前回のブログにつづいて、「マテ」ができないワンちゃんについてのお話です。
【ワンちゃんの可能性(のびしろ)】
●苦手が多いKくん
飼い主さんにお許しをいただけたので、Pet Hotel 11!にお泊りしていたKくんの事例をご紹介させていただきます。
KくんがPet Hotel 11!にお泊りするのは今回が2回目。
初めてお泊りする際、飼い主さんはKくんのことを次のように仰っていました。
「金属のカチャカチャいう器が苦手なので、ごはんとお水の器はいつも使っているものを持参します」
「他のワンちゃんや特定の人が苦手で、お散歩中もワンワン吠えたり、すぐに家に帰りたがったりします」
「神経質で臆病なので、たぶんずっと自分のクレートに閉じこもっていると思います」
実際、Kくんは飼い主さんの仰る通りの子でした。
●1回目のお泊り
前回のお泊りは短かったので、Kくんは他のワンちゃんどころか、わたしたちに慣れるのが精いっぱいでした。
抱っこしても、早鐘のように打つKくんの心臓の音が
ドキドキドキドキ・・・・!
と手に伝わってきて、こっちもドキドキしちゃったくらい(笑)
ひたすら
「イイ子だね~。Kくんは頑張ってるよね~!」
と褒めて励ましていました。
お外やお散歩は大すきなのに、他のワンちゃんが苦手なために、お散歩中は常に神経を張り詰めて、他のワンちゃんに接近しようものなら遠くに逃げようと必死・・・せっかくのお散歩をあまり楽しめないようでした。
「もう少し、Kくんが犬生を楽しめるようになったらいいのにねぇ・・・」
お料理番とわたしは、そんな風に話していました。
Kくん1回目のお泊りは「マテ」どころじゃなかったんです。
●「マテ」ができないKくん
最初のお泊りから1年ほど経った、Kくん2回目のお泊りは、1週間近いものでした。
相変わらず、金属の器は苦手なので”マイディッシュ”を持参。
他のワンちゃんも知らない人も苦手というKくんでした。
お泊り初日、Pet Hotel 11!での最初のごはんは夕ご飯でした。
Kくん持参の”マイディッシュ”でごはんを用意し、
「マテ!」
けれども、Kくんは「マテ」ませんでした。
「マテ」と言うわたしに「ウウ~~・・・」と唸って、すぐにごはんを食べ始めてしまうKくんでした。
●飼い主さんとのメール
そこで、Kくんの飼い主さんにメールで
「ごはんの時に「マテ」をさせると、ちょっと怒って「ウー」と言いますが、おうちでは『マテ』はさせていないでしょうか?
『待たせず食べさせてほしい』ということならば、そのように致しますので、遠慮なくおっしゃってくださいね。」
と確認したところ、
「『マテ』は家でもまだできないことが多いので引き続きお願いできればと思います。」
とのお返事をいただきました。
まかせてチョンマゲ~~~~!(←古っ)
●苦手の克服
わたしたちは、せっかくなので1週間のお泊り中、ひとつでも多くKくんの”苦手”を克服させてあげたいと考えました。
Kくんの”苦手”をまとめると以下の通りです。
・「マテ」ができない。
・金属製のカチャカチャいう食器が”苦手”
・神経質で臆病なので、他の犬や知らない人が”苦手”でお散歩中ワンワンしてしまうことがある。
理想を言えば、すべて克服できるのが一番ですが、期間は1週間しかありません。
Pet Hotel 11!で一番大事にしているのは、飼い主さんと離れてお留守番しているワンちゃんが、できる限りストレスを感じることなく過ごせるお手伝いをすることです。
Kくんがまだわたしたちのことを全面的に信頼していない状況で、多くを求めすぎてしまって、Kくんにストレスを感じさせてしまっては本末転倒ですから、
「できるようになったらいいねぇ~♪」
くらいの気持ちでいました。
●金属の器
金属製の器が苦手なことは、そのままにしておいても まあ特に困ったことはありません。
でも、例えば災害時など、普段使い慣れた食器以外でごはんを食べなくてはならないような事態が起きた時に、災害のストレスに加えて「器がちがーう!」というストレスを感じなくて済む方がKくんにとって楽ですよね。
”苦手”なことは、できるだけ少ない方が「生きやすい」のは、ワンちゃんも人間も一緒です。
そこで、Kくんのお泊り2日目、わたしはKくんにステンレスの食器でごはんをあげてみました。
すると・・・
「なぁ~~~んだ!食べるぢゃ~~ん!!」
Kくん、すんなり食べました~~(笑)
飼い主さんへのご報告メールでそのことをお伝えしたところ、
「小さい頃から苦手なんだと決めつけてしまっていました。
他の事も そうかもしれませんね。。
とても勉強になりましたし、他の苦手と思っていた事も もしかしたら出来るようになるのかも?と楽しい気分にもなりました。
ありがとうございます ^_^」
とのお返事をいただきました。
●できたも同然
この、飼い主さんからのお返事を読んで、わたしたちは大喜びしました。
何故なら、”苦手”や”できないこと”が多いワンちゃんにとって、飼い主さんのこの”気づき”こそが何よりも大切なことだからです。
わたしの母(ボスの飼い主)もそうでしたが、愛犬の可能性の芽を勝手に摘み取ってしまって
「この子には無理なんだ・・・」
と、ワンちゃんの限界を飼い主さんが決めてしまっているケースがとっても多いんです。
教えてすぐにできる子もいれば、なかなかできない子もいます。
でも、その子に伝わるようなやり方を工夫して、根気よく付き合ってあげれば必ずできるようになる日がきます。
「この子には無理なんだ・・・」
ではなく、
「わたしたちにはまだ根気と工夫が足りないんだ・・・」
が正解だってことですね。
これこそが、ワンちゃんに「マテ」を教える一番のコツなんです。
アナタのワンちゃんは「マテ」ができますよ~~~!
できないって思っているのはアナタだけですよ~~!
ってこと。
飼い主さんご自身が、そのことに気づきさえすれば、もうKくんの「マテ」なんてできたも同然!
わたしたちができるところまでやって、コツをお話すればきっとおうちでしっかりと飼い主さんの指示で「マテ」ができる子になることでしょう。
実際、Kくんはお泊り中にちゃーんと「マテ」ができる子になりました。
以下の動画は、まったく「マテ」ができなかったKくんが、お泊り中に「マテ」をしている時の様子です。
待たされていることが不満で、「ウウ~~・・・」と唸りながら、けなげに待っている姿が本当に可愛いですねぇ(笑)
わたしの「マテ」の声が怖すぎて、多くの方にドン引きされてしまうかもしれないという懸念を抱きつつ・・・
でも、これも大切なコツのうちですから、
「お庭番、こええよ!」
のお声は甘んじて受けることとしまーす(^-^;
(わーん、本当はすっごく優しいのにぃ~~! ← 言えば言うほどウソっぽい)
次回のブログでは、わたしたちがKくんに「マテ」を教えた時のちょっとしたコツ(ってほどのことでもないけど)の詳しい解説と、今後のKくんに期待していることについてお話しまーす!
<今日のPet Hotel 11!>
元KDPの保護っ子 Kちゃん はじめてのお泊り(トライアル)で~す! がんばろーね!(^▽^)/ |
Kくん「お?なんだ?ルーキーか?」 ルーキーったって、 Kくんなんかよりうーんと犬生の先輩だよ~(笑) |
みるみる自信に満ちた表情と態度になっているKくん こんな風にパブリックの場所でクッションに 乗ってくつろぐようになるなんて・・・!! |
そばにボスがきても飛び退いたりしないのも、 大変な成長です(^▽^) |
昨日は怯えて近づくのを拒否していた波打ち際も 今日は「見つめる~~~!」(笑) 余裕だねぇ |
へへ、まあね~♪ ドヤ顔でましたーーー(笑) |
ひさしぶりにヒバ湯に浸かりました♪ チャコの皮膚は絶好調です! フッサフサやろ~~~?! |