2018年3月18日日曜日

犬の殺処分方法についてもっと語るべきじゃない?①

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。



【理想と現実の狭間で考えるべきこと】



「犬の殺処分方法について」

だなんて、イヤなタイトルですね・・・

大前提として、わたしを含め愛犬家はみんな、殺処分自体をゼロにしたいと思っていますね。

「殺処分自体に反対なんだから、殺処分の方法についてなんぞ論じる気にもならないよ!」

というご意見も多いかもしれません。



殺処分はゼロにして安楽死だけにしてほしいんです。

つまり、保護しきれないから処分するというのではなく、保護したワンちゃんの中に、病気の症状で苦しんでいて、もう死を待つばかりの状態にある子がいたら、そういう子には安楽死をさせてあげる・・・

日本がこういう風になるのが理想というか、最終目標だと思っています。


けれども、それは長い道のりです。

殺処分なくすには、保護犬自体の頭数を減らさなくてはならない・・・

そのためには、飼い主さんの意識を改革したり、悪質ブリーダーやペットショップの問題を解決したりしなくてはならない・・・

だから、それに関わる法律を変えなくてはならない・・・

そういう観点で、先日もこのブログで、最終的な理想形に近づけるための法改正案を考えてみたり、日本の殺処分について海外のメディアがどのように報じているかについてお伝えしてきました。


不幸な犬を減らす法律を考える①
不幸な犬を減らす法律を考える②
不幸な犬を減らす法律を考える③
不幸な犬を減らす法律を考える④
不幸な犬を減らす法律を考える⑤

動物愛護後進国ニッポンの実態



●理想が実現するまで何もしないのか?


けれども、こういった運動はずいぶん以前からあるのに、遅々として根本的な解決には至っていないのが現状ですね。

法改正にしても、飼い主さんの意識改革にしても、もしも今すぐに取り掛かったとしても相当の時間がかかることです。

保護犬が減り、殺処分がゼロとなる最終的な目標が達成されるまでの間、毎年数万頭ものワンちゃんが処分され続けていくことを考えると、もしかすると一番最初に手を付けることができるのは、殺処分方法を変えることなのかもしれないと思うに至りました。

理想形の実現まで、まだ年月がかかるのならば、せめてその間にも処分されていく子たちが、処分されるときに苦しむことをなくしてやる必要があるのではないか

という考え方ですね。

もちろん、「殺処分の方法を考える」からといって、殺処分を肯定しているのではないことを繰り返し申し上げますよ~!


そこで、今日のテーマ・・・殺処分方法について、日本の現状はどうなっているでしょう?


●最悪な日本の状況


あらためて、日本の殺処分方法が、いかに非人道的かというお話をしなくてはなりません・・・(-_-;)

現在、日本国内で保護犬を殺処分する際、炭酸ガス(二酸化炭素)によるガス室を使用するケースが実に96%を占めています。


アウシュビッツですね・・・(-_-;)


更に、以前ご紹介した動物愛護後進国ニッポンの実態をお読みいただいてもわかるように、炭酸ガスによる殺処分は・・・

ガス室にガスが充満し始めて、ワンワン言う声がクンクンという弱々しい声に変わるまでにおよそ10分、体のピクピクいう痙攣が完全に静止するまでには、そこから更に20分と、合計およそ30分もの時間がかかるのです。

その間、犬たちが苦しい思いをしていないと思いますか?

わたしは、もがき苦しむ30分という時間は、気が遠くなるような長い時間にしか感じません!


●殺処分時の苦しみを科学的に検証


「炭酸ガスによる殺処分は、犬(猫)に必要以上の苦痛を与えている」


という説に、反論する意見もあります。


「苦しそうに見えるだけで、実際に本犬さんが苦しんでいるかどうかはわからないじゃないか」


っつーー意見です。

わたしのような野蛮な人間は、そんなことを言われたらすぐさま


「じゃあアンタ!苦しんでいないかどうかはわかるとでもゆーんかいっ?!

アンタやってみなさいよっ!

このスットコドッコイがーーーっ!!」


なーんてことを言ってしまいそうですが、きちんと科学的に検証した人たちがいました。

JALAM(日本実験動物医学会)というところです。

日本実験動物医学会とゆーのは、日本獣医学会の分科会で、実験動物の健康・医学ならびに福祉に関する研究、教育の推進、及びその普及を目的として活動している団体です。

動物実験の是非については、言いたいことがこれまた山ほどありますが、長くなるのであえてここでは触れないことにしましょう。


●JALAMによる検証結果


実験に使われたのは、動物実験を引退するビーグルたちだそうです・・・

さんざん動物実験に使われた挙句、最後に殺されながら殺処分方法に関する実験に使われるって・・・なんなんでしょうね、そのビーグルの犬生って・・・


( ゚д゚)ハッ! 「あえて触れない」とか言いながら、ついつい横道に引きずり込まれそうになっていました。


お話を元に戻しましょう。


尊い命を犠牲にしてくれたそのビーグルたちのおかげでわかったことは、以下のようなことでした。


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炭酸ガス(二酸化炭素)による殺処分方法は、中枢よりも先に循環動態に影響し、安楽な麻酔状態ではないと考えられた。

イソフルレン麻酔の併用では、イソフルレン麻酔による非覚醒状態で炭酸ガスを導入するため、他の注射麻酔による深麻酔と同等な効果が得られると考えられた。
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・・・どういうことかというと、現行、ほとんどの自治体が採用している炭酸ガスによる殺処分は、犬たちが意識がハッキリした状態で低酸素状態になるので、犬たちはものすごく苦しい思いをする!ってことです。

それに対して、イソフルレン麻酔を併用した炭酸ガスによる殺処分や、安楽死のように個別に注射を使用しての殺処分は、意識がない状態になってから亡くなるため、苦しみが少ないという結果が判ったんですね。


ちなみに、この実験結果が発表されたシンポジウムが行われたのは、今から10年も前の平成20年です。


10年も前に、こんなことが明らかになっているにも関わらず、全国で行われている殺処分の実に96%が炭酸ガス方式だなんて・・・・


日本人は一体全体、どういう神経しているんだ?!

国を挙げて虐待しているじゃないか!!


って世界から思われて当然ですね。




気が重いのと、長くなったので 続きはまた次回にします。



(参考サイト : JALAM教育シンポジウム抄録





<今日のPet Hotel 11!>

はじめまして~
Nちゃんで~~~~す♪

Nちゃん「みんなと仲良くできたけど、特に
SくんとRちゃんとはいーーぱい遊んだのよ!」

Nちゃん「これは…怒られてるんじゃないの」

Nちゃん「ワタシが遊んであげてるのよ!」

Sくん「言っとくけど・・・
遊んであげてるのはコッチだよ~う」
わかってるわかってる(笑)

お気に入りの枝を見つけてごきげん♪

Nちゃんのこの動き・・・
どっかで見たような・・・

わかった!常連のウリくんの動きだよ~~ん!
「黒ウリ」という別名がつきました(笑)

Mくんも遊びにきてくれたよ!
ラブ×インコカのMIXくん。
とっても元気な子だったね~♪

ボス「え?Rちゃん・・・え?え?なに?」
珍しくモテモテでどうしていいかわからず
ボスはパニックになっています(笑)