2018年6月2日土曜日

「ペットは家族か?」という論争について

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。





前回お話したシリーズ「命の尊厳について」の中で、シロちゃんの飼い主さんのお言葉をご紹介しました。


命の尊厳について②


その中で、次のような表現に違和感を感じた飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか?


「私は”ペットは家族”というくくりに違和感を感じています。

人のように扱うのも考え物だと・・・

ペットは人にとって趣味です。

趣味だから、楽しまなくちゃダメなんです。

趣味だから、他人に迷惑をかけてはいけないんです。




【ペットは家族か?という論争について】


●よく見かける論争


はじめに言ってしまうと、わたしはシロちゃんの飼い主さんの「ペットは趣味です」という言葉にまったく違和感を感じませんでしたし、「ペットは家族ではなくあくまでペットです」という人にも不快感を抱きません。

では「ペットは家族です」とか「ペットは我が子です」という人の言葉に違和感を感じるかというと、それもまったくありません。

けれども、ネット上では双方の言い分を掲げた人同士の論争や、ひどい時は”ののしり合い”を目にすることが頻繁にあることを知り、ちょっと驚いています。


●双方の言い分


実際、ネット上で「ペットは家族」と検索すると、そういった論争を数多く見つけることができました。

それぞれの言い分をまとめると、だいたい次のような感じです。


◇ペットは家族派


・そもそも「ペット」という表現が許せない。

・「ペット」と「主人」という考え方はおかしい。上下関係ではなくもっと強い絆と愛情で繋がっているのだから「家族」

・「ごはん」ではなく「エサ」といわれるとイヤな気持ちになる。

・もし愛犬がいなくなったら生きていけないほどショックだから「ペット」とかいう軽い表現では足りない。やっぱり「家族」であり「我が子」

・愛犬に無償の愛を注いでいるし、愛犬も無償の愛で返してくれる。これを「家族」と呼んで何が悪いの?

・「犬は家族ではない」って言う人は冷たい。


◇ペットは家族ではない派


・愛犬を「ウチの子」とか「我が子」と呼んだり、飼い主を「〇〇ちゃんママ」と呼んだりするのに違和感を覚える。

・すごく愛しているし大切に思っているけど家族とは違う。動物は動物。

・犬なのに「オスですか メスですか?」と訊いて「女の子です!」って不快そうな顔をするような人はおかしいと思う。

・「我が子」とか「家族」って言われている犬って、犬らしさを認めてもらえてない感じがして可哀想に思う。

・「犬は家族だ」って言う人は気持ち悪い。



●どっちでもいい~


個人的には、人それぞれ考え方や好みが違うのだから、どういう表現を使おうがいいではないか?!

なぜ、そんなにも自分と違う意見の人が憎くてたまらないのだろう?

・・・・と、そちらの方にむしろ興味がいってしまうのです。


シロちゃんの飼い主さんが


「ペットは趣味だからね」


と仰ると、周囲の人は大抵「黙ってしまう」のだそうです。

なんとなく、その時の雰囲気が目に浮かぶようですね(笑)

想像するに、シロちゃんの飼い主さんのこの発言は「ペットは家族」と思っている人から軽く「引かれている」という感じなのだろうと思います。


じゃあ、そういう人たちが


「シロちゃんの飼い主さんは『ペットは趣味』なんて言っているのよ~!シロちゃんが可哀想!シロちゃんを救出してあげましょう!」


ってなるかというと、そんなことはないんだと思います。

むしろ、シロちゃんの飼い主さんはシロちゃんをとても可愛がっていますしね。


ただ、お互いになんとな~~く


「あんまり仲良くなれる気がしない」


そんな風に感じてしまっているかもしれません。



●愛情の違いではない


愛犬のことを「私の可愛い娘」と呼び、愛情をたくさん注いでいる人もいますし、

「私の可愛い娘」と呼びながら、ろくに世話をしていない人もいます。

愛犬のことを「このバカ犬」と呼び、ろくに世話をしていない人もいますし、

「このバカ犬」と呼びながら、愛情をたくさん注いでいる人もいます。



Pet Hotel 11!を利用して下さる飼い主さんの中にも


「ウチのバカ犬、エサの食い付きが悪いでしょう?排泄が外でしかできないのでご迷惑をおかけしますねぇ~!」


という表現をされる飼い主さんがいらっしゃる一方で、


「ウチの息子、ごはんをあまり食べてくれないんです。ウンチとチッチはお外でしかできません。すみませんがお外に出たそうにしていたら連れ出してくれます?」


という表現をされる飼い主さんもいらっしゃいますが、いずれもワンちゃんへの愛情はたっぷりです。


つまり、「ペットは家族」だと言うか「ペットは家族ではない」と言うかは、「愛犬を大切にしているかどうかとはまったく無関係」だろうということです。



●じゃあ、何が違うの?


これはまったく個人的な考えなのですが、「ペットは家族」という人と「ペットは家族ではない」という人の差は・・・


価値観の差・表現方法の差・感性の差・物の見方の差


といったことに過ぎないと思っています。

「・・・といったことに過ぎない」と言っても、たとえば「価値観の差」によって離婚する夫婦も多いわけですし、こういったことは人間づきあいをする上では決して無視できないことですね。

こういったことが似通っていると、多くの点で共感できたり お話が弾んだりして


「仲良くなれそう~♪」


となるのでしょうし、逆の場合は


「気が合わなそう~・・・」


となるのではないでしょうか?



●物の見方の差


特に、「ペットは家族」という表現方法を使う人と「ペットは家族ではない」という人の間で大きく違うように感じるのは「物の見方の差」です。

「ペットは家族」と仰る方は、物事を主観的、感情的に見る傾向があって、


「誰がなんと言おうが、私にとってこの子は家族なんだから、他の人からもそう思ってもらいたい」


という気持ちなのではないかと思います。

一方、「ペットは家族ではない」と仰る方は、物事を客観的、論理的に見る傾向があって、


「自分にとってはかけがえのない存在だけど、犬を苦手な人もいるのだし、対外的に『家族』とまで言うのはちょっと違う気がする」


という論理なのではないかと思います。


シロちゃんの飼い主さんが「ペットは趣味」とあえて表現されているのは、大変現実的に物事をとらえた結果なのだと思います。


・ペットは経済的にも時間にもある程度の余裕がある人でなくてはキチンと世話をすることができないから、そういう意味で”趣味”という位置づけにある。

・上記のキャパを超えて「可哀想だから」などという情だけで手を出すとかえって犬を可哀想な目に遭わせるし、他人にも迷惑をかけることになる。

・”趣味”・・・つまり、自分の好きでやっていることだと考えれば、それは”楽しむべきもの”。だから、ペットを飼うに当たって無理をしすぎて不平や愚痴をこぼすのは本末転倒。


・・・と、そういう意味で「ペットは趣味」と仰っているのだと私は解釈しました。

いずれにせよ結果的に、それで飼い主さんもシロちゃんもとても幸せに暮らしているのだから、それでイイではないですか♪



●みんな違ってみんないい!


自分と違う価値観や表現方法を持った相手をまったく受け入れたり許容したりすることができずに、激しく攻撃してしまうの様子は、見ていてとても悲しくなります。

きっと、人間はそういう生き物で、だから戦争が絶えることがないのでしょう。


違いを認められない許容範囲の狭さは差別を生み、差別は憎しみを生み、憎しみは戦争を生みます。

わたしたちひとりひとりが、自分と違う価値観や感性を持ち、自分と違う表現方法や物の見方をする人を認められるようになれば、戦争はなくなるように思うのですが・・・そんな日は来ないのでしょうかねぇ~・・・



●余談(映画のご紹介)


ワンちゃんとはまったく関係のない映画ですが、差別や偏見をテーマにした映画をご紹介しておきます。

邦題は「チョコレートドーナツ」
原題は「ANY DAY NOW」(訳:いつの日にか)

という映画です。

「あるゲイカップルが、育児放棄されたダウン症の男の子と心を通わせ、養子にして家族になろうとするも・・・・・」

っていうような内容です。

好き嫌いや賛否は色々でしょうけれど、考えさせられることがいっぱいある映画だと思っています。


劇中の主人公のセリフをひとつご紹介しておきます。


「何の問題を話しているんですか?!

我々が同性愛かどうかではなく、

子供の話しをしよう。」







●最後に・・・犬たちからひとこと


「あのさあ・・・

言葉の違いなんか、

ホントにまったく

ど~~~~~でもいいよっ!

『ゴハン』でも『エサ』でもなんでもいいから・・・

早くチョーダイ!!!!」



・・・だそーですヨ!(笑)





<今日のPet Hotel 11!>

Eくんで~~~す!
ボール大好きすぎまーーーす!

今日もいいお天気♪

Mくんですっ!
みんなに漢字を教えてあげるね♪

「水」!!

「水」!!!

L弟&Mくん「ボクたち、すっごく仲良しになったんだー!」
楽しかったね!Mくん、またおいでね~(^▽^)/

Mちゃんですけど・・・
わかってるのよ。どうせ・・・

「ゴマフアザラシの赤ちゃんだ~!」って
喜ぶんでしょ?
ば・・・バレた~~?(;'∀')汗

Sくんでーす!
すぐにみんなと仲良しになれたよっ♪
(さすが、1才未満は適応力が高いね~!)

L兄「あ、今ちょっと忙しいのです」

L弟「兄ちゃんがあのボールにハマって
ぜんぜん遊んでくれないんだ(タメイキ)」

夕方のおさんぽ
大きなEくんはいーーっぱい歩きました!

若いSくんだって負けずにいーーっぱい歩いたヨ!

夜になってSくんと・・・

Rちゃんがきてくれたヨ!
(Rちゃん・・・お顔が見えないよ・・・)

チャコ「ん・・・?なんだ?」

「なんだコレ?」
カニ「こ・・・こっち来るなーーーーっ!」

チャコ・・・あぶなーーーーいっ!!(;'∀')

(この後、お鼻をはさまれて、カニさんは
宙を舞いました 笑)