今日は 春らしく お別れとお祝い、ふたつのイベントがありました。
【Mちゃんとのお別れ】
●ナーバスなMちゃん
最初にお断りしておきますが、Mちゃんは元気です!
永遠のお別れではありませんので、安心してお読みください。
Mちゃんは、Pet Hotel 11!のお客さまで、3~4才くらいのMIX(柴×ビーグル)の女の子です。
元保護犬のMちゃんは、とってもナーバスな子でした。
初めて飼い主さんに連れられてPet Hotel 11!にやってきた時、飼い主さんは次のようにお話しして下さいました。
「初めて会う人や、グイグイくる人、人がたくさんいるところが苦手です。
大きな音や声も苦手です。
特に子供さんがとっても苦手です。」
飼い主さんのお話の通りでした。
さらに、知らない場所へのお泊りということで、初日はちょっと緊張していたのか他のワンちゃんたちと接触することはありませんでした。
●初めてのお泊り
わたしたちは、飼い主さんと離れて不安な気持ちでお留守番しているワンちゃんたちに、少しでもストレスを感じることなく楽しく過ごしてもらえるよう気を配っています。
そのため、寝るとき以外はケージに閉じ込めることはせずに、自由に過ごせるようにしているのですが、中にはMちゃんのように他のワンちゃんと距離を置きたがったり、わたしたちに甘えてこようとしない子もいます。
そういう子には、特に初日は他のワンちゃんにちょっかいを出されないように配慮し、わたしたちもできるだけ放っておいてあげるようにしています。
個室を用意してあげ、扉は開けておいて好きなときに出入りができるようにしておくことが多いです。
Mちゃんは、用意した個室に入って、他のワンちゃんたちやわたしたちのことをジっと観察して、どうやらここは安全な場所らしいと感じてくれたのか、徐々に個室から出てきてお水を飲んだり、お部屋のあちこちを嗅ぎまわってみたりするようになりました。
半日ほど経つと、お散歩を機にわたしたちにはすっかり慣れ、他のワンちゃんとも少し距離が縮まりましたが、超長期お預かり犬の”なつ”(チワックス)がなぜかMちゃんを目の敵にして吠えたてるので、それにはヒジョーーにおののいていました(笑)
”なつ”は自分より体が大きくて、自分に挨拶もしようとせず、そのくせやけに落ち着き払ったような態度のMちゃんが、よほど気に入らなかったようです (;^_^A
●相性が難しいMちゃん
ペットホテルなので、Mちゃんが他のワンちゃんにやっと馴染んでも、他のワンちゃんの出入りがあります。
Mちゃんに限らず、ケージレスでお預かりしていると、必ず相性の悪いワンちゃんというのはいるもので、様子を見てエリアを区切るようにしているのですが、Mちゃんは特に相性の悪い子とはもう絶対に「ムリッ!!」なんでした(;^_^)
相性の悪い子にはMちゃんが激しくうなって威嚇するため、他のワンちゃんたちにもピリピリした空気が広がって危険な状態になってしまいますから、すぐに分離させる必要がありました。
●お散歩はキンチョーの連続
お散歩中は特に、Mちゃんが苦手な
知らない人、寄ってくる人、子供さん、他の犬たち、聞きなれない物音
などがいっぱいなので、ちょっとしたことですぐに方向転換しようとするMちゃんでした(笑)
わたしたちは、あまり気に留めずにニヤニヤしながらズンズン歩いていってしまうので、Mちゃんは不服そうにしながらもついてきてくれましたが・・・
(Mちゃんはまだ若く健康で、これらの苦手を克服できると感じていたのでそのようにしていました)
●飼い主さんの愛情
Mちゃんみたいな子は、お預かりするにあたって気を付けることがたくさんあって、それなりに手がかかるし神経も使うのですが、わたしはMちゃんのことが大好きでした。
本当は甘えたいし、遊んでほしいし、ナデナデも大好きなのに、素直に甘えたりねだったりすることができない不器用なMちゃんのしぐさがたまらなく可愛いんです。
Mちゃんのような子は、一歩間違えると神経質ゆえに凶暴化してしまうこともあるのですが、そうならずにこんなにも可愛らしいワンちゃんになったのは、きっと飼い主さんの愛情の賜物だと、わたしたちは思っています。
保護犬だったMちゃんを引き取った時、Mちゃんはフィラリアにかかっていたそうです。
時間をかけてやっとフィラリアを克服した後も、肺炎や大腸炎など、次々に病を発症したMちゃんのお世話は、きっとご苦労が多かったことでしょう。
病気がちなのに、ごはんをムラ食いしてなかなか食べてくれない点にも、飼い主さんはずいぶんと悩まれ、色々と工夫されていたようです。
お泊りに来る時にはよく、今のMちゃんの体調などについて、とっても愛情のこもったお便りを荷物に入れてくださっていました。
●お別れ
そのMちゃんは、飼い主さんの転勤で、他県にお引越しすることになりました。
少し前からお知らせいただいていたのですが、本日 最後のお泊りを終えたMちゃんをおうちに送り届けてきました。
わたしたちにとって、とても印象深く思い出も多いMちゃんとのお別れは、わかっていたこととはいえ、さみしくてさみしくて・・・( ノД`)
新しい土地やおうちに馴染むまで、少しの間またMちゃんは神経をピリピリさせているのだろうなぁ・・・
ごはんはちゃんと食べるかなぁ・・・
近所に苦手なワンちゃんがいないといいねぇ・・・
などと、しみじみと話しました。
でも、飼い主さんが
「長期の旅行に出かける時には、ワンワンさんにお願いしに行きます!」
と言ってくださったので、きっとまた会えるかな?
その時を楽しみにしているよ!
Mちゃん、元気でね、楽しい時間をありがと~~~(^▽^)/
【白寿のお祝い】
●お隣のおばあちゃん
Mちゃんを送り届けた後、大急ぎで支度をしてホテルで行われるお祝いに出席してきました。
お隣のおばあちゃんの白寿のお祝いです。
「白寿」っていうのは99歳のお祝いです。
「百」まであと一つなので「白寿」なんですね。
「神田時枝さん」という芸名で女優をされていたそのおばあちゃんは、ここ三浦海岸が大好きで、わたしたちが越してくるずーっと前からここに暮らしていらっしゃいます。
普段から、お隣同士ということで何かと交流させていただいていて、家庭菜園で採れた美味しいお野菜をおばあちゃんの娘さんにお裾分けしていただいたりと、とってもお世話になっています。
そんな日ごろのお付き合いもあって、お祝いの会にお招きいただきました。
●温かい集い
会場に少し遅れて到着すると、100人を超えるたくさんの人たちに囲まれて、綺麗にお化粧をしたお隣のおばあちゃんがニコニコととても嬉しそうに座っていました。
まだ女性の社会進出などが程遠い戦前から女優という職業をされ、それをずっと続けて来られた方ですから、わたしなどには到底想像もできないようなたくさんの障壁にぶつかり、それを乗り越えて来られたのだろうな・・・
おばあちゃんのような方たちが時代を切り開いてきてくださったおかげで、今わたしなんぞがこんな風に好き勝手に何でも言うことができているんだなぁ・・・と思います。
おばあちゃんの歩んでこられた人生が、どんなに周囲の人を大切にし、信念を持って情熱的に生きて来られたかを、集まった人たちの人数や表情、語られる言葉から感じることができました。
舞台で次々に披露される演技や歌、トランペットの演奏やスピーチはどれも心がこもった素晴らしいものでした。
最後に、おばあちゃんが舞台でスピーチされた内容がとても印象的でした。
「私が死んでもお葬式はしないでと言ってあります。
死んでから来ていただいても、私にはわからないんですから。
だから、こんなにたくさんの人たちが集まってくださった今日が私のお葬式だと思っています。
生きているうちに皆さんとこうしてお会いすることができて、こんなに幸せなことはありません。
今日は本当にありがとう!ありがとう!!」
嗚呼、とてもいいな~~!
わたしも、これからの人生、こんな風に言えるようにしていきたいなぁ~~!
そんな風に感じました。
いい時間を過ごさせていただきました♪
<今日のPet Hotel 11!>
Mちゃんと最後の海岸さんぽ。 |
元気でいるんだよ~ |
また会おうね~~~! |
Mちゃん「わかったからもっと撫でて~」 ハイハイ(-_-;) |
Mちゃんを目の敵にしていた”なつ”が やっと認めたのにねぇ・・・ |
野生のつくし畑 サラダバー状態 (-_-;) |
同じく、サラダバー (-_-;) 牧場か?!もういい加減にしなさーい! |
お隣のおばあちゃん 白寿のお祝い |
99歳とは思えない美しさでしょ? |