2018年6月28日木曜日

もし愛犬が狼の群にいたら・・・④(アルファタイプの犬)

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。





前回ブログのつづきです。


【うちの子はどのタイプ?(1)】


ショーン・エリス氏の「狼の群れと暮らした男」から、もしアナタの愛犬が狼の群の一員だったら、どんな役割を果たす子かを想像するためのヒントを見ていきましょう。


●アルファタイプの犬


「狼の群のリーダー」ときいて、わたしたちが安易に想像するのは、体が大きくて強くて勇敢で、他のどのメンバーたちよりもケンカが強いタイプではないでしょうか?

けれども、それは大間違いだとエリス氏はいいます。

もし、同じ母犬のお腹から産まれた子犬たち(あるいはペットショップの展示販売でも)の中から1匹の子犬を選ぼうとしている人のところに、勇敢にノコノコと挨拶にやってくる積極的な子犬がいると、それはいかにもアルファタイプのように見えるかもしれません。

でも、その子はアルファタイプではありません。

アルファの、群における至上命題は「群の子孫を残すこと」です。

そのため、アルファタイプの子は決して自分の身を危険にさらすようなことはしません。

たとえば、狼の群の巣穴がクマに襲撃されるような場面では、アルファはそれにはかかわらず、群のメンバーが殺されるのを見ているのだといいます。

そのため、アルファタイプの子犬は、子犬を選びに行った人には決して近寄ってくることなく、犬舎の奥でジっとしているような子なんですね。


アルファは群における頭脳だとお話しましたね。

ですから、アルファタイプの子犬は覚えが早く、訓練しやすい犬になります。

そして、いつの日か・・・時が来たら群のリーダーになろうとします

アルファタイプの犬は、”その日”を待ちながら飼い主にはもはや群を統率する能力がないと示す兆候を探しているのだそうです(・_・;)

”その時期”は6か月後かもしれないし2年後かもしれない・・・だから飼い主は常にアルファタイプの頭のいい犬よりも一歩先んじていることが大切です。

さもないと、あんなに可愛くて素直だった犬がワガママなヤツに変身し、飼い主が何を言っても言うことをきかなくなるのだといいます。


また、エリス氏によるとアルファタイプの犬の飼い主さんはよく


「家にいる時はいい子なのですが、外に出るとわたしが何を言ってもきいてくれなくなるのですよ」


と言うそうです。

何故なら、犬は人間とは比べ物にならないほど優れた聴力と臭覚を持っているため、公園にどんな人がいるか、どんな犬がいるか?をすべてお見通しだから。

飼い主がそれらの気配にまったく気づくことができないと知っている犬は、もはや外界において自分の飼い主が自分や飼い主自身を守る能力がないとみなしてしまうので、自分がリードしようとするのですね。



●ある柴犬のこと


わたしは、「間違いなくこの子はアルファタイプだ!」と感じる犬には会ったことがありません。

短期間の交流で確信まではできなかっただけで、もしかすると・・・というような子には会ったことがありますが・・・

ただ、以前知人から聞いた彼女の愛犬のエピソードは、今思えば間違いなくその子こそがアルファタイプだったのだろうと感じるものでした。


その子は柴犬で、1才になるまでは本当に聞き分けがよく、大変可愛い子だったといいます。

1才になって間もなく、ボーン(骨)の形をした大き目のおやつで引っ張りっこをして遊んでいた時・・・

興奮した愛犬が唸り声をあげて、突然本気で咬みついてきたそうです。

驚いて飼い主さんが手を離したそのあとは、愛犬から骨型オヤツを取り上げることはとてもできないほど威嚇してきて、結局近づけなかったそうです。

明らかに大きなボーンのおやつを全部食べれば「食べ過ぎ」だからやめさせたかったのに・・・


そして、その日を境に、あんなに可愛かった愛犬の様子は一変したそうです。


覚えがよく、たくさんのコマンドを覚えて完璧にこなしていたのに、まったく指示をきかなくなってしまった。

自分の気が向いた時には飼い主さんに近づいてくるけれど、飼い主さんから近づいたり触れようとすると毛を逆立てて歯を剥き、恐ろしい顔で威嚇してくる。

勝手に決めた縄張り(家の中のエリア)を主張してくる。

「お散歩に連れて行って!」と可愛い声を出して寄ってくるくせに、それに応じてお散歩に連れて行き、家に戻ってくると、すぐさま攻撃的な態度に変貌する。

ご飯やオヤツも同様で、甘い声でせがむくせに、与えた後は警戒モードで「これは俺のものだ!あっちへいけっ!」とばかりに唸りながら警戒して食べ、手を出せば大変なことになる。


気の毒なことに、飼い主一家は常に愛犬のご機嫌を伺うよう家来のように息をひそめて暮らし、愛犬の身体に触れることも何年もできずにいるのだということでした。

お散歩に連れ出す時でさえ、リードをつけることができないので、1度つけたリード(鎖)をずっと家でもつけっぱなしにしていました。


こういうケースに陥ってしまった場合、ヘタに素人の飼い主さんがアルファに君臨している愛犬に挑むことは大変危険です。

しかるべき専門家の手にゆだねるのが一番なのですが、その「しかるべき専門家」がとても少ないのが実情なのが問題ですね・・・

中途半端な専門家の元をたらい回しにされ、そのどこでも「お手上げです」と突っ返されてしまうと、その犬は道場破りのようにあちこちで自分の実力を確認してきた結果、ますますその権勢を強化して帰ってきてしまった・・・

という最悪の事態を、いくつも見聞きします。



アルファタイプの犬を家で飼う場合は、小さい頃からしつけを徹底するとともに、飼い主さんが常に愛犬より上だとしっかりと主張し続け、愛犬をリードしていかなくてはならないということですね。


前回のブログでもお話しましたが、野生の狼と違って、犬は完全に家畜化されてから長い時間が経過しています。


「おかしいな」と感じるターニングポイントを見逃すことなく、適切なタイミングで適切なしつけをしたり、適切な接し方をしていれば、たとえアルファタイプの犬であっても、単に「なんて利口で賢い犬なんだ?!」という感じで平穏に暮らしていけている飼い主さんはいっぱいいるのだろうと思います。


エリス氏は言います。


「動物の行動にたまたまや偶然はないと考えた方がいい」


と・・・

動物の行動には必ず何かしらの意味があり、その奥に一体何が隠されているのかを見極めることが大切だということですね。


先述した知人の柴犬が、ボーンの取り合いに勝利した瞬間、恐らく彼はもはや実力を失った狼の群のアルファから、その担い手になる狼が取って代わる瞬間と同じことを自分がやってのけたと感じたのでしょう。

もしかすると、その時に飼い主さんがすぐに愛犬の態度の変化に敏感に気づき、対応できていたら・・・

そのまま何年も放置することをしなかったら・・・

そんな風に感じています。


残念ながら、その知人とは単なる職場の同僚だったので、その後彼女の家族と愛犬の柴犬がどうなったかは判りません。

あの時、わたしにもう少しまともな知識があったなら、すぐに専門家を頼るように言えたのに・・・と思っています。



さて、アルファタイプのお話だけで1回分費やしてしまいました(;'∀')


次回からはもう少しサクサクお話できるといいな~~~(←他人事かーい)


ってことで、次回につづきまーーす!





<今日のPet Hotel 11!>

見て!チャコのこの不満そうな顔ー!(笑)

海岸のお散歩で、
バーベキューを片付けている人たちがいて・・・
その「跡地」のいい匂いをもっともっと嗅ぎたかったチャコ

あ!イヤッ!もっと嗅がせてーーっ!

ダーメ!(ズルズルズル~~~~)

・・・というわけでフテくされていたというワケ(笑)

Yくん・・・
今日もまたお庭でゴロゴロ楽しんでますねー♪

そんなに幸せそうなお顔をしてくれて、
わたしたちも嬉しいよ♪
うすら汚れて帰るから飼い主さんは嬉しくないかも
しれないけど・・・(;^_^A

今日もとっても蒸し暑かったから、お庭遊びの後で
お料理番が氷をくれたよー(^▽^)/

お気に入りの場所に氷を運んで、少しずつ大事に
齧るナツ(細かくすると溶けちゃうのにね・・・)

産まれて初めての氷を、お気に入りのクッションに
とりあえず運んだものの、どうすべきかジっと
考えてみつめるチャコ・・・
(溶けてクッションビチョビチョなるぅ~~!)

氷にはまったく興味を示さずに、ただただ遊んでほしいYくん

今日も「取っ手」がよく似合ってるよー(ヒューヒュー♪)