2018年6月19日火曜日

Lちゃんと飼い主さんのがんばり④(もし出会わなければ・・・)

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。




前回ブログのつづきです。


【救われた命】


●おかしいなと思ったのに・・・


Lちゃんの飼い主さんが、あのブリーダーおかしいな・・・と感じたのは、


・引き取った時からLちゃんが不健康だったこと。

・まだパピーのLちゃんが、飼い主さんが触れようとすると怖がって咬みついてきたり食糞するといった問題行動を見せたこと。


といったことからでしたが、実はLちゃんをおうちに迎える前の段階でも「おかしいな」という点は多々あったのです。

たとえば・・・


・最初のやりとりの時から、こちらの家族構成などについてブリーダーから何も質問されなかったこと。

キチンとしたブリーダーであれば、自分が愛情をかけて育ててきた子犬たちには幸せになってほしいと願うものです。

母犬に子供を産ませ、その母犬から子犬を取り上げるのだから、その子たちが飼い主に虐待されたり飼育放棄されたりしないように自分が見極めなくては母犬に対して申し訳が立たない・・・という命に対するリスペクトがあるものです。

お金さえ出せば誰にでも簡単に引き渡すブリーダーは、母犬のことも子犬のことも、単なる商売道具としか思っていないブリーダーだということですね。

命を扱う仕事に携わる者としては不適格と言わざるを得ません。



・購入前、子犬を見に行きたいとブリーダーに伝えた際、それを避けたがっている様子がうかがえたこと。


前回ブログでもお話したように、飼い主さんは他のブリーダーさんから「当分子犬を産ませる予定がない」と断られてしまったことにガッカリしていました。

そのタイミングで出会った このブリーダーに見学申し込みをすると「他の人が先に購入を決めたらそっちを優先するよ」と言われてしまったため、つい焦ってしまい、子犬を見に行く前に購入を決めてしまいました。

けれども、いずれ引取ることが決まった後も、Lちゃんの飼い主さんは事前にやはり子犬に会いに行こうとしていたのです。

それに対してブリーダーはいやがる素振りをしたというんですね・・・

おうちに来たときからLちゃんがマラセチア性外耳炎などの疾患にかかっていたことからも、このブリーダーが不適切な飼養環境に母犬や子犬を置いていたことは明らかです。

それを見せたくなかったということなのでしょう(-_-;)

結局、Lちゃんの飼い主さんは見学を予定していた時に運悪くギックリ腰になってしまい、見学は実現しなかったそうですが・・・



・ブリーダー側から「引き渡しはいつにしますか?」と訊かれた際、生後8週令に対するこだわりがまったくなかったこと。


生後、最低でも8週令までは母犬や兄弟犬と共に過ごすことが、子犬の社会化にとっていかに大切かは、少なくとも犬に関わる職業の人は熟知しているはずです。

特にブリーダーは、8週令というのは最低限であって、実は犬の社会化期は3週令~12週令くらいまで・・・つまり本当はもっと長く母犬たちと一緒にいることがより望ましいことを誰よりも解っているはずです。

ところが、前回ブログでお話したように、このブリーダーは


「子犬に会いに行ってから購入を決めたい」


と言うLちゃんの飼い主さんに、


「そのように言われて待っているうちに結局決まらず”時期を逃してしまった”犬たちがいたので現在は先に購入を決めた人を優先している」


と言っていましたね。

”時期を逃す”とは、ブリーダーにとって


子犬が一番かわいい盛りの時期を逃してしまって、ペットショップに卸すことができなくなることを言うんです。

だから、なるべく早く商談をまとめて手元の子犬を現金化したいブリーダーは、Lちゃんの飼い主さんに


「いつ引き取れますか?」


という意味で質問していたというわけです。


子犬の幸せを考えれば、本来”時期を逃す”とは”売り時を逃す”という意味などではなく、

母犬や兄弟犬と過ごすべき12週令までの貴重な社会化期を逃す

という風に考えてくれるブリーダーさんが一番ですよね。


悪質ブリーダーの元で生まれ、彼らが言うところの”時期を逃した子”はどんな運命を辿らされてしまうのでしょうか・・・



●飼い主さんの反省



上記のようなブリーダーの不審な点に、飼い主さんは気づいていらっしゃいました。

だって、最初はキチンとしたブリーダーから買いたいと思い、しっかりと調べた上で他のブリーダーさんを見学に訪れていたんですからね。

Lちゃんの飼い主さんは、いいブリーダーを見極める必要性や注意点について、充分に理解されていたということです。

にもかかわらず、結果的にこういう悪質ブリーダーから子犬を購入してしまったことについて、飼い主さんご自身が次のようにおっしゃっています。


「元々は、信頼できるブリーダーを探していたはずなのに、この犬種を飼いたい、長くは待ちたくないという都合から、おかしいなと思う点は多々あったのに、全てに目をつぶってしまいました。

結果的に、こういう悪質ブリーダーを容認するような選択をしてしまったこと・・・犬全体の幸せに繋がらないような選択をしてしまったことについて深く反省しています。」


すべて、正しくご理解され、反省されているLちゃんの飼い主さんに対して、外野からの「説教」は不要ですね。



●運命の赤い糸?


悪質ブリーダーの元で産まれ、健康にも成長にも行動にも問題があったLちゃんを買い取ることになってしまった飼い主さんは、


健康状態が悪かったLちゃんを献身的にお世話して、現在のような健康体に導きました。

訓練士さんにLちゃんを連れて行き、アドバイスを仰ぎました。

毎朝早起きをして、夫婦そろってLちゃんがお散歩できるように懸命に訓練しました。

Lちゃんが少し歩けるようになると、あちこちの公園にLちゃんを連れ出して訓練を続けました。

そして現在、他のワンちゃんにLちゃんが少しずつ慣れることを目指して、わたしたちのペットホテルに定期的にLちゃんを通わせて下さっています。

同時に、ご自身でもしつけ本やしつけに関する情報を入手し、積極的にお勉強されています。


その甲斐あって、Lちゃんは最近、飼い主さん以外の人にもなんとか抱っこされるようになってきましたし、怖がっていた波打ち際にも近づけるようになりました。


そのがんばりには本当に頭が下がります。


確かに、飼い主さんご自身が反省されているように、悪質ブリーダーの暗躍を許しているのは消費者です。

悪質ブリーダーから犬を買う人がいなくなり、彼らの商売が成り立たなくなれば、悪質ブリーダーは淘汰されて消滅するでしょう。

けれども、Lちゃんは現在の飼い主さんに会う前に、既にこの世に産まれてしまっていました。

あの時点でLちゃんの飼い主さんに買い取ってもらえていなかったら・・・Lちゃんは果たして今のように幸せに暮らしていたでしょうか?


もしかすると、売れ残って闇に葬られてしまっていたかもしれません。

あまり熱心ではない飼い主さんに買われて、「手に負えない」と捨てられてしまっていたかもしれません。


それだけではありません。


Lちゃんの飼い主さんが、購入を決めた後でもブリーダーのところに見学に行き、いかにも健康状態が悪そうなLちゃんを見ていたら、ブリーダーへの違約金を払ってでもキャンセルを考えたかもしれません。


そんな風に考えると、


Lちゃんの飼い主さんが、きちんとしたブリーダーさん2件に立て続けに断られてしまったことも・・・

そのタイミングでたまたまLちゃんに出会ったのも・・・

ブリーダーに見学に行くはずだった日にたまたまギックリ腰になってしまったのも・・・


すべて、Lちゃんが今の飼い主さんのおうちにやってくるように見えない手によって導かれていたかに思えてくるのです。



飼い主さんは、こんなにも手がかかるLちゃんのことを、少しも疎ましく思われる様子がなく、


「ただLはとにかく可愛くて、うちに来てくれた事、出逢えたことに感謝しています!」


そう心からおっしゃっています。


Lちゃんのお名前は、


「幸せで満ち足りた子でいて欲しい」


という願いを込めてつけられたそうです。

お名前の通り、Lちゃんは今とっても幸せそうで、そんなLちゃんを見ているとわたしも幸せな気持ちになるのです。



改めて、悪質ブリーダーが1日も早くこの世から姿を消すことを望むと共に、責められるべきは、そういう悪質ブリーダーから子犬を買ってしまう消費者よりも、やはり明確な悪意と違法性を持っている悪質ブリーダーと、そんな悪質ブリーダーの存在が飼育放棄の温床になっていることを百も承知で容認している国なのではないかという思いを強く抱いています。

ペットショップや悪質ブリーダーからペットを購入した人を強く非難している人をよく見かけますし、それは論理的には確かに間違ってはいないと思いますが、怒りの矛先を言いやすい飼い主さんに向けるのは、少し本筋から外れてしまっているような気もしています。


最後に、ご自身のいわば失敗談をブログに書かせていただくことに、


「これから犬を購入しようとしている人たちの少しでもお役に立てていただけるならどうぞお使いください」


と快く了承くださったLちゃんの飼い主さんに心から感謝したいと思います。


ありがとうございました。





<今日のPet Hotel 11!>

晴れた~~~~♪
大好きな日向ぼっこ、いっぱいしちゃった!

Mおばあちゃんは、後ろ足が少し突っ張ってるけど、
シッポフリフリで本当に嬉しそうに歩きます(^▽^)

ボクも、明日はまた雨だって言われたから、
いつもより余計にお散歩しちゃいました~!

ワタシ、本当はもっと早く歩けるんだけど、
ちゃーんとRくんやMちゃんの歩調に合わせて
あげてるの~~!(エラーーーイ!)

ボクだってだよ~~!
うん、確かに、今日のお散歩はすっごく上手だったよCJ!

道行く人に、みんなおりこうさんだねー!
って褒められて、自分だけ褒められてるって思い込んでいる”なつ”
ポジティブでいいよーー!(笑)

今日の夜もきっとグッスリだね!!