前回のブログに引き続いて、
「ウチの子は、普段は『マテ』ができるのにパニックになると指示が耳に入りません。そういう場合はどうすればいいのでしょう?」
というワンちゃんに、どのように対処していけばいいかを考えていきます。
パニック対策の大前提は、以下の通りでしたね?
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<パニック対策の大前提(復習)>
・パニックに陥った犬が指示を聞くことは不可能。パニックにさせない対応を!
・愛犬がパニックになる原因を把握しておくこと。
・愛犬が飼い主さんをリーダーだと認識していること。
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「回避法」「克服法」「対処法」
です。
【どの方法を選ぶかの判断基準】
●年齢や個性に応じた対処法を
方法を選ぶのは飼い主さんです。
その際、何を基準に考えたらいいでしょう?
◇基準その1 QOL
QOL = クオリティーオブライフ つまり、生活の質ですね。
飼い主さんのQOLと、ワンちゃんのQOL、どちら
も犠牲にしてはなりません。
何かのきっかけでパニックになってしまうワンちゃんを飼っている現在の状態と、パニックを起こさないワンちゃんになった状態を比較して、後者の方が間違いなく飼い主さんとワンちゃんにとってQOLが上がるというなら、ぜひとも取り組むべきでしょう。
でも、極端な話、そのためのトレーニングに費やす時間や労力が飼い主さんの負担になりすぎて、結果的にQOLが下がってイライラしてしまうようならば、「回避法」に徹するのもひとつの手でしょう。
また、トレーニングを最後までやり切る自信がなく、ただワンちゃんを混乱させてしまったり、単にイヤな思いをさせて終わってしまう可能性が高いと思われるなら、現状維持を選ぶのもアリでしょう。
ただ、個人的にはワンちゃんの”苦手”を克服する取組みは、ワンちゃんとの絆や信頼関係を深めるのに大変役に立ちますし、なによりもワンちゃんが以前とは比べものにならないくらい自信に満ちた犬生を送れるという意味で、ワンちゃんの幸せ度が大変UPしますから、ぜひとも前向きに考えていただきたいと思います。
ワンちゃんにしたって、自分が毎回パニックを起こすたびに、大好きな飼い主さんを困らせたり、イヤ~な顔をされたりするのは決して幸せなことではないと、わたしは思います。
◇基準その2 ワンちゃんの年齢や健康状態
今までずっとパニックを克服できないまま老犬になってしまったワンちゃんに、ある日突然飼い主さんが一念発起して「克服法」を試してみるのはどうでしょうか・・・
人間と同様に、ワンちゃんも歳をとるほどに新しいことを覚えるのが苦手になりますし、今までのやり方に固執もします。
老犬が、トレーニングを楽しむどころかストレスしか感じることができず、かえってQOLが下がってしまうようならば、今まで通りのやり方で静かに余生を過ごさせてあげた方がいい場合もありますね。
持病を抱えていて、ストレスが命取りになってしまいそうなワンちゃんについては言わずもがなですね。
一方、ワンちゃんがまだ若くて元気いっぱいならば、今後の長い犬生をより幸福度の高いものにするためのチャレンジは、ぜひやってみていただきたいと思います。
◇基準その3 困り度
愛犬のパニックの起きる頻度や、パニックの激しさ、パニックになった時に具体的にどうなってしまうのか・・・といったことです。
愛犬のパニックに飼い主さんが困り果て、疲れ果てていて、なんなら愛犬を手放す選択肢が頭をよぎるほどなら、諦める前にぜひ「克服法」や「対処法」に取り組んでみていただきたいです。
逆に、飼い主さんもワンちゃんもさほど困っていなければ、パニックの時だけなんとかやり過ごせばいいかもしれません。
でも、現在はさほど困っていない場合でも、”苦手”から逃げ回るような生活を送るうちに、ワンちゃんの臆病ぶりやパニックが更に酷くなって、手が付けられない状態になってしまう可能性もあります。
また、突然の災害に見舞われたり、引越しを余儀なくされたりして、ライフスタイルが変化したような時に”苦手”の多いワンちゃんには、そうでないワンちゃんとは比べ物にならないくらいのストレスがかかってしまいます。
先々、どのようなことがあるかわかりませんから、トレーニングをしない理由が特に見当たらないならば、できる時にぜひ「克服法」や「対処法」にチャレンジしていただきたいと思います。
◇基準その4 パニックの原因
例えば、毎日のお散歩で他のワンちゃんに出会うたびに
「キャーーーッ!ドキドキドキドキ・・・」
ってパニックになっちゃうワンちゃんならば、それは日常生活に支障をきたすことになりますから、なんとか克服させてあげたいということになるでしょう。
また、休日にドッグランに連れて行くと楽しすぎてテンションが上がり、興奮状態からやがてパニックに近い状態になり、飼い主さんの制止や呼び戻しが耳に入らなるワンちゃんもいますね。
これまた、周りの人やワンちゃんに迷惑をかけてしまうので、ぜひなんとかしておきたいですよね。
せっかくのお天気のいい休日に
「あの子、ドッグランが大好きだから連れて行ってあげたいけど・・・また他の人や犬に白い目で見られて謝るのもなぁ・・・」
と、お出かけをためらってしまうのは実にもったいないことです。
逆に、年に1度の日程が予め判っているような花火の音にだけパニックを起こしてしまうワンちゃんならば、その時だけ別な場所に連れて行っておくなどといった「回避策」で十分かもしれません。
ただし、その場合でも
「年に1回くらいだからいいだろう・・・」
と、パニックになってるワンちゃんを抱っこしたり優しくなぐさめたりするのは、やめておいた方がいいでしょう。
理由は「パニックになると指示が耳に入らないワンちゃん②」で、絶対にやってはいけないこととしてご説明したとおりです。
上記の選択基準を、飼い主さんご自身が色々と考え合わせた結果、どの方法を選択するのがワンちゃんとご家族にとって一番いいのか・・・
ということを考えてみてください。
繰り返しますが、個人的には若くて元気なワンちゃんならば、ぜひ愛犬と一緒に”苦手”を克服することにチャレンジしていただきたいと思います。
今よりもうんと幸せで快適な、ワンちゃんといつでもどこにでも行ける生活を夢見て・・・
ワンちゃんをパニックにさせない3つの方法のうち「回避法」については、説明はいらないと思いますので、次回からは「克服法」と「対処法」について、少し詳しくお話していきたいと思います。
いずれも、どのような内容かが判らなければ、実際にチャレンジできそうかどうかの判断もできませんものね。
・・・とゆーわけで、次回につづきま~~す!
<今日のPet Hotel 11!>
なんだなんだ?! 「チェ・・・またクラゲさんかぁ~」 ボス、危ないから触っちゃだめだよーー! |
ボスが夢中で遊んでいるのはサランラップの芯 珍しく”なつ”も興味を持って遊びたがってま~す |
ボス「ヘヘン!いいでしょ~?! ボクのだよ。誰にもあげないよ~」 |
チャコ「いらないよーだ。わたしはカメさんで 遊ぶんだも~ん♪」 |
ボス「・・・・いいなぁカメさん」 すぐに他の子のが欲しくなるボス(-_-;) |