2018年6月4日月曜日

置き去りにされためぐちゃんのお話①

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。




ゴールデンレトリーバー「めぐちゃん」のお話をご存知の方は多いかと思います。

元飼い主と現飼い主Aさんとで争っていた裁判が結審し、元飼い主側が勝訴したとのニュースを受けて、やりきれない思いでいます。

今回は、この問題について考えてみたいと思います。


きょうはまず、この一件をご存知ない方のために、ことの発端から現在までの経緯をお話します。


【捨て犬を保護した人が訴えられて敗訴?!】


●ずぶぬれで放置されていためぐちゃん


今から5年前の2013年6月、雨上がりの井の頭公園(東京都)で、1匹のゴールデンレトリーバーが置き去りにされているところを、近くに住む主婦Aさんが保護しました。

ゴールデンの現在のお名前は「めぐちゃん」なので、以降「めぐちゃん」とさせていただきます。

めぐちゃんは口輪をはめられて短いリードで繋がれ、全身ずぶぬれでお腹は泥でひどく汚れた状態だったそうです。

口輪を自分で外そうとしたのか、鼻の上は擦り向けて出血しており、のどが渇いていたのか、口輪をはずしてあげるとお水をたくさん飲んだそうです。



●届出~飼い主さん探し


Aさんは、公園事務所と保健所、そして警察に犬を保護したことを連絡し、更にめぐちゃんが繋がれていた場所にもご自身の連絡先を記載したメモを貼っておきました。

また、FacebookやmixiといったSNSでも情報の拡散を呼びかけ、それを見た8000人以上の人たちが、飼い主を探すために迷い犬情報をシェアして強力してくれたそうです。

Aさんが、なんとかめぐちゃんが飼い主さんの元へ帰れるようにと手を尽くしておられたのが判りますね。

けれども、飼い主は現れませんでした。



●その間めぐちゃんは・・・


Aさんが飼い主探しをする間、めぐちゃんはどうしていたかというと、ずっとAさんのおうちで先住犬やご家族と一緒に暮らしていました。

Aさんは、警察や保健所に届け出をしたものの、めぐちゃんが保健所に引き渡されてしまうと、引取り手が見つからずに殺処分にされてしまう可能性が高いことを知っていたため、大型犬のめぐちゃんをご自宅で預かることにしたのです。

その時、警察も保健所もAさんに対して


「ご迷惑をおかけしますが、お願いします。助かります。」


と言っていたそうです。

その反応を見たAさんは当時、警察も保護した犬を連れて来られても困るのだろうなと思ったといいます。

実際、保護した犬を警察に連れて行っても、飼養場所の関係上、多くの場合はすぐに警察から保健所に引き渡されてしまいます。



●不可解な電話


Aさんがめぐちゃんを保護した当日、Aさんの携帯電話に不可解な電話がかかってきたそうです。

名前も名乗らない人からの番号非通知の電話でした。

内容は


「その犬は咬むから、保健所に連れて行った方が良い」


というものでした。

けれども、めぐちゃんは咬むなどもってのほか、子供にも優しいとっても穏やかな子でした。







●以前にも遺棄されていた!


Aさんはインターネットを使って飼い主探しをする中、ひとつの事実を知ることになります。

Aさんがめぐちゃんを保護する2週間前の6月7日に、やはり都内にある代々木公園に置き去りにされたゴールデンレトリーバーについて、保護した人が飼い主探しをしていた写真つきの記事を見つけたのです。

その写真に映っていたのは、間違いなくAさんが保護しているめぐちゃんでした・・・・!

2週間前にめぐちゃんを保護した人と連絡を取ることができ、Aさんは次のような情報を得ることができたそうです。


・その時は飼い主が2~3日後には現れた。

・飼い主は故意に置き去りにしたことを認めた。

・飼い主は置き去りにしたことを悔いており、二度としないと約束したので犬を引き渡した。



Aさんは、ご自身も犬を飼っておられたので、どんな理由があったとしても命ある犬の置き去りは信じられず、この事実を知ってたいへん腹立たしい気持ちになったそうです。

飼い主からの連絡がないまま1週間が経っていました。

きっとめぐちゃんは今回も置き去りにされたのだろうと確信したAさんは、もし飼い主さんが現れたとしても、簡単に引き渡しはしないと決めていました。



●拾得物の届け出


Aさんは、めぐちゃんを保護してから6日後の6月27日に警察に拾得物の書類を届け出ました。

保護した時、電話で警察とやり取りしていたAさんに、警察から書類の提出を求められることも、そういう書類があるという案内もなかったそうです。

警察は、書類がなくてもAさんがめぐちゃんを保護していることと、Aさんの連絡先を知っていたので、それでいいと考えていたのでしょうか・・・?

Aさんが正式に書類を提出したことで、3か月後の9月28日までに飼い主が現れなければ、めぐちゃんの「所有権」はAさんになるはずでした。


Aさんはその時、出産を控えていましたので、大型犬のめぐちゃんを家族として迎え入れるかを ご家族と真剣に話し合い、そして覚悟を決めて、大型犬が飼える住居を探して引っ越しまでされました。



●飼い主が現れた!


警察署から、飼い主が現れたという電話が入ったのは9月18日・・・あと10日で所有権がAさんに移るというタイミングでした。

Aさんは警察に、ご家族の気持ちや今までの経緯を伝えましたが、


「書類上は返還しなくてはならない期間内ですから返還してください」


の一点張りだったそうです・・・


Aさんは、拾ったお財布を現れた持ち主に返したくないと主張しているのではありません。

Aさんが保護していなければ保健所で殺処分になっていたかもしれない、大型犬のめぐちゃんです。


「悔しくてたまらなかった・・・!」


と、Aさんはその時の気持ちをご自身のSNSで述べておられました。



●話し合い


Aさんは、飼い主と名乗る人と何度も話し合いをしました。

(あえて、”元飼い主”と呼ばせていただきます)

元飼い主は、Facebookを見てAさんが保護していることを知っていたようでした

Aさんは、もしかしたら話を聞けば元飼い主を信頼できるかもしれない・・・めぐちゃんをどうしても探せなかった事情があったのかもしれない・・・

そんな風に考えて、置き去りにした理由や、3カ月も名乗り出なかった理由を元飼い主に尋ねたそうです。

けれども、元飼い主が語った理由はAさんにとってあまりに理不尽で納得できないものだったそうです。



●元飼い主の言い分


めぐちゃんの元飼い主の言い分は以下の通りでした。


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犬を置き去りにした時は、会社の上司と交際し同居していた。

その同居男性が犬を嫌いで、犬を公園に置き去りにしてきたのもその男性。

男性を怒らせたら職を失うかもしれなかったし、結婚話も破断になってしまうかもしれなかったので、何も言えなかった。

けれども今はその男性と別れ、元夫と再婚することになったので、また犬を飼えるようになった。

自分はその犬を家族だと思っているので返してほしい。
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うぬぬぬ・・・出ました!!


「愛犬は家族です」と言いながら、ぜんぜん犬のことを考えていない、あまりにも身勝手な飼い主です(-_-;)


Aさんは、今後の生活や飼育環境についても元飼い主に話を聞きましたが、まったく信頼できるような内容ではなかったそうです。


「2度にわたってめぐちゃんを公園に置き去りにし、3か月もの間名乗りを上げなかった上、今後の飼育環境にも不安が残るような飼い主に渡しても、めぐちゃんはまた同じ目に遭わされるかもしれない。

公園に放置した時点で、元飼い主は犬の所有権を放棄しているはずだ。」


保護してからずっとめぐちゃんに愛情を注いできたAさんは、そのような結論に至り返還を拒否することにしたそうです。



●返還請求と訴状


それからおよそ1年後の2014年10月のことです。

警察からAさんに電話がかかってきました。

元飼い主が、Aさんが犬を返してくれないと警察に訴え出た結果でした。

警察の担当者は、Aさんがめぐちゃんを保護した当時とは違う人になっていたため、Aさんは経緯を説明しました。

けれども警察は


「返還してください」


の一点張りで、話は平行線をたどるばかりでした。


元飼い主は弁護士を通じてめぐちゃんの返還を求める内容証明郵便をAさんに送ってきました。

それは、返還に応じなければ裁判を起こすという内容でした。


そして・・・その宣言どおり

めぐちゃんの返還と慰謝料(←?!)を求める訴状が元飼い主から送られてきたのは、2015年3月のことでした。



●裁判の結果


元飼い主女性は、


「犬の所有権を放棄したことはない。被告には引き渡す義務がある」


などと主張し、東京地裁は


「女性が所有権を確定的に放棄したとまでは認められない」


と判断し、Aさんは敗訴・・・!

ただちに控訴したものの、東京高裁も一審判決を支持しました・・・!


裁判所が、「元飼い主は犬の所有権を放棄していない」と判断したのは、次の理由からだそうです。


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置き去りにしたのは交際相手の男性であること。

・元飼い主は犬が保護されたことを認識しており、犬の生命などに重大な危険がないことを知っていたこと。

・遺失物法が定める期限(3カ月)ギリギリではあるものの、元飼い主は遺失物届けを出していて、愛犬を連れ戻す行動をとったこと。

・以上のことから、元飼い主自身は愛犬を捨てておらず、飼い主としての責任も果たしていたと考えられる。
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・・・だそーです。


裁判になる前、この件を知った人々からは、Aさんの所有権を認めてほしいとする署名が全国から64,537件も寄せられましたが、残念ながらこのような結果となってしまいました・・・








●めぐちゃんとの日々


Aさんは、


動物に対する飼い主の責任や感情には一切触れない高裁の判決文を読み、失望した」


と、上告を断念したそうです。


井の頭公園で口輪をはめられ、ずぶぬれで置き去りにされていためぐちゃんをAさんが保護してから間もなく5年が経とうとしています。


先住犬とめぐちゃん、そして小さなお子さんの世話を一生懸命しながら、めぐちゃんの幸せを思って必死で裁判を争ってきたAさんに対して、元飼い主からは今年の4月下旬に


「早く犬を返して」


という内容証明が送られてきたそうです。


この件に関して取材をしていた記者が、元飼い主に取材を申し込んだところ


「取材には応じられない」


との回答が返ってきたそうです。




血が出るほどくちびるを噛み締めつつ、次回につづきます。






<今日のPet Hotel 11!>

チャコ「ねえねえ、なつぅ~~!ワタシね、すごい
ことを発見しちゃった~!」
なつ「ん?」

L兄・・・カワイイでしょ~?

すっごく優しそうでしょ~?

同じくトイプーのL弟も・・・カワイイでしょ~?

あははー!笑ってるぅ~♪

でも・・・シュナウザーのRちゃんを見てよ!
これなんか、すっごく可愛く甘えてるんだけど・・・
イタズラそうな顔してるでしょーー!?

これも・・・どうみてもじゃりン子チエでしょー?!

Sくんだって、とっても大人しくて優しいのに・・・

一番甘えた顔がコレだもん (;'∀')
コワイっつーーの!(笑)

どうしてだと思う~?
あれ?なつ?なつーーー?!

なつは、チャコの長話に付き合っていられなくて、
とっくにクーラーの効いたお部屋で涼んでるよー(-_-;)