前回のブログに引き続き、NHKのドキュメンタリー「地球ドラマチック」で2013年に放送された『イヌ その秘められた力』で紹介されていた犬の素晴らしい能力についてお話していきます。
(現在、この内容はAmazonプライムビデオで無料で視聴することができます)
【優れた観察力】
犬は、人間のことを人間以上に理解していると考える人もいます。
散歩に行くことを事前に察知する犬
飼い主が気を失う前にそれを予測する犬
など、まるで超能力か第六感を持っているようだと言う人もいます。
●盲導犬
目の見えない人を介助する盲導犬は、ハンドラーが何を必要としているかを予測し、様々な障害物に気を配らなくてはなりません。
犬の目線に近い足元の障害だけでなく、飼い主さんの頭がぶつからないように、はるか上の障害物をも避けなくてはならないのです。
飼い主さんの頭の高さを理解し、そのまま歩いていけば飼い主さんの頭がぶつかってしまうことを予測して避けるという行動は、優れた観察力と判断力、そして機転によって成しえることです。
しかも、それらの能力を総合して瞬時に判断を下さなくてはなりません。
なぜ、そんなことが瞬時にできるのでしょう?
犬に見えている世界と、人間に見えている世界は異なります。
見えている色が違うのです。
その原因は、色を認識するための細胞の種類にあります。
人間は3種類なのに対し、犬は2種類しか持っていません。
そのため、犬にはほとんどのものが青と黄色に見えます。
オレンジ色のおもちゃは、緑色の芝生と区別がつかないので、遊ぶなら青い色のおもちゃがお薦めです。
一方、動くものに対しては、すぐれた能力を発揮します。
犬の目は、人間の目よりも物を識別するスピードが早いからです。
フリスビーは犬にとってはスローモーションのように見えます。
このため、いち早く正確な場所で待ち構えて捕えることができるのです。
盲導犬が、飼い主さんの歩調につれて動く周りの景色を、わたしたち人間から見れば瞬時に判断しているように思えるのは、そういうことだったのですね。
●ルイーズ
牧畜業を営むルイーズさんの愛犬ジェスは10才のスプリンガースパニエル。
牧羊犬として農場の手伝いをしています。
羊の出産時期になると、ミルクの容器を運び、更には母親のいない子羊に、口に哺乳瓶を咥えてミルクを与えています。
ジェスは飼い主さんの仕事を観察し、飼い主さんが必要としていることを理解し、助け、喜ばせたいと思っているのです。
「教えたんじゃないんです。
自分で勝手に覚えたんです。
ジェスのおかげで助かっているわ!」
ルイーズさんは愛おしそうにジェスを撫でながら語っていました。
●モーリーン
実は犬は、他の動物と比べものにならないくらい、常に周囲に気を配っています。
これからお話するエピソードに登場するモーリーンさんは、愛犬マックスの観察力について次のように語っておられます。
「私たちが支度をする前から、散歩に行くってわかっているようです」
犬は、人間が認識するよりも早く、人の身振りから状況を読み取ります。
その鋭い観察力が、人間にはまるで第六感のように思えるのです。
マックス(前々回の記事に出ていた救助犬とは別のマックスくんです)はボーダーコリーの雑種。
いつもは元気いっぱいですが、ある時、飼い主のモーリーンさんが異変に気付きました。
「呼んでも来ないし、隣に座ろうとも膝の上に乗ろうともしませんでした。
そして、おかしなことに私の胸に鼻をつけたと思ったら、悲しそうな目をして離れていくんです。」
モーリーンの胸には小さな”しこり”がありましたが、マンモーグラフィーの結果は陰性でした。
「最初はなんてことない、ただの”しこり”だと思っていたんです。
でもそのうち、マックスのおかしな態度と関係があるのではないかと思い始めて・・・
あるとき、鏡越しにベッドに横たわるマックスと目が合ったんです。
その時、この子の目を見て確信しました。
”がん”なんだって・・・」
精密検査の結果、マンモーグラフィーとCTスキャンでは見つからなかった”がん”が確認されました。
”しこり”を取り除くと、マックスの態度は一変しました。
「退院すると、なんと、また元の元気なマックスに戻っていたんです!
私の胸に鼻をつけて手術した個所をチェックすると、しっぽを振って嬉しそうな目をしました。
あの変わり様には驚きました。
マックスにはどんなに感謝してもしきれません。
今でも検査の前には、マックスにチェックしてもらっています。
嬉しそうにしっぽを振ってくれたら一安心。
問題のない証拠ですから!」
マックスは、がん細胞から生じる匂いに反応したと考えられます。
この能力はほとんどの犬にあります。
訓練を積めば、尿サンプルからがん患者を突き止めることができます。
糖尿病患者に血糖値が下がってきたことを知らせる犬もいます。
本人が気づいたり、気を失ったりするずっと前に嗅ぎつけてくれるのです。
他にも、重度のアレルギー反応や”てんかん”の発作、睡眠障害に対して、早い段階で警告を発してくれる犬もいます。
特別な訓練を受けた犬が、人々の生活を変えてくれているのです。
●犬はすべてお見通し(感想)
番組では、犬の観察力がいかに優れているか?というお話がされていました。
もちろん、犬の観察力は人間などとは比べ物にならないほど優れているとわたしも思っています。
それに加えて、優れた嗅覚や動体視力によって、人間から見ると第六感としか思えないような行動を犬たちが取ることも、まったくその通りです。
けれども、わたしが番組を通して一番感動したのは、番組で取り上げられていないワンちゃんの能力を再認識したからでした。
犬たちがその観察力を最も発揮するのは、愛する飼い主さんに対してです。
わたしたち人間も、大好きな人には並々ならぬ観察力を発揮しますよね?
それと同じことです。
ですから、元々優れた観察力を持ったワンちゃんたちが、大好きな飼い主さんに対して発揮する観察力は、そりゃもう・・・
トンデモナイ!!
ってことなんですね。
何が言いたいかというと・・・
体調が優れなかったり悲しい気持ちになっている飼い主さんを慰めてくれたり、飼い主さんが必要としているものを持ってきてくれたり、お散歩の気配を察知するというエピソードは、わたしたちをいたく感動させたり感嘆させたりします。
けれども、それと同じくらいの鋭い観察力で、ワンちゃんたちは飼い主さんのダークサイドもお見通しだってことです。
見られていますよ~・・・都合のいいことだけじゃなくて、都合の悪いことも・・・
疲れ果てて帰宅した夜にお散歩をせがんでワンワン言うワンちゃんに対して・・・
あるいは、バタバタと忙しい出勤前にオシッコを失敗してしまったワンちゃんに対して・・・
心の中で
「まったくもう!バカ犬なんだからっ!!」
「犬なんか飼うんじゃなかった・・・この子さえいなかったら・・・」
などと一瞬でも飼い主さんが考えてしまったとしたら、それもすべてワンちゃんにしっかりと伝わっているってことです。
飼い始めた時にはネコっ可愛がりしていたワンちゃんを、数年後には疎ましく感じて捨ててしまおうとしている飼い主さんの胸の内だって、ワンちゃんは全部感じ取っているってことです。
にも関わらず、ワンちゃんたちはそういったことを全部わかった上で、それでもやはり飼い主さんのことを世界で一番愛しているのだってことを改めて感じ、わたしは鳥肌がたつ思いでした。
犬の優れた能力の中で、わたしが最も素晴らしいと感じたのは、
「無償で一途な愛情を注げる能力」
です。
改めて、肝に銘じておきたいですね。
絶対に裏切ってはならない存在・・・それが犬たちだと思います。
<今日のPet Hotel 11!>
Rくん&Jくん、すぐにMちゃんとも 仲良くなれました♪ |
Mちゃんも、珍しく自分からクンクン♪ 相性がいいのね~! |
「ザンッ!!ウリだよ~~~ん!!」 突然現れたウリくんにたじろぐRくん(笑) |
Mちゃん「あらまぁ、全員クルクルヘアーだわ・・・」 |
いやいや・・・Rくん&Jくん・・・ 鏡に映った1匹のワンちゃんかと思ったヨ!(;'∀') |
ボス「レインコートやだ」 異様に低いテンション(-_-;) |