2017年1月12日木曜日

問題行動について②

昨日の記事で

一般的に問題行動とされていることでも、飼い主さんや周囲の人に迷惑をかけていないなら問題ない。
けれどもなぜこういったことが「問題行動」と定義されているのか?
という理由は、犬の飼い主さんはきちんと理解しておくべきです。

と書きました。
少し矛盾しているようですが、問題行動と名がついているということは、それなりの理由があるわけです。

例えば、帰宅した飼い主さんに飛びつくしぐさ・・・
「私が帰ってきたのが嬉しくてたまらないんだ♪」
と感じさせてくれて、とても可愛いですよね?
他人から問題行動だと指摘されようと、飼い主さんが困っていなくて、むしろ喜んでいるのだから
問題ではありません。

でも、飼い主さんに飛びつくしぐさを犬がする理由が
「喜んでいるから」
だけではない・・・としたらどうでしょうか?

人は犬をついつい擬人化、しかも赤ちゃんのように扱ってしまいます。
(私だってついついそうなってしまうことがありますからよぅく解ります)

犬が飛びつくのは、相手に対する支配的な態度です。
飼い主さんが帰ってきて嬉しいのは確かですが、その興奮に乗じて飛びつく行動が出てしまうのは、飼い主さんを・・・まあ平たく言うとナメているということになります。
それが証拠に、群の中の犬はリーダー犬に決して飛びついたりはしません。
更に、制御できないほどの興奮状態(激しくはねたりグルグル回ったり)が止められないのも、
エネルギーを持て余しているというサインです。

人間社会の中で暮らす飼い犬は、人との共存において、他の人に迷惑をかけない・・・つまり、キチンとしなくてはならない場面ではお行儀よくできる必要があります。
玄関先で飼い犬が飛びつくこと・・・それ自体は問題ではないでしょう。
けれども、その行動の裏に支配的な意味合いがあるということは、それをエスカレートさせてしまうと、大切な場面で飼い主の指示や静止に従わない子になってしまう恐れがあるということなのです。

犬をお散歩させている最中、ご近所の奥さんと遭遇して、つい長話してしまった。
そこに、犬に慣れていない子供が不用意に近づいたことで、飼い犬がうなり声をあげて
次の瞬間吠えかかった・・・そんな時にただちにそれをやめさせなければならないのに、
飼い主さんが声の限りに叱っても、吠えかかるのをまったくやめない・・・
それはさすがに「問題行動だわぁ~」と解るでしょう。

でも、その問題行動が単体で成り立っているのではなく、実は普段から許している
帰宅時に飛びつく行為
その積み重ねが下地になっている可能性があるっていうことなんです。

ですから、自分の犬が飛びついて喜んでいる・・・かわいい~♪
そのこと自体は問題ではなくても、そこに潜んでいるサイン
つまり、自分の飼い犬は自分を絶対的なリーダーとは認めていないんだな・・・
ということは理解しておく必要があるのです。

わたしはワンちゃんと主従関係を築くために飼っているんじゃないの。
この子は家族であり同志であり我が子なの。
それでお互いの関係がうまくいっていて、双方幸せならそれでいいと思います。

ただ、それとは別に
「犬は犬であり、人間ではない」
ということと、犬の行動シグナルとして、一般的に問題行動と呼ばれるものが
どういう理由でそう呼ばれるようになったのか?
ということを正しく理解しておくようにしてください。

そうすれば、飛びつく飼い犬をお散歩に連れて行くときは、
●散歩中には犬から注意をそらさないでおこう。
●リードをしっかり持って制御できるようにしておこう。
●もしかするとこの子は興奮して我を失ってしまうかもしれない。
といったことを考えながら、周囲の人に迷惑をかけないことが可能になります。


明日は、我が家の問題行動オンパレードのボスくんのお話だよ~(/・ω・)/
え?なに?ボクのこと~?