2017年1月22日日曜日

犬のしつけ

犬のしつけ
と聞くと、みなさんはどんなイメージを持たれるでしょうか?

”しつけ”とか”訓練”とか”調教”と言うと、嫌がる愛犬に色々我慢させたり、厳しい口調で叱ったりするイメージでしょう?
前回までの、犬の問題行動についての記事に登場した母も、しつけにはあまり興味がなく、とにかく愛犬の好きなようにさせてやること=要求にできる限り応えてやることを優先して、ありったけの愛情を注いでいました。

母のように、愛犬を”我が子のように可愛がること” と ”しつけ”は、相反することのように感じている飼い主さんはけっこう多いように感じます。

あるいは、しつけ=”お手”や”おすわり”ができることのように考えている飼い主さんも割と多いんです。

だけど、冷静によく考えてみてください。
我が子のようにワンちゃんを愛いているなら、なぜ適切なしつけが必要か?
ということは簡単にわかるはずです。


人間の子供を育てていると想定して、以下の質問にYESかNOでお答えください。

●おもちゃ売り場で泣きわめいて「買って買って!」とねだる我が子に、毎回おもちゃを買い与えますか?

●食べたいとしつこく言われれば、カロリーオーバーでも好きなだけおやつを食べることを許しますか?

●静かにしていなくてはいけない場所で、じっと我慢していられなくても「まったくこの子はウフフ」なんて言ってその行動を正そうとしませんか?

●我が子には、号令で決まった動作をする従順で機械的で、なんなら芸達者な子供に育ってほしいですか?


愛犬にしつけをする理由は、そもそも異種である、人間と犬が、家族のように暮らすために不可欠な約束事やルールを共有して、お互いにそれを守るためです。

していいこと、してはいけないこと、しなくてはならない義務、どこまでは譲り合えるのか?
といった約束事がなければ、たとえ人間同士の同居だってうまくいきません。
それを犬とするんですから・・・そりゃもう大変なことですよ!

飼い主は愛犬の行動に対する責任がありますから、きちんとリーダーシップをとって、愛犬を正しい方向に導く役目を決して放棄してはならないのです。

我が子のように愛犬が可愛いというならば、我が子の将来を思って、決して甘やかしすぎませんね?
健康を考えて、欲しいものを好きなだけ食べさせたりはしませんね?
不適切な場面で暴れたり吠えたてたり排泄したりしないように、我慢ができるよう育てますね?
そしてもちろん、”お手”や”おすわり”を覚えているから「しつけはできている」などと勘違いすることもないでしょう。

え?我が子の将来とか言われてもピンとこない?
ずっと私が面倒みるからって?

前回のブログにも書きました。
もしあなたが明日トラックに轢かれて死んでしまったら?
大災害で、愛犬と離れ離れになって二度と会えなくなってしまったら?

迷子犬となって保護された犬たちでも、しつけが行き届いたおりこうさんならば、新しい里親が見つかる可能性はとても高いです。

愛する我が子の将来を考えるなら、一度、あなたの可愛いワンちゃんが、クンクンと泣きながら保護施設に引き取られていくシーンを想像してみてください。
おのずと、今我が子のためにしておくべきことが見えてくることでしょう。


保護施設から新しい飼い主さんのところに無事引き取られて可愛がられているココちゃん
10才のおばぁちゃんですが、とっても力強く歩きます。