前回のブログに引き続いて、
「ウチの子は、普段は『マテ』ができるのにパニックになると指示が耳に入りません。そういう場合はどうすればいいのでしょう?」
というワンちゃんに、どのように対処していけばいいかを考えていきたいと思います。
くどいようですが、とても大切なことなので、前回ブログでお話した大前提を復習しておきます。
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<パニック対策の大前提(復習)>
・パニックに陥った犬が指示を聞くことは不可能。パニックにさせない対応を!
・愛犬がパニックになる原因を把握しておくこと。
・愛犬が飼い主さんをリーダーだと認識していること。
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これを言い換えると、
飼い主さん:愛犬の行動パターンや個性をよく観察し理解しているリーダーである。
ワンちゃん:頼れるリーダー(飼い主さん)の下で安定した精神状態である。
という状態です。
上記の大前提が頭に入っていなければ、愛犬のパニック対策はうまくいきません。
つまり、
パニック対策には普段からの飼い主さんのワンちゃんへの接し方がとても大事で、突然パニックになったワンちゃんを一瞬で落ち着かせる魔法の呪文はないんだよ!
てことを肝に銘じておいてください。
【ワンちゃんのパニック対処法①】
「パニックにさせない対応」が必要なのは解ったけど、愛犬がパニックを起こさない(起こしにくい)子になるまでの期間は、どうすればいいの?
とりあえず今、目の前で起きてしまった愛犬のパニックにはどう対処すればいいの?
という疑問もあるでしょー?
・・・ってことで、今日はそういう時の対処法についてお話します。
●絶対にやってはいけないこと
理屈を理解していれば、絶対にやってはならないことだと解りそうなことなのに、意外と多くの飼い主さんがやってしまうことを以下に挙げました。
◇飼い主さんが慌てる
愛犬がパニックに陥ったとき、必死で「マテー!」「オスワリ!」「ポチッ!」「コラーッ!」などと叫びながらリードを強く引いたり押さえつけようとしたり・・・
やりがちぃ~~~!
ですよね?
でもこの行動、ワンちゃんの目にはどう映るかというと・・・
「あ!リーダーがパニックになってるっ!やっぱり大変な状況なんだ!わあわあどうしようどうしよう~~~!」
・・・と、こうです(^-^;
なんとゆーことでしょう!!
アナタ自身がパニックになっていると思われているなんて・・・悲しすぎますねぇ( ノД`)
乱気流でひどく揺れる飛行機の中で、客室乗務員が顔を引きつらせて金切り声で
「落ち着いて!落ち着いてぇ~~~~!!」
と慌てふためきながら叫ぶのを見て、アナタがどんな気持ちになるかを想像すれば、すぐにこのような行動がパニック対策として最悪だということがお解りいただけるでしょう。
ここで忘れないでいただきたいのは、飼い主さんの動揺の多くは、愛犬がパニックになる前から起きていることが多いってことです。
たとえば・・・
雷の音に怯えるワンちゃんの飼い主さんは、雷が鳴りそうな雲行きになった時点でもう
「ヤバいなぁ・・・」
とソワソワしています。
お散歩中に他のワンちゃんに会うとパニックになって吠えまくるワンちゃんの飼い主さんは、お散歩に連れ出す時点から
「ああ、どうか他のワンちゃんとすれ違いませんように・・・」
と不安になっていますし、遠くにそのワンちゃんを見つけると、愛犬が気づくより早くにドキドキして慌てふためいてしまったりします。
リーダーの動揺は必ずワンちゃんに伝わります。
それが愛犬のパニックを助長しているという自覚をぜひ持ってください。
◇飼い主さんがひどく叱る
これも、パニックを増幅させる原因になります。
パニックに陥っているワンちゃんの多くは、驚いたり怯えたりしている状態です。
そこに飼い主さんの威嚇が加わればそれはもうワンちゃんにとって・・・
地獄よ ジ・ゴ・ク!! (◎_◎;)
飼い主さんが慌ててしまうのと同様に、リーダーたる飼い主さんが非常に感情的になっている状態というのは、ワンちゃんにとって
「やっぱり今は非常時なんだーー!わあわあ怖いよぅ~~!」
と感じさせてしまうだけですから、感情的になること自体、絶対にやめてあげてくださいね~。
◇飼い主さんが優しく慰める
これが一番理解しにくいかもしれません。
何かに怯えてパニックに陥っているワンちゃんは、とても”いたいけ”で、人間としてはついつい
「お~~ヨシヨシ、どーちたのぉ~~?怖くなーい怖くなーい」
などと撫でたり抱っこしたりしてしまいますよね?
飼い主さんが、そうしたくなっちゃってるんですよね?
また、その場はワンちゃんが落ち着きを取り戻してくれるので、次の機会にもまたやっちゃいたくなりますよね?
んで、やっちゃいますよね?
また、こういう時に飼い主さんを頼ってすがりついてくるワンちゃんの姿が可愛いったらないから困ってしまいます(^-^;
このくりかえし、実は最悪の状態に愛犬をしつけていることになります。
ワンちゃんに「オスワリ」や「オテ」を覚えさせる時に、うまくできたらオヤツをあげたり褒めたりしますよね?
これは、ワンちゃんが喜ぶ”ご褒美”を与えることで、その行動を「強化」していることに他なりません。
「こうすると褒められるんだな♪」
とワンちゃんが覚えることによって、その行動を繰り返すようになるワケです。
これは、裏っ返してワンちゃん側から見ると、ワンちゃんが飼い主さんをしつけていることにもなるんです!
つまり・・・
「ボクがオスワリって言われて座ると飼い主さんがオヤツをくれるようにしつけたぞ!!」
ということになりますね。
では、何かに怯えてパニックを起こしたワンちゃんに、優しく慰めながら抱きしめたり撫でたりするという”ご褒美”をいつも与え続けているとどうなると思いますか?
「パニックになったボクを飼い主さんが抱っこしてくれるようにしつけたぞ!!」
ってなっちゃうのがお解りでしょーか?
そうなったワンちゃんは、ほんの些細な事でも怯えたりパニックになったりするようになります。
人間の子どもが、ママに甘えたくてウソ泣きするのと似ていますね。
ところが、子どももワンちゃんも、自分のその行動によって暗示にかかってしまいますから、怯えて見せているうちに、本当にその対象を恐れてしまうようになるというネジネジ現象が起きたりするんですーーー!
パニックになっている犬に飼い主さんが優しく接することは、星一徹もビックリの見事なまでの
「臆病犬養成ギプス」
だってことですね。
オーマイガッ!!Σ( ̄ロ ̄lll)
●パニックになった愛犬にどう接する?
上記の「絶対にやってはいけないこと」を踏まえれば、ワンちゃんがパニックを起こした時にリーダーたる飼い主さんがどのように振る舞えばいいかは想像がつきますね?
乱気流の機内で客室乗務員にどう振る舞って欲しいか?
を体現すればいいんです。
落ち着いて
毅然として
堂々として
情に流されない
リーダー!!
コレです(ザンッ♪)
なんて簡単なんでしょーーー!
具体的には、何かに怯えてパニックになっているワンちゃんのすぐ傍らでワンちゃんに寄り添い(決して触ったり抱っこしたりしないでね~)
「ぜ~~~~んぜん大丈夫。なに慌ててんの?おバカさんねぇ~ピープー♪ ドーーーンとまかしとけ~~!」
という態度を取っているだけでいいんです。
必死感を出して、ワンちゃんを更に不安な気持ちにさせるようなことはぜひ謹んでくださいね(^▽^)
さて、次回はワンちゃんにパニックを起こさせないための具体的な方法をお話したいと思います。
<今日のPet Hotel 11!>
ウリくん「なに?!」 |
ウリくん「このハンバーガーならあげないよ!」 |
ウリくん「ボクのなんだっ!!」 |
ウリくん「あげないよったら」 |
ウリくん「あげないよーーーだっ!」 ・・・いらないよ(-_-;) |
ウリくん「ボクのハンバーガー、チャコに とられちゃったぁ~~!」 |
ボス「言っとくけと・・・あのハンバーガーは ボクのなんだからねっ!!」 ウリくん「え~~~?はつみみぃ~~~(笑)」 |
夕方のおさんぽ みんながガン見しているのは リスさんで~~す♪ |
寒いけど、いい景色~~~~♪ |