2019年4月8日月曜日

狂犬病予防接種の矛盾⑤

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。






前々回ブログのつづきです。

【現状を正しく認識してみよう!】


●狂犬病を巡るファクト


狂犬病が人間やペットに及ぼすリスクと、狂犬病ワクチン接種による犬への健康被害(副作用)のリスク・・・

どっちもイヤだけど、その両方のリスクをキチンと踏まえて現状の日本に合った狂犬病予防法の改正をするのなら、どういった形がベストなんでしょーか?

それを考えるにはまず、狂犬病を巡るファクトを整理しておかなくてはなりません。

こういうことは、感情論で考えるといい加減な情報に踊らされてしまってロクな結果を招きませんから、冷静な判断をするために事実を洗い出してみましょーね(^_^;)


以下、思いつく限りの狂犬病を巡るファクトをまとめてみました。


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◇狂犬病予防法に関するファクト


・現行法(狂犬病予防法)では犬の飼い主は愛犬への年一の狂犬病予防接種を義務付けられていて、例外は認められていない(捕まれば罰金刑)

・法的に例外は認められていないにも関わらず、実際には獣医師の判断で猶予証明が発行され、自治体行政もそれを黙認しているという実態があり、現状 狂犬病予防法は有名無実化している。

・接種率も年々低くなっていて、現在は畜犬登録未登録の犬を含めると全体の40%ほどと推定されている。

・上記のように法令遵守が相当いい加減になっているのに、我が国において狂犬病が発生していない状態が保たれている。



◇狂犬病に関するファクト


・狂犬病はすべての哺乳類が感染する”人獣共通感染症(ズーノーシス)”で、発症すれば致死率100%の恐ろしい病である。

狂犬病の人間への感染源の99%は犬である(犬は唾液中で病原菌を増殖する上、人間のごく身近に生息しているため)

・感染しても、発症前に抗ウイルス剤(暴露後ワクチン)を90日間で計5~6回を継続接種することで発症は食い止められる。

・暴露後ワクチンは高額で現状の日本では入手が困難(清浄国のため通常必要としないから)

・狂犬病で死亡する人は年間およそ55000人で、そのほとんどがアジアとアフリカ地域の未成年者である。

・狂犬病の暴露後ワクチン接種を受ける人の推計は世界で年間およそ1500万人もいる。



◇狂犬病予防接種に関するファクト


・欧米で使用されている狂犬病ワクチンはDOI(抗体が持続する期間)が3年程度のものなので、3年に1回の接種で済む。

日本国内で使用されている狂犬病ワクチンは許認可の関係でDOIが1年のものなので毎年接種が義務付けられている。

・狂犬病ワクチンはアジュバント(ワクチンに含まれる免疫を刺激する物質)を含まないため、混合ワクチンと比べて副作用のリスクが低い

・2008年に農林水産省が行った実績調査によると、
混合ワクチンによる副作用のリスクは0.0024%(100万頭に24頭)であるのに対し、
狂犬病ワクチンによる副作用のリスクは0.0006%(100万頭に6頭)だった。

・犬と同じく、人間の身近にいる猫に狂犬病予防接種の義務付けがない理由は、狂犬病に感染した犬は唾液中でウイルスを盛んに増殖するため感染源として人間にとって脅威になるが、猫は唾液中でウイルスを増殖させないので感染力が弱いことが判っているため。

・WHOは感染症進入時に爆発的感染を防ぐには、全体の70%以上がワクチン接種によって感染源に対する抗体を保有した状態を維持していることが必要としている。(※1)



◇狂犬病清浄国に関するファクト


・現在厚労省が認定している清浄国は日本を含めて8カ国(アイスランド、アイルランド、スウェーデン、ノルウェー、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、日本)

清浄国の多くの国で飼い犬への狂犬病予防接種は義務付けられていないが、海外渡航する場合は義務付けられている(※2)

・50年間 清浄国だった台湾では2013年にイタチアナグマなどの野生動物の多くに狂犬病感染が広がっていることが発覚したことで清浄国から除外され、現在も狂犬病の撲滅には至っていない。

・台湾では日本同様に飼い犬への狂犬病予防接種が義務付けられていたが、50年ぶりに狂犬病の発生が確認された当時、接種率は20%程度に落ち込んでいた。(※3)

・日本は1957年を最後に狂犬病が60年以上発生していないため、検疫体制などのコンプライアンスが維持できている限り、狂犬病の侵入リスクは非常に低いという確率論的試算データがあるが、日本と同じ島国で、かつ日本の狂犬病予防と同様の予防措置を取っていた台湾にどのように狂犬病が侵入したかの検証はできていない。
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●ファクトの補足

上記で挙げたファクトの中の※印について補足説明させていただきます。

ちょっとむずかしいお話だけど、ぜひ読んでみてくださいな~~!


◇(※1)予防接種率が重要視されている理由について


予防接種率と爆発的感染(パンデミック)の関連性を狂犬病の場合でシュミレーションした図があります。

出典元:論文”狂犬病予防接種は何故必要か” 岡本嘉六、坂本 紘(鹿児島大学農学部)




これは、もし万一我が国に台湾のように狂犬病が侵入してしまい、感染した犬1頭がそばにいる3頭に噛み付いたら・・・ということを想定して、感染の広がりを予想したものです。

白丸は予防接種により抗体を持っている犬
黒丸は予防接種をしていない犬です。

左側は国内犬の狂犬病予防接種率が高いケース。
右側は低いケースですね。

密輸などによって侵入してきた狂犬病罹患動物が野生化して、それが野犬の1頭にに感染したら・・・そこから、どのように狂犬病が伝播していくかをイメージしやすいですね。

今のように狂犬病の予防接種率が低くても、日本が清浄国である限りは大丈夫ですが、万が一の場合、このように感染被害はが大きくなるリスクにさらされているということです。



◇(※2)清浄国の多くが狂犬病予防接種を義務付けていない件について


狂犬病清浄国の多くが予防接種の義務付けをしていないなら、日本だって任意接種にしてもなんら問題はないだろう・・・って考えるのはチョット待って!!

飼い犬に狂犬病予防接種を義務付けていない国では、海外から持ち込まれる哺乳類に関して日本よりもうんと厳しい検疫制度を設けていたり、狂犬病進入時の緊急マニュアルが充実していたり、狂犬病に関する一般の人々の意識や知識がとても高かったりするんです。


日本では、海外から輸入したり飼い主が同伴する哺乳類のうち、狂犬病の検疫が行われるのは犬、猫、あらいぐま、きつね、スカンクのみで、それ以外の動物については書類による届け出だけでOKです。

ところが、たとえば清浄国のひとつ イギリスでは、上記動物はもちろん、フェレット、ウサギ、馬、げっ歯類(ハムスターなど)、鳥、無脊椎動物、両生類、爬虫類に至るまで、EU以外の国から入ってくる動物は検疫をパスしないと入国ができない仕組みになっています。


また、オーストラリアやニュージーランドは、狂犬病の予防接種が義務付けられていないどころか、むしろ狂犬病予防接種を国内の飼い犬に受けさせることを禁止していますが、それは


『人間の身近にいる犬の多くが抗体を持っていることで、万一国内に狂犬病が持ち込まれた際にその発覚が遅れてしまうから』


という理由によるんですね。

確かに、清浄国と思われていた台湾で50年ぶりに狂犬病の発生に気付いた時には、既にだいぶ以前から野生動物への感染が広がっていたらしいことが判明したんでしたね。

イヤな言い方ですが、オーストラリアやニュージーランドはこうした狂犬病の侵入発覚の遅れを懸念して、あえて犬たちに抗体を持たせないようにして侵入の試金石にする作戦を取っているのだということです。

実際、オーストラリア在住の知人によると、犬の飼い主はもしも愛犬が狂犬病に感染した場合は即刻処分されるということに同意しているのだそうです。

更に、狂犬病の感染リスクは身近にあるという高い意識が人々の間にあるため、犬を始めとして動物にちょっと噛まれてかすり傷を負っただけでも、必ずただちに病院へ行くのが常識になっているということでした。


要するに、やはり世界で数少ない清浄国というのは、周囲を海に囲まれている地の利がある上に、方法は違ってもそれぞれに相当厳しい狂犬病対策を講じているのだってことがわかりますね。



◇(※3)台湾での狂犬病予防接種率が低かった件について


誤解しないでいただきたいんですが、清浄国だった台湾に狂犬病が侵入してしまったのは、義務付けられていたにもかかわらず飼い犬への予防接種率が20%と低かったこととは何の関係もありません!

予防接種率が高かろうが低かろうが密輸入動物などによって、狂犬病が国内に持ち込まれてしまう時は防ぎようがないんです。

狂犬病予防接種の高い接種率が求められるのは、あくまで国内に狂犬病の侵入を許してしまった場合のパンデミックを避けるためなので、そこんとこお間違えのないように~!



●参考資料リンク












さてさて・・・

みなさんは、こうしたファクトを見てどんなことを感じましたか?

わたしは正直、安心するどころか残念ながら


「今の日本の状態は、すご~くアブないなぁ・・・」


としか感じられないんです。


その理由と、日本の今後の狂犬病対策はどうあるべきか?ってことについては次回お話していきたいと思います。






<今日のPetHotel11!>

ウリだよ~~~~~ん♪


ウリくん「午前中は雨ザーザーだったけど
お昼前から晴れてきたんだ♪」


ウリくん「そうそう、ボクねえ・・・
大きな子がもうあんまり怖く
なくなったんだよ!」


Sくんととしお
仲良く遊んでいるように見えるでしょ~?


でも、Sくんは他の犬を空気のように
スルーするから
一緒に遊んだりはしないんで~す(^_^;)


ここにも、他の犬を空気のようにスルー
することが多いボスが・・・

ボス「ボールとってぇ~~~~~!」


ウリくん「としお・・・大きくなったねぇ~~!」

としお「そうですか?あんまり変わらないですよ」


いやいや・・・大きくなったよ。
初めてウリくんに会った
時のとしおはこんなだったんだから!!
(^_^;)


ナツとチャコはみんなを高いところから
見守りながら、土のところが解禁になるのを
虎視眈々と待っていまーす!


ナツの貫禄ね!(笑)


土のところが解禁されると・・・
ウリくんととしおは早速おいかけっこ!


ウリくん「やーい、ココまでおいで~~♪」


としお「まつです~~~!!」


俊足ウリくんには
大きくなってもとしおはやっぱり
追いつけません(笑)


Sくんが久しぶりにお泊りにきてくれたよ!
Sくん「わあ!ウリくん、ひさしぶり~♪」


としお「Sさん!!おひさしぶりです~~♪」

Sくん「うわぁ!としお、大きくなりすぎだよぅ!!」


前回Sくんと会った時のとしおは
こんなに小さかったもんねぇ(*^_^*)


ウリくんはSくんのおうちを見つけると・・・


何を思ったか、しきりにスリスリして


匂いをくっつけていましたwww


午後は雨があがって
みんなげんきにお散歩できたよ~♪


悟りを開いたような
いかにも賢そうなSくん・・・


でも、頭の中はボールのことと
ゴハンのことでいっぱいなの!!(笑)


としお「もう雨なんか降らないでほしいです~」

Sくん「ホントだよね!!」


としお「Nちゃん・・・元気かなぁ・・・
(↑Nちゃんロスはまだつづいている模様)」

Sくん「ウリくん、それなに?」


ウリくん「わかんない・・・
わかんないからクンクンしてるんだ」

Sくん「なるほど・・・」


なんだかミョ~に仲良くなったふたりでした。
次はいつ会えるかな~~~~?」







2 件のコメント:

  1. お早う御座います🌅
    お尋ねしたい事有りますね、
    料金何故違っのかな❓

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    1. コメント通知設定を間違えていたため、今頃になっていただいていたコメントに気づきました。
      大変失礼いたしました。
      申し訳ございませんが、仰っている意味がよくわからないのです・・・

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