2018年3月6日火曜日

KDPに行って感じたこと

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。



きょうは、KDP(神奈川ドッグプロテクション)さんに、使い古しのバスタオルやフードを持って遊びに行ってきました。

ご近所の、つい最近ワンちゃんを亡くされた飼い主さんからも、フードをことづけていただきました。

ありがとうございました♪


KDPさんとは、メールや電話でのやり取りはあったものの、実際に施設に伺うのは初めてでした。

そこで、保護犬たちに囲まれながら菊池さんやKayoさんと、色々なお話をして、感じたことを書いてみたいと思います。

【保護団体の厳しい現実】


●お山の異空間


KDPをご存じないという方は、ぜひHPをご覧ください。

http://kdp-satooya.com/

https://www.facebook.com/kdp.satooya/

人間に捨てられ、殺処分されてしまう犬たちを保護センターから引き出し、里親さまに繋げる活動をされている保護団体です。


広いお山を切り開き、たくさんの犬たちがのびのびと走り回れるその空間は、街中からさほど離れていないのに、一瞬自分がものすごく遠くにやってきたような、夢の世界に入り込んだような不思議な感覚に襲われる場所でした。

そこは、新しい飼い主さんが見つかるまでの間、少しでも幸せな時間が過ごせるようにという菊池さんたちの想いが詰まっている、素敵な空間でした。

お山の犬たちはみな、とても生き生きとしていて、ともすると

「ずーっとここで暮らしていけたら、この子たちはさぞ幸せだろうな」

なんて錯覚をしてしまいそう・・・

でも、やっぱりそれは違うんです。


●我が家との違い


なんと表現すればいいのかわかりません。

例えるなら、我が家と寄宿舎の違いみたいなものかな~・・・

ものすごく設備が整っていて暮らしやすく、仲のいい友達や信頼できる寮母さんもいる寄宿舎生活って、それはそれでいいけれど、やっぱり自分の家とは違うんですよね。

100%脱力して、なーんにも考えずにポカーンとできたり、素の自分でいられる、安らぎの場所が必要なのは人間も犬も一緒。

KDPに足を踏み入れた瞬間、ふたつの不思議な感情に襲われました。

「わぁ!なんて素敵なところ!みんなとっても幸せそうだな~」

という嬉しくなるような気持ちと、もうひとつは・・・ある種のプレッシャーのようなもの。

それは、犬たちの注目を一身に浴びた時、物言わぬその子たちがみな、

「自分を迎えに来てくれたの?!」

と言っているように感じたからです。

「ごめんね、そうじゃないんだよ・・・」

犬が大好きなだけに、ぬか喜びをさせないようにと、全員を撫でたい気持ちを抑えていました。

勝手に寄ってきて「撫でろっ!」って命令する子もいましたけど(笑)



嗚呼!やっぱりこの子たちには、安らげる我が家が必要なんだなぁ・・・と、ひしひしと感じました。


身体の弱った子や、あとどれくらい生きられるかわからない老犬であっても、最後に我が家と思える場所で、大好きな飼い主さんに見守られながら幕を閉じさせてあげたい・・・そんな風に強く思いました。



●過酷なお仕事


今までも、外からKDPの活動を拝見して、

「本当に大変な仕事だなぁ・・・誰にでもできることじゃない。尊敬するなぁ・・・」

と感じていました。

でも、現場を目の当たりにして、その過酷さは想像以上だと実感することができました。

まったく種類は違いますが、わたし自身、命を預かるお仕事をしているので猶更その大変さは解るつもりです。

当たり前ですが、朝から晩まで気の休まる時がありません。

就寝中の夜中ですら、何かあれば待ったなしで跳び起きて対応しなくてはなりません。


Pet Hotel 11!は年中無休ですが、もしどうしても

「もうダメだ!休ませてくり~~!」

と感じたら、何日か予約を入れないように調整することもできるでしょう。

たまたまポコっと予約が入っていない日があったりして、ホっとできる日もあります。


でも、菊池さんたちにはそれは不可能です。

Kayoさんが言っていました

「施設の外10mでさえ、わたしたちが揃って出ることはできないの。どちらか1人は必ず犬たちを見ていなくてはならないから。」

菊池さんとKayoさんは、何年もそういう休みなしの生活を走り続けているんです。

体調が悪い日も、気分が塞いでいる時も、何もかもから逃げ出したい気持ちになった時もずっとずっと毎日毎日・・・



●殺処分ゼロを支える人たち


このブログで、何度かお話していることですが、現在、殺処分ゼロを実現していたり、殺処分ゼロを目指している自治体を支えているのは、KDPさんのような保護団体の人々です。

もちろん、そういった活動をしているくらいですから、元々動物が大好きな人たちなのでしょう。

でもね・・・毎日、動物たちの命と向き合う日々というのは、単純に動物と一緒にいられて

「嬉しい♪楽しい♪大好き♪」

ではいられなくなるほど、緊張を強いられる日々なんです。

「動物と一緒にいられて楽しい」という気持ちを上回るほどの、命への責任と重圧を常に感じているからですね・・・

そういうことを、年中無休でご自身の命を削るようにして継続している人たちが、ギリギリの崖っぷちを歩くようにしながら、日々センターから犬や猫を引き出しているんです。

今のままでは、そういう動物好きで、高い志や理想を持っている善意の人たちが、この先バタバタと倒れていってしまう。

そう遠くない将来に・・・


そう強く強く感じました。



●ごく普通の人たち


頭では理解している、上記のような危機感を、今回更に身をもって感じたのは、実際に会ってお話した菊池さんやKayoさんが、ごくごく普通の人たちだったからです。

わかりますか?

私たちは、日々のKDPの活動を垣間見ながら、どこかで菊池さんやKayoさんのことを、常人を超越したスーパーマンとスーパーウーマンみたいに勘違いしてしまっているのかもしれません。

だけど、そんなわけない。

わたしたちと同じように、人から見たら取るに足りないようなちっぽけなことで、悩んだり苦しんだり悲しんだりする、ホントーーーにフツーーーの人たちです。

(あんまりフツーフツー言うと怒られちゃうかな? ごめんなさーい 笑)

行政も、わたしたちも、保護活動を見る時、


「この人たちがしていることは偉大ですごいこと!

でも、この人たちは決して強くなんかない、フツーの人たちなんだ!」


ってことを忘れてはいけないと思うんです。

つまり、その人たちに重荷を背負わせたままで、今の状態をこの先ずっと続けられるはずがないことに気づかなくてはなりません。


本当の意味で、捨てられる不幸な犬たちを減らすために、わたしたちひとりひとりが、何をできるか?

真剣に考え、実行しなければと思います。



最後に・・・

KDPでは現在、ドッグフード、バスタオル、医療費などの支援を募集しています。

また、毎月2回、譲渡会を開催しています。


こちらのリンクより詳細をご覧いただき、多くのみなさんにご協力いただければと思います。

ひとりひとりのできることは小さくても、たくさん集まれば大きな力になります。


ぜひ、よろしくお願いいたします。



<今日のPet Hotel 11!>

雨が上がってみんなお庭でルンルン♪

遠慮がちに匂いを嗅ぐMちゃん

ぶしつけに匂いを嗅ぐチャコ
(-_-;)

ごめんねMちゃん
「いいよ~~~!」

Pet Hotel 11!のお山のリスさん。
KDPのお山にもリスさんがいっぱいいたヨ!