2018年6月27日水曜日

もし愛犬が狼の群にいたら・・・③(成犬をパピーのように素直にさせる?)

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。





前回ブログのつづきです。


【成犬の再教育に有効なフード】


●性格をも変える食べ物の重要性


◇反抗的な成犬をしつけ直す時


前回、狼の群におけるアルファのメスが、出産した子供たちを群に紹介する前に、母牛のオッパイを飲んでいる仔牛を獲物として選び、群に食べさせるというお話をしましたね。

「狼の群れと暮らした男」の著者、ショーン・エリス氏は、このことは犬のしつけにも応用できると言っています。

一般に、犬へのしつけは従順なパピーのころに行うのが望ましく、成長してしまうほど、しつけをし直すのが難しくなりますね。

そこでエリス氏は、成長してしまった犬をしつける際に、その犬がパピーの頃に摂っていた食事を与えることを提案しています。

具体的にはミルクと非常に細かくしたミンチ肉を2か月ほど与えるそうです。

すると、成犬はおとなしい良い子になって言うことをよくきくようになるので、そこで子犬をしつけるようにするのだといいます。

ミルクは言うまでもなく、お母さんのオッパイですね。

細かいミンチ肉は、現在ペットとして飼われているワンちゃんたちが幼い頃に食べていたとは思えませんから、母犬が咀嚼したフードを模して、”細かくしてふやかしたフード”ということになるかもしれません。

わたしは、反抗的な成犬をしつけなおす機会がないので、実際に試したことはありませんが、とても興味深いお話だと思っています。

どなたか、ぜひ試してみて結果を教えていただけませんか~~?!

※人間用の牛乳をワンちゃんに与えるとお腹を壊してしまいますから、試してごらんになる場合はワンちゃん用のミルクにしてくださいねー!


しつけ直す時のコツとして、エリス氏は次のように言っています。


「褒美を厚く、懲罰は軽く訓練すること。

犬に暴力は禁物で、それはうまくいかない。

犬を蹴るのはただ犬を攻撃的にさせる。

なぜなら彼らが捕食する獲物は、彼らに狙われているとき、防衛本能で蹴るからだ。

犬を教育する最も効果的な方法は”手本を示すこと”で、

最も効果的な懲罰は犬にぬくもりを与えないことだ。

狼の群で罰を受ける子は、母親から遠ざけられ、母の身体に安らかに寄り添うことを許されない」



◇人間の食べ物を与えない


エリス氏はもうひとつ、狼の群の位における明確な食べ物の違いについて述べています。

具体的には、次のような厳格な決まりがあるそうです。


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<アルファのペア>

肢や尻などの動きのある肉もいくらか食べるが、地位を守るために食事の大部分は内臓で賄わねばならない。

健康維持のため少量の植物も必要だが、彼らの被食者は草食動物なので、それは胃の中にある。


<エンフォーサー>

もっぱら獲物の運動する肉(筋肉)と若干の植物を食べる。


<テスター・中位~上位の狼>

ある割合の首や背骨の肉と、約25%は胃袋の中身を食べる。


<中位のメンバー>

肉と胃袋の中身を50対50で食べる。


<下位のメンバー>

75%は胃袋の植物分を、25%は肉を食べる。
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身分によって、食べるべき部位や食べても良い部位がハッキリを分かれているんですね。

そのため、飼い主さんが食べている食事と同じものを愛犬に分け与えてしまうことや、飼い主さんよりも愛犬の食事を優先してしまうことによって、犬の混乱を招くリスクがあるといいます。


食事は飼い主さんが先。

そして、飼い主さんとワンちゃんの食べるものは違うもの。


という風にした方がワンちゃんが上下関係を間違えにくいってことですね。



【愛犬の資質に応じた正しい関わり方】


さて、だいぶ余談が長くなってしまいました。

いよいよ本題、愛犬がもしも狼の群にいたら一体どんな役割の子になっていたか・・・を想像してみましょう。

これから、エリス氏によるタイプの見分け方をご紹介していきますが、大前提として知っておいていただきたいのは、


「狼と犬は非常によく似ており、犬は狼の本能を今も確かに残しているけれども、犬は完全に家畜化されているため、どんなタイプの犬であっても人間によるしつけが可能である。」


ということです。

もちろん、先天的にしつけが難しい子は確かにいますが、それはこれからお話する「タイプ分け」とは全く別の問題です。

例えばアルファ気質の子だからといって、必ず飼い主が家来にされてしまうということはありませんし、ハンター気質の子は攻撃的なのでとても飼えないということはないので安心してくださいね。

大事なのは、飼い主さんの関わり方です。



●リーダー=アルファではない


エリス氏は、かつて多くのしつけ本などに書かれていた


「飼い主は群のアルファのように振る舞うべき」


という説に異を唱えています。

飼い主さんと愛犬の主従関係(上下関係)は絶対に逆転しては困りますね。

けれども、狼の群のような大所帯と違って、通常は飼い主さんと愛犬の関係はごく少数の群(1対1の場合も・・・)です。

もし愛犬が下位のメンバーの素質を持った犬だった時、飼い主さんがアルファのように振る舞えば愛犬は背中を丸めて尻込みしてしまうというんですね。

なぜなら狼の群の中で、アルファと下位の狼の距離はけた違いに離れていて、野生の世界でこのふたつの位が交わることはないからだそうです。


つまり、愛犬の元々持っている素質や気質が、狼の群におけるどのタイプか?を知っておくことは、しつけをしていく上での飼い主の関わり方を知る上でおおいに役に立つ可能性がありますね!




では、いよいよタイプの見分け方ですが・・・長くなるのでつづきは次回にさせてくださーい(^▽^)/






<今日のPet Hotel 11!>

チャコ「・・・・ん?!あれは誰?」

ボス「ボクだよ~~う!」

ナツ&チャコ「キャハハハハ~~~つ ヘンな顔!!」

ボス「暑かったから、ミストシャワーしてもらったんだ~♪」

ボス「すっごく気持ちよくて、楽しくて、
もうヤミツキだよ♪
ナツとチャコもやってごらんよ!!」


ナツ&チャコ「やぁよ~~~!そんなバカみたいなこと・・・」

いやいや・・・ナツも・・・

チャコも・・・
十分「バカみたい」だよ~(;'∀')

Fくん、よく頑張ったね!
飼い主さんの言うことをよーくきいて頑張るんだよー
(^▽^)/