゃ~、こちとら商売あがったりですよ!

『56日経つまで母犬と離すな』

ですって~?!

そんなことしたら、いっちばんカワイイ盛りを過ぎちゃいますよ!

犬を買っていく人たちっていうのはねえ、子犬のあのなんともいえないあどけなさにキューーンッ!ってきて、飼う気もなかったのに買っちゃうんですよ。

それが、ハンパに大人っぽい顔つきになっちゃった子だったらどうです?

売れなくなりますよ!売上半減どころの騒ぎじゃーない!

それと、生まれた子犬を手元に長く置くってことは、それだけエサ代などのコストがかかるんですよ?

それを商品(子犬)に乗っけるとどうなると思いますか?

可愛くもない半分大人顔の子犬が、今より更に高い値札をつけて並んでいることになるんですよ?!

売れるワケがないじゃーないですか!!

そうなると日本経済どうなります?

景気回復に重要なのは、バンバン売ってバンバン買う。

これが資本主義でしょう?

『あのう・・・犬の売上が落ちて飼い犬が減ると、ウチも困るんですが・・・』
(by ペットフード業界、獣医さん、トリマーさん、ペットホテルなどのペット業界のひとたち)

ほぉ~~ら!ね?みーんなとっても困るんだ。

イイんですか?景気が落ち込みますよ~~~~!

そういう理由で8週齢規制の法制化は絶対はんたーーーい!!




・・・・登場人物③の言い分は、長くなるので次回につづきまーす。



<今日のPet Hotel 11!>

ゆうべはすごい雨と風で怖かったよぉ~~~!

みんなのお庭もこんなになっちゃった!

三浦海岸は高潮で砂浜がなくなるくらい
ザブーーン!と波がきました。
おかげで遊歩道のブロックがぁ・・・( ノД`)

あーあ・・・お庭がこんなになっちゃって・・・

チョーー楽しい~~~~♪
(お庭番は楽しくないぞーーー)

お山からたくさんぶら下がっていたカラスウリも
だいぶ落っこちちゃって・・・

チョーー楽しい~~~~♪
(こらー、食べるなー!)