2018年8月24日金曜日

ペットホテルはケージレスが一番なのか?②

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。






前回ブログのつづきです。


【夜間は犬たちをケージに入れる理由】


pethotel11!では、朝起きてから夜眠るまでの間、犬たちをケージに入れることなくお部屋やお庭で自由に遊ばせています。

けれども、夜間はそれぞれの個室(ケージ)で休ませることにしています。


今日はその理由についてお話します。



●犬の習性を考慮して


犬は元々、狭い穴ぐらで身体を丸めて休む習性を持っています。

そのため、身体の向きを変えられる程度の適度に狭い自分だけの空間を与えてあげることで、ほとんどのワンちゃんたちは安心して朝までグッスリとよく眠ります。

また、犬には縄張(テリトリー)意識があるため、自分だけの居場所(穴ぐら)を確保してあげることで、他の犬を意識することなくリラックスすることができます。

夜間、ケージに犬たちを入れることによって、他の犬があまり得意ではなく日中とても頑張って緊張していたワンちゃんは、ここでホっとする時間を持つことができるため、ストレスで体調を崩すこともありません。

また、興奮しやすくて他のワンちゃんにすぐちょっかいを出してしまうようなワンちゃんであっても、個室に入ることでクールダウンしてバタキューで眠ってしまいます。

(人間の子供にもいますね。修学旅行で一晩中、鼻血出すまではしゃいで、翌日寝不足で真っ青になっちゃうお調子者が・・・←自分のコトか?)



●安全対策として


わたしたちは、自宅でペットホテルを経営しています。

犬たちが寝るお部屋(14.5畳のログハウス)は、わたしたちのリビングとつながっていて、犬たちは24hわたしたちと一緒にいます。

犬小屋の室温が上がりすぎたり下がりすぎたりすれば深夜でもけたたましいアラームが鳴るようになっているので、わたしたちは飛び起きて室温調整しますし、誰かが鳴いたりすればやっぱり飛び起きて様子を見に行きます。

また、体調の優れない子や、かなり心配な老犬がいる場合は、交代制で睡眠を取るようにもして寝ずの番をしています。(心配で眠れーん!)

けれども、何事もなく、犬たちがグッスリよく眠っている夜は、原則としてわたしたちも睡眠を取ります。

元気いっぱいの犬たちをたっぷりお散歩させ、安全にお預かりするのは体力勝負ですから、十分な睡眠をとるのも仕事のうちだと考えています。


けれども、夜も犬たちを日中と同じ様にケージに入れず、フリーにしていたら、わたしたちは常に交代制で睡眠を取るか、2人ほど人を雇って「夜勤シフト」を組まなくてはなりません。

お預かり料金はとんでもなく高くなってしまうことでしょうねぇ・・・(-_-;)


夜中に誰かが急に下痢をして、それを他の子が舐めたりして感染症が広がってしまったら・・・?

夜中に何かの物音におびえてパニックになる子がいて、その興奮が他の犬たちに伝播し、大喧嘩が始まってしまったら・・・?


日中でも、そういった咄嗟の事態に対処するには、目を皿のようにして犬達の動きを見ていなくてはならないのに、夜中に半分寝ぼけた状態で飛び起きて行ったところで、到底対処が間に合う自信がありません。

朝起きたら血だらけ・・・だなんて、想像するのもおぞましい・・・(-_-;)



●近隣への配慮


夜中に急に興奮して他の犬にちょっかいを出す子がいてワンプロが始まったり、ケンカが起きたりすれば、ワンワン大騒ぎになってご近所に大迷惑です。

もうここで商売を続けていけなくなるかもしれません・・・(-_-;)



●健康管理


昼は思う存分遊んでストレスを発散し、夜はグッスリと休息をとってもらう・・・
その生活のメリハリは、犬たちの健康管理という観点でも大変重要だとわたしたちは考えています。



●例外


飼い主さんが


「この子はケージがキライなので、夜ケージに入れられたらきっと鳴くわめくと思います」


「今までケージに入れたことがないので、ちゃんとケージで眠れるか心配です」


などと仰っていても、ほとんどのワンちゃんはケージでグッスリと眠ってくれます。

ご自宅でもケージ(ハウス)に入ることをワンちゃんが大好きになるようにしておいた方が、もしもの災害時などにも落ち着いてケージに入っていることができ、ワンちゃんに余計な心労をかけずに済みます。


けれども、例外として・・・

pethotel11!にお泊りしたワンちゃんの中で、今までケージで眠れなかった子が1頭だけいました。

ケージの扉を外から閉めると、ハアハアと呼吸を荒くし、激しく格子を引っ掻いてパニック状態になるのです。

その子は元保護犬で、ケージに入れられることと辛い過去の体験がオーバーラップしてしまったのかもしれません。

つまり、トラウマを抱えていたのですね。

とても眠ることなどできる状態ではありませんから、わたしたちはその子をケージから出して、他のワンちゃんたちが寝ているエリアとは別のエリアに柵で仕切って寝床を作ってあげました。

すると、やがて落ち着いて、静かに朝までグッスリ眠ってくれました。

隣のエリアのケージの中からその様子を心配そうに見守っていた他の犬たちも、その子が落ち着くとみんな安心したように眠りにつきました。


このように、わたしたちは


何がなんでも夜は必ず絶対一匹残らずケージに閉じ込めちゃるけんね~~!!


・・・ってなことを考えているワケではないんです。

総合的に判断して、「ヨカレ~」って思えるやり方を選択しているというだけに過ぎません。



●例外の例外


これに関連して、ひとつ思い出したことがあります。

だいぶ前のことですが、ある日、同業者の方からお電話で次のような依頼が入りました。


「ウチの常連のお客様の犬が認知症になったのか、一晩中吠えるようになった。

うるさくて仕方なく、近所からの苦情が来ると困るので、もうウチでは預かれない。

お宅を紹介したので、今からそちらに行くと思う。

先に言っておくわね、

その子を絶対にケージにいれないで!



正直、困惑しました。

いろいろとツッコみどころが満載の「お願い事」です(;・∀・)


「お電話だけではなんとも・・・まして飼い主さんご本人からお話を伺っていませんし、ウチでお預かりできるかどうかも含めて、コチラの判断にお任せいただけませんか?」


とお話したのですが、納得いただけず大変な剣幕・・・


「ケージに入れたらあの子は死んじゃう、死んじゃうのよ!!」


(;・∀・)?


少しして、愛犬をお連れになった飼い主さんがみえました。

飼い主さんに、


ウチでは原則として犬たちにはケージで寝てもらうこと。

本当にどうしてもケージで眠ることが無理そうならば、こちらの判断でケージから出すことなどをお話して、まずはトライアルで1泊お預かりすることになりました。

その時に、ケージに入れてはダメな理由を飼い主さんに伺ってみたのですが、特段の理由はありませんでした。

ただ飼い主さんは、今まで預けていたホテルのオーナーさんから『ケージに入れると犬の寿命が縮む』と言われ続けていたそうで、ひどく心配そうにされていましたが、当のホテルオーナーさんにお預かりを断られてしまったのですから、仕方ありません(-_-;)


「もし無理そうであれば出していただけるということでしたら・・・預かっていただけるだけでも助かります」


と、納得して飼い主さんはお帰りになりました。

ところが、それから小一時間ほどして、話を飼い主さんから聞いたペットホテルオーナーが、怒りのお電話をくださり・・・


「あれほど頼んだのにあの子をケージに入れるんですか?!

あの子を殺す気ですか?!

死んじゃいますよ、本当に!!

どう責任取るんです?!

お宅はケージレスなんて言ってるけど、夜はケージに入れるんだから、そんなのは”ニセモノ”よ!

ニセモノのペットホテルにはあの子を預けるわけにはいきません!

あの子はウチで預かりますから!!(ガチャーン!)」



一体何だったのか・・・まるでキツネにつままれたような気持ちになりました。

結局は、わざわざ遠方からわたしたちのところにお運びいただいた飼い主さんと老犬が、一番お気の毒でした。


わたしたちとしては、結果的にワンちゃんがイヤな思いをしないでいれば、それでいいと思っています。

慣れ親しんだペットホテルでケージに入ることなく眠れるなら、それが一番いいでしょう。


このように、わたしたちは、最初から「ケージには入れません」とお約束することはしておりません。


ケージから出すのは、実際にケージでは眠れないと判断した子だけです。

そして、そのことは飼い主さんにもキチンとご説明しているつもりです。


わたしたちはただ、自分たちの目で実際に目の前のワンちゃんの様子を確認しながら、最もストレスがかからず安全だと判断したやり方でお世話させていただくことに務めるだけです。


ケージレスのペットホテルといっても、考え方やオペレーション方法はそれぞれですので、ご自分の愛犬にピッタリなホテルを見つけてくださいね。




さて、シリーズの最初に、


「多くの飼い主さんたちは、愛犬をケージに閉じ込めっぱなしにしないケージレスのペットホテルを理想だと考えていらっしゃるけれども、必ずしもそうではない」


というお話をしました。

次回はその理由について、実際に最近pethotel11!がお断りしたワンちゃんの事例を交えてお話したいと思います。






<今日のpethotel11!>

今朝は雨でお散歩無理かな~って思ったけど・・・

ラッキー♪降ってなかったよ~!

雨上がりの匂い・・・クンクン♪

ステキな木の枝も拾ってルンルン・・・
だったんだけどーーーー・・・

突然、途中でスコールのような土砂降りに
見舞われ・・・

みんなずぶぬれ・・・

アハハ!みんなカワイイよー( ´艸`)


ボス、よかったね、大好きなお水遊びできてー♪
ボス「こーゆーのは好きじゃないんだよぅ」

雨も上がって体も乾いて・・・

お庭遊び~♪

土のところは”田んぼ”状態だから立ち入り禁止ねー

Nちゃん&ボス「うーーい!」

どーーーしても土のところに行きたいチャコは、
丸太に乗って超えられないか
果敢にチャレンジ中~~(;・∀・)

チャコ「チェ、無理か・・・」

なんか・・・サーカスの玉乗り子熊みたいだよ(笑)

はじめまして!Lちゃんです♪

Nちゃん「なんでワタシ、Lちゃんのところに
行かせてもらえないのー?」

グイグイ来る子が苦手なんだってさ( ´∀` )
グイグイ来る子=Nちゃん(笑)

Lちゃん「クッションに座ってるつもり」

夕方のお散歩
涼しくて気持ちよかったね♪










0 件のコメント:

コメントを投稿