先日、年に一度 動物取扱責任者に法律で受講義務が課せられている研修を受講してきました。
この講習が年に一度行われるのは、もちろん日頃から動物を取扱う仕事に従事しているわたしたち動物取扱責任者が知識を深め、日々の業務に生かすためでもあります。
でもそれ以上に大切な目的は、わたしたちが受講してきた内容や知識を広く飼い主さんにシェアすることだと思っています。
動物取扱者研修では、鳥やウサギといったペット全般に関わることを学びますが、今回は特に、ワンちゃんの飼い主さんに深く関わる内容についてお話したいと思います。
【大規模災害に備えて飼い主さんに知っておいてほしいこと①】
●被災した動物が最も望むこと
今回、研修講師としてお越し下さったのはNPO法人ANICE(アナイス)理事長 平井潤子さんでした。
平井さんは、ごく普通の主婦をしながら(財)日本盲導犬協会、(社)日本動物福祉協会、(財)日本動物愛護協会、三宅島噴火災害動物救援センターなどでのボランティア活動をしてきた方です。
新潟県中越大震災では、動物救済本部監事を務められ、
東日本大震災では、東京都動物救援センター 管理運営部門副センター長を務められました。
そんな中、彼女自身が痛感され、強く訴えておられたのは
「わたしたちは動物が好きなので、被災地に行くと動物のことばかりを考えてしまうけれど、動物たちにとってはぐれてしまった飼い主さんに会えた時の喜び、飼い主さんと再び暮らせる喜び・・・それに叶うことをわたしたちは動物にしてやることはできない」
ということでした。
「だから、一刻でも早く飼い主さんの元に戻してあげたいし、そのためには飼い主さんが元の生活に戻れるように一時的にわたしたちが動物のお世話をするんだと考えるようになった」
とのことでした。
その通りだと思いましたし、実際の被災現場をよくご存じの平井さんからお話を伺う貴重な機会を与えていただけたことを大変ありがたく感じました。
●今回のブログで触れる内容
たくさんの大規模災害の現場で実際に動物たちと飼い主さんたちを助ける活動に関わって来られた平井さんのお話には、とても説得力がありましたし、わたしたちにとって大変役に立つ、実践的な内容でした。
実は、つい先月このブログでも災害への備えと避難所での心得などについてお話したばかりです。
今回の研修で学んだことには、このブログで既に書いた内容も含まれていましたので、あえてここでは重複して触れないことにします。
【災害時】ワンちゃんと避難しよう!①
上記リンクは①のみですが、実際には(①~⑥)までありますので、ぜひお時間のある時にご一読下さい。
(ページ末尾の”新しい投稿”で次の記事に進めまーす)
今回のブログでは、過去の記事に書いていないこと、および 書いてあることの補足事項に限ってお話させていただきます。
●なるほど!(その1)マイクロチップはやっぱり大事
以前、わたしは災害時にはぐれたペットと再会するために、迷子札とマイクロチップの二重使いをお勧めしました。
その理由として、迷子札が外れたり汚れたりしてもマイクロチップがあれば身元が判明するというようなお話をしました。
それを読んで「ならば・・・」と絶対に外れないような頑丈な迷子札をつけて安心しておられる飼い主さんがいらっしゃるかもしれません。
けれども、今回の研修を受けて、マイクロチップの装着をより強くお勧めするべきだと感じました。
それは次のようなエピソードを知ったからです。
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ある飼い主さんが大規模災害に遭遇して愛犬とはぐれてしまいました。
心配した飼い主さんは毎日毎日 脚を棒にして愛犬を探し回っていました。
ある日、保護団体に該当すると思われるワンちゃんが保護されたという情報をキャッチして行ってみると、残念ながらそこにいたのは自分の愛犬とは似ても似つかない、まったく知らないワンちゃんだったそうです。
ガッカリして肩を落とす飼い主さん・・・
けれども後になって、そのワンちゃんはやっぱりその飼い主さんのワンちゃんだったというのです。
幸い、マイクロチップがついていたことで判明したんですね。
でも・・・どうして飼い主さんはせっかく再会できた自分の愛犬を知らないワンちゃんだと思ったのでしょう?
実は・・・想像を絶するほどの災害に遭い、ワンちゃんの姿が激変してしまっていたんです。
汚れていたとかそういうレベルではありません。
恐ろしい体験をし、飼い主さんとはぐれて不安な思いをしていたせいで、ワンちゃんの性格、そして表情までもが一変してしまっていたのです。
その飼い主さんが日頃からどんなにワンちゃんを可愛がっていたかは明白です。
決してお安くないマイクロチップを装着し、発災後は必至で愛犬を探し回っていたんですから・・・
「どんな姿になっていても、愛犬とよその犬の見分けがつかなくなるはずがない」
と思っていたこの飼い主さんは、自分が愛犬を目の前にしても判らなかった事実に大変なショックを受けられたことでしょう!
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大規模災害の影響で変わってしまうのは、愛犬の精神状態や表情だけではありません。
例えば
・感染症にかかって眼病になり、顔がスッカリ変わってしまった。
・他の野犬化した犬たちとのケンカで耳がちぎれてしまった。
・瓦礫の下敷きになり、片足(または両脚)を失ってしまっていた。
・火災に遭って被毛がすっかり焼けてしまった。
などといったことも十分にあり得るんです( ノД`)
精神的にも非常に不安定になっていることで、飼い主さんに名前を呼ばれても反応できない子もいれば、実際に耳が聴こえなくなってしまっている子もいるかもしれません。
そのくらい、大規模災害が小さなワンちゃんの精神と肉体に与える影響は甚大だってことなんですね・・・
やっとの思いで再会できた愛するペットが、肉体も精神もボロボロになって一番アナタを必要としている時に・・・
「いいえ、ちがいます。ウチの子じゃあありません」
と言って背中を向けて愛犬の元を去っていくご自身の姿を想像してみてくださいな!!
こういったことが現実に起きていることを知れば、やはり
マイクロチップはダイジダイジ!!絶対必要!!
そうは思いませんか?
大規模災害は常に、わたしたちの精一杯の想像力を軽々と超えてくるのだなぁ・・・
と、お話を伺って強く感じました。
長くなるので「なるほど!(その2)」は次回につづきます。
<今日のPet Hotel 11!>
朝の海岸さんぽ♪ お!何かイイもの見つけたかな? |
ああ・・・ボールかと思ったらまた・・・ |
クラゲさんかぁ・・・(チェッ) |
ワカメの季節がやってきました♪ 三浦海岸の朝どれワカメのお刺身は シャキシャキした歯ごたえでホントーに 美味しいですよ! |
海岸はとっても楽しいからテンション⤴ |
「ホラ、そろそろ帰るよ~~」 いやだぁ~~~~~ (ズルズルズルズル・・・・)(^-^; |
神社にお参りして・・・ |
さ、帰ってゴハンにしましょ(^▽^)/ |