2018年2月20日火曜日

パニックになると指示が耳に入らないワンちゃん①

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。



ブログをお読み下さっている、ゴールデンレトリーバーの飼い主さんから、次のようなご相談がありました。


「ウチの子は、普段は『マテ』ができるのにパニックになると指示が耳に入りません。そういう場合はどうすればいいのでしょう?」


あるある~~~ぅ!!


一番「マテ」が効いてほしい場面で効かないのは、まさに「マテ」の持ちぐされですね。


【ワンちゃんのパニック対処法(大前提編)】


●パニックにさせない


パニックになると指示が耳に入らなくなるのは、何もこのワンちゃんだけではありません。

他のワンちゃんだって、わたしたち人間だってそう・・・つまり当たり前のことなんです。

ですから、飼い主さんが心掛けなくてはならないことは


× 愛犬がパニックになっても指示が聞えるようなワンちゃんにする(←ムリ)

〇 愛犬がパニックにならないようにする


・・・ということを、まず頭に入れておいてください。



●原因の特定


愛犬がパニックになる原因について、皆目見当もつかないという飼い主さんは、まずそれをハッキリさせてください。

雷の音や花火の音、特定のワンちゃんといった原因の場合は比較的飼い主さんにもわかりやすいですね。

でも、人間にとっては何でもないような事柄が原因となってパニックを起こすワンちゃんの場合は、もしかすると

「急にどうしたのかしら~・・・?」

という感じで、その原因がわかっていないこともあるかもしれません。

でも、原因が判らなければ対策をすることができませんから、愛犬がパニックになった時の共通点をなんとか探り出してください。



●リーダーは誰だ?


ワンちゃんがパニックにならないようにするために、絶対にクリアしておかなくてはならない大前提があります。

それは、飼い主さんがワンちゃんにとって頼れるリーダーであるということです。

犬は群への帰属意識が大変高い生き物です。

ワンちゃんが、自分は頼れるリーダーの元で安全な立場にいると確信できていると、外からの刺激に対して過敏に反応することは減ります。

飼い主さんのことをリーダーだと確信できていないワンちゃんが室内飼いだった場合、次のような条件に合致すると、色々な物音に過敏に反応する傾向にあるようです。


・自分のハウスがない。

・家の中に立ち入ってはならない(禁止された)場所や、飼い主さんの許可なく入れる場所がなく、自由に歩き回っている。


上記のような状態に置かれたワンちゃんは、次のように感じています。


「自分がリーダーなんだ!縄張り(飼い主さんの家全体)とメンバー(飼い主さん家族)をしっかり守らなくっちゃ!」


そのため、家の中にいても気が休まることなく、宅急便やさんや郵便屋さんの気配や救急車の音などに、いちいち神経をピリピリさせているんですね。

こういった日常的な物音にいちいち反応してパニックを起こすワンちゃんには、


「この家のリーダーは飼い主で、家を守るのは飼い主に任せていればいい。キミは自分のハウスだけ守っていればいいんだよ~~!」


ってことを認識させてあげるだけで、スッカリ落ち着いてしまうこともあります。



●愛犬はアナタをリーダーだと思っていますか?


愛犬にリーダーだと認めてもらうには、理屈ではなく態度で示す他ありません。


「誰の稼ぎでメシが食えてると思ってるんだっ?!このハーネスだってリードだって洋服だって、誰が買ってやった?!あぁ?!」


みたいなことを言い聞かせたってムダってことね~~(笑)


リーダーとしてワンちゃんに認めてもらうために守るべきことはたっくさんありますが、一例として家の中でのルールを・・・


◇ハウスを決めよう


言うまでもなく、


「キミのテリトリーはココ(ハウス)だよ。この家全体じゃーないよ」


ってことを解らせるのに有効です。

これは何もリーダーである飼い主の権威を主張するためだけでなく、ワンちゃんの負担を軽減するという意味で必要なことです。

何かに驚いたり怖くなった時には、シェルター的な狭いハウスに潜り込むことで、ワンちゃんはとても安心することができますし、外敵から家全体を守ろうというプレッシャーから解放され、自分のハウスだけ守っていればいいからです。


◇立ち入り禁止区域を決めよう


これも、


「この家はリーダー(飼い主)のテリトリーで、キミが好き勝手に闊歩できる場所ではないんだよ」


ってことを解らせるために必要なことです。

実際に入られて困るか否かは関係なく、ダメな場所を明確にして守らせることで、リーダーはキミではないということを、ワンちゃんに解りやすくする効果があります。

部屋に限らず、例えばソファーの上に乗ることやベッドに上がることを禁止するなどでも同様の効果があります。


◇”見えないドア”を設定する


これも、立ち入り禁止区域と同じ効果を狙ったものです。

見えないドアっていうのは、例えばある部屋と別な部屋との境界のドアがたとえ開け放してあっても、飼い主さんの許可なく境界を超えることができないように教えておくことです。

これをきちんと教えておくと、例えば玄関のドアを開けたとたん、ウッカリ愛犬が外へ飛び出してしまった・・・というような失敗も防げます。


◇ワンちゃんを避けて通らない


家の中を飼い主さんが歩いて行く時に、その動線にワンちゃんが立ちふさがっていたら・・・

ハッキリ言って、ワンちゃんをどかすよりも、ワンちゃんをまたいだり迂回するなどして避けて通った方が早いので、大抵の飼い主さんはそうしてしまいます。

でも、本当は面倒くさくてもワンちゃんをどかして真っすぐ行った方がいいんです。

何故なら、犬の世界では目上の犬の動線を、目下の犬は決して妨げないからです。

リーダーが通ろうとしていることがわかったら、道を空けるのが本当だってことですね。

もしも、廊下に長々と寝そべっている愛犬を、アナタがどかそうして愛犬に怒られちゃうとしたら、その子はアナタのことをリーダーだと認めていないのは明らかです。




これら、家の中でのルールはすべて、言葉や理屈が通じないワンちゃんに、飼い主さんがリーダーだということを、解りやすくしてあげているのだとお考えください。


「ええ~~?そんな形式的なこと、本当に必要ぅ~?なんかよそよそしくてイヤだなぁ~」


と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

では・・・

毎日、


「この家のリーダーはキミじゃない。人間だよ。解るね?」


と愛犬を説得してみてください。

部屋でくつろぐ時には、自分は上座に、愛犬を下座に座らせてください。

どうでしょう?通じると思われますか?

残念ながら、それでアナタの愛犬がアナタをリーダーだと認めるとはとても思えません。


人間には人間の、犬には犬の、それぞれの行動様式(カルチャー)があって、それはまったく異なるということを忘れないでください。

ワンちゃんに

「リーダーは誰か?」

を教えるためには、犬のやり方(儀礼や形式)におけるリーダー像をやってのけなくては通じないってことなんです。



長くなりました。

今回お話した前提を踏まえて、次回につづきま~~す!




<今日のPet Hotel 11!>

久々にお預かりワンちゃんがいなかったので、お客様ワンちゃんがいると行けないようなお散歩コースへ行ってきたヨ!

ビーグルのMARUと一緒に交通事故に遭ったオバチャンのお見舞いにも行ってきたよ!

オバチャン、少し元気になっていて安心したね(^▽^)



岩場の探検♪

一番臆病なボスは、なぜかこういう細い道は
ヘッチャラ~~~♪

一方、ふだん恐れを知らぬ”なつ”やチャコは、
細い道はコワイんだってさーー(笑)
カワイイとこあるじゃーん♪

オバチャンのお見舞いへ。
病室から手を振ってくれたんだ~♪

お天気がいいから見晴らしサイコー!

やっぱりいつもの海岸もはずせない。

もう帰るよ~~~
「イヤダぁ~~~!もっと遊ぶぅ~!」

あ~~あ・・・
寒いのに海に入っちゃった(;´Д`)