2018年2月3日土曜日

保護犬販売店?!②

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。



前回のブログにつづいて、カリフォルニア州で成立した

「ペットの救済と養子縁組促進法」(AB485)

についてお話していきます。

うーむ・・・どうしても”AKB48”に見えてしまう (-_-;)


【激論を呼ぶAB485】


●反対派の声


今まで当たり前に行われていたペット流通業界のあり方が、根幹から変えられてしまうAB485は、当然のことながら業界関係者から猛反対を受けています

ロサンゼルスやサンフランシスコといったメジャーな都市があって、人口およそ3725万人にもなるカリフォルニア州では、子どもの数より犬の数が多いと言われているので、業界関係者が受ける影響もハンパない!ってワケです。

反対意見を唱えているのは主に、アメリカンケネルクラブ(AKC)、ペットの小売業協会、ペット産業関連組合などです。

彼らの言い分は以下の通り。


◇ペットショップに保護犬しかいなくなるこの法律は、消費者からペットを自由に選択する権利を奪っているやんけー!

◇悪質ブリーダーから仕入れができないのは仕方ないとして、良心的なブリーダーからの仕入れも禁止するなんて、良心的なブリーダーから仕事を奪うことになるやんけー!

◇保護施設から来た動物は、将来どのくらいの大きさに育つかや、どんな気質なのかということを引き取り手が予測するのが難しいから、結果的に飼育放棄につながるんちゃうんかーい!

◇こんな法律ができたら、必要な犬種が調達できなくなって仕方なく隣のメキシコやエジプトや韓国から、恐ろしい伝染病にかかった犬や寄生虫がいっぱいいる犬を連れて来るようになるぞ!
そんなことになってもいいんかーい?!


<参考>
アメリカンケンネルクラブHPの声明文

反対派ブリーダーの署名活動の主張



んもう・・・最後の主張なんか、”妄想”と”印象操作”による脅し・・・(笑)

ちなみに、この署名活動で集まった署名はわずか473票でした

少ないやんけ~~! (;'∀')



●問題も山積み


まあ、これだけドラスティックな法律の変更があれば、根強い反対意見が出るのも当然です。

法律ってーのはそもそも、”人間の人間による人間のためのきまり”です。

ですから、多くの法律は人間のよりよい暮らしのために作られているワケです。

この法律が画期的なのは、法律で優先されるはずの”人間様”コンビニエンス&ハッピーライフよりも、命と尊厳を虐げられているペットたちを守ることに重点が置かれているという点です。

こんな法律が成立したのも、もともとカリフォルニア州には愛犬家が大変多く、愛犬家の票が政治を動かすとまで言われている背景があるからでしょう。

けれども、そのカリフォルニア州には、それだけペット業界関係者も多くいるということになりますから、AB485が施行されることによって影響を受ける人はかなりの数に上ることが予想されますね。

例えば・・・

適切な環境でペットを繁殖していた優良なブリーダーが、ペットショップに卸売りをできなくなって、個人相手の商売しかできなくなれば、売上の見込みが立ちにくく、ブリーダー業では生活していけなくなるかもしれません。

ペットショップは、保護施設からのペットしか取り扱えなくなるので、

「タダで仕入れたペットを売るのに手数料以外の儲けを乗せることは道義に反するのでは?」

ということになって、結果的に収益に繋がるペット販売業ができなくなるかもしれません。


それ以外にも、想像もつかないようなことが起きる可能性は否めませんね。

それは、いいことかもしれないし、悪いことかもしれません。



【AB485 がわたしたちに問いかけていること】


●考えるきっかけ


それでも、わたしはカリフォルニア州で成立したこの法律に、スタンディングオベーションを贈ります。

恐らく、今までずーーっと


◇悪徳ブリーダーの取り締まり

◇ペットショップに悪徳ブリーダーからの仕入れをしないよう要請

◇安易に飼育放棄する飼い主に終生飼養を呼びかけ

◇悲惨なパピーミルやキトゥンファクトリーの現状を人々に伝え、保護活動への協力を要請


といったことを繰り返してきたにも関わらず、何も事態が改善しなかったのでしょう。

この法律はまるで


「好きな犬種が飼えない?だからなんなの?

子犬を大量生産して儲けることができなくなる?だからなんなの?

ペットショップなのにペットの売り上げが見込めなくなって、グッズでしか利益が出ない?だからなんなの?

別の商売を考えなくてはならない?だからなんなの?

ペットショップに子犬を見に行く楽しみがなくなる?だからなんなの?


じゃあ訊くけど・・・


そんなことのために、わたしたち人間は

生まれてから1度も狭いオリから出ることができずに妊娠と出産を繰り返し強制される母犬や、

生まれて間もなく母犬から引き離されてペットショップで見世物にされ、売れ残ったら捨てられてしまう子犬や、

なんの覚悟もなく『カワイイ♪』と安易に犬を購入した飼い主から日々虐待を受ける犬たちを

このまま放置していてもイイって思っているワケ~?」


というクエスチョンをわたしたちに突きつけているように思えてなりません。


もし、この問いに涼しい顔をして、

「別にいいじゃ~ん、色んなカワイイ犬が飼える方が楽しいも~ん♪」

と答えるような人は、一緒に人間社会で暮らしていくこともちょっと心配になるような人でしょう。

逆に、眉をしかめて

「それはダメよ~!だって可哀相じゃないのーー?!」

と答える人には、

「じゃあ、そうでなくなるためにアナタは何をするの?」

「えっと~・・・」

となるんじゃーないでしょうか?


ですからこの法律が、多くの難題や課題をはらんでいるとしても、まずはやってみることによって、多くの人がペットとの暮らしのあるべき姿あるべき社会の形を考えるきっかけになるという点で、大変な意義があると思っています。


実際に、この法律が発効する来年からカリフォルニアでどのようなことが起きるのか・・・

そして、その結果を踏まえて更にこの法律がどのような形に改正されていくのか・・・

ぜひみなさんも一緒に注目していきましょう。

場合によっては、世界中に広がりを見せるムーブメントになるかもしれませんよ~~!




<今日のPet Hotel 11!>

 
朝のお散歩
ぜーんぶキャベツだよ~!
美味しくな~れ 美味しくな~れ~

「ねぇ~ 開けて開けて~~~!」
はいはい(-_-;)

ホラ、開けたよ~~
ボス「いぢわるぅ~!ボール取ってよぅ~~!」
(笑)

Rくん「ハッ!!やめてよ。ウンチするとこ
撮らないでー!」
はいはい(-_-;)

んじゃ、コレで・・・
とってもいいウンチが出ました~♪
(本日2回目)