2018年6月1日金曜日

命の尊厳について(最終回)

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。





前回ブログのつづきです。


犬たちは「現実を受け止め今を懸命に生きようとしている=ポジティブ」な生き物・・・

だから、飼い主さんも現実を受け止め今を懸命に生きなくては、ワンちゃんのよきリーダーにはなれないとお話してきました。


さて、ここからやっと「命の尊厳について」という今回のタイトルにかかわるお話をさせていただきます。



【ポジティブな飼い主さんたち】


●飼い主さんのお言葉から


ご紹介してきたおふたりの飼い主さんのお言葉を振り返ってみましょう。


人の手に”預ける”ということは、”命をまるごと預ける”ことだと思っています。

Kの命をお預けした以上、何が起きてもそれはわたしたちの責任です。

そして・・・もし、万が一のことがあったとしても、それは大変つらく悲しいことではありますが、それがKの運命というか・・・仕方のないことなのだと思っています。」
(Kちゃんの飼い主さん)



「私、もしもお泊り中にシロちゃんが死んじゃってもぜんぜん大丈夫ですから♪

もうシロちゃんは1回死んじゃったようなものなんです。

今は第2のオマケの犬生」
(シロちゃんの飼い主さん)




◇命を粗末にしている?


おふたりのこういったお言葉は、それだけを切り取ると


「愛犬が死んでも構わない」


という風に聞こえて、


「命を粗末にしている」


と受け取ってしまう方がいらっしゃるかもしれません。

けれども、それは大きな大きな大間違いです!

客観的に見て、おふたりの飼い主さんはどちらもむしろ、大変愛情深い方です。


Kちゃんもシロちゃんも、心無い人間に捨てられた子たちです。

どちらも今の飼い主さんに引き取られた時には既に7~8才というシニアの入り口で、可愛くて飼いやすいパピーちゃんではありませんでした。

辛い過去を背負っていて扱いが難しいことが予想されるKちゃんやシロちゃんのような子たちを、命を粗末にするような人がわざわざ引き取るでしょーか?



元狩猟犬のKちゃんは、当初「フィラリア陽性」だったため、長い間治療を必要としていましたし、その後も胸にシコリができて切除手術をしています。

今回の胃捻転では、獣医さんから


「手術が成功してももう年齢的に長くは生きられないかもしれない」


と告げられたにもかかわらず、飼い主さんは


「Kが助かる可能性が少しでもあるのなら、どんな処置でも”やってみる”という方向でお願いしたいです。

たとえ、それ(麻酔や手術)によってKが戻らなかったとしても、諦めるのではなくて生きる可能性に賭けたいと思います」


と仰り、Kちゃんは手術をしてもらって元気になりました。

Kちゃんを引き取られてから現在まで、飼い主さんが大変な金額をKちゃんの医療費としてご負担されていることは想像に難くありませんね。


最後の胃捻転の医療費だけでも30万円以上かかりましたが、飼い主さんは


「私たち、しばらく”塩かけご飯”しか食べられませんね~」


と明るく笑っていらっしゃいました。



シロちゃんの飼い主さんは、手作りフード+ドライフード(熱湯をかけて、すっかり冷めるまでふやかしたもの)をシロちゃんにあげています。

高齢のシロちゃんに対する愛情がヒシヒシと感じられるレシピですね。



いずれの飼い主さんも、愛犬の命を粗末にするどころか、少しでも健康で長生きしてほしいと願っていることは明らかでしょう?



●命の尊厳とは


苦労することがわかった上で、わざわざ捨て犬を引取り、少しでも長生きしてほしいと手間もお金も惜しまないような飼い主さんたちが、異口同音に


「もしもペットホテルに預けている間にウチの子が死んでしまったとしても仕方ないこと」


と仰っているのはどういう意味でしょうか?

わたしは、このおふたりの姿勢こそまさしく、


「現実を受け止め今を懸命に生きようとしているポジティブな姿勢」に他ならないと思うんです。


全ての生きとし生けるものは、生まれた瞬間から「死」に向かっています。

永遠の命を与えられた生物は存在しません。


その現実を冷静に受け止められているおふたりの飼い主さんたちからは、愛犬の「死」に対する恐れや嘆きが一切感じられないのです。



愛犬の「死」は必ずいつか来たるべきもの。

だからこそ、「その日」が来るまで「今」を共に懸命に生きたい。


愛犬の「死」は必ずいつか来たるべきもの。

だからこそ、「死」を案ずることで「今」を浪費したくない。


愛犬の「死」は必ずいつか来たるべきもの。

だからこそ、たった1度きりの「犬生」を、「その日」がいつ来ても後悔しないものにしたい。


それこそが「命の尊厳」を大切にするということ。



そんな、おふたりの「死」を大前提とした「心意気」のようなものを、わたしはヒシヒシと感じました。

おふたりの飼い主さんはきっと、ワンちゃんたちの「命」を神様から”預かっている”という感覚に近いものをお持ちなのではないかと思いました。

けっして、愛犬の「命」をご自身の「所有物」のように思う奢りがないのでしょう。


その潔いばかりにポジティブなリーダー像を、わたしは美しいと感じましたし、そんな飼い主さんの慈しみを受けているワンちゃんたちを、本当に幸せだろうと感じたのです。



そうそう、シロちゃんの飼い主さんが、シロちゃんのことを「保護した」とは仰らずに「拾った子」と表現されていましたね。

それはきっと、今現在「ヨボヨボの捨て犬 シロちゃん」(飼い主さんのお言葉のまま)と過ごす日々を、飼い主さんご自身が心の底から


「本当にシロちゃんはいい拾い物だった♪」


と感じられるような生活を毎日送っておられるからなのだと、わたしはそう解釈しました。



ちなみに、明石家さんまさんの座右の銘は


「生きてるだけで丸儲け」


だそーです。

けっこう深いぞと(笑)





<今日のPet Hotel 11!>

やった~晴れたよ~~♪
Mくん・・・顔かお!溶けてるよ (;'∀')

L弟「家政婦は見た!」

L弟「なんちゃって~~~!」
L兄「つまんないぞ~~~!」
L弟「あい・・・」

昨日雨で遊べなかった分までたっぷり遊んで・・・

日陰で休憩~~

こらこらチャコ!
日なたで寝てると干物になっちゃうよー!

なつ「あっち~~~~!」
だから日陰に行きなさいってば (-_-;)