2018年2月28日水曜日

パニックになると指示が耳に入らないワンちゃん(最終回)

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。




前回のブログに引き続いて、

「ウチの子は、普段は『マテ』ができるのにパニックになると指示が耳に入りません。そういう場合はどうすればいいのでしょう?」

というワンちゃんに、どのように対処していけばいいかを考えてきました。

きょうはその最終回です。


---------------
<パニック対策の大前提(復習)>

・パニックに陥った犬が指示を聞くことは不可能。パニックにさせない対応を!

・愛犬がパニックになる原因を把握しておくこと。

・愛犬が飼い主さんをリーダーだと認識していること。
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<パニック対策の3つの方法(復習)>

・回避法(パニックの原因を徹底的に避ける)

・克服法(パニックの原因に慣れさせ、完全に克服させる解決策)

・対処法(パニックが起きる前に飼い主さんが「フセ」→「マテ」と指示し落ち着かせる)
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<「フセ」の「完璧マスター」とは(復習)>

「フセ」と1回言われたら確実にフセできる。

・ごはんやオヤツといったご褒美を見せられなくても「フセ」と言われたらできる。

「フセ」と言われたらただちにフセできる。

「フセ」と言っていないのに(訓練中に)勝手にフセしない。

「フセ」と言っったらフセ以外のことをしない。(「オスワリ」「オテ」など)

・いつ、誰に「フセ」と言われてもできる。
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【コマンド「完璧マスター」の必要性】



ワンちゃんのパニック対処法で、「フセ」「マテ」「完璧マスター」が必要!!ってしつこくお話してきました。

でも、単に「できる」では どうしてダメなんでしょう?


「弁別刺激」と「刺激制御」


ちょっと専門的なお話になってしまいますが、できるだけ解りやすくお話してみますね。

ワンちゃんに限らず、人間でもアシカでもお猿さんでも・・・


「弁別刺激」Aに与えることによって → A特定の行動をするようにする


こういうことを心理学的には「刺激制御」と呼びます。

「刺激制御」のために与える刺激のことを「弁別刺激」って呼びます。


ワンちゃんのしつけに用いるコマンドは全て「弁別刺激」です。


「フセ」という「弁別刺激」を受ける → 「フセ」をする

「マテ」という「弁別刺激」を受ける → ジっと動かない(ことをする)


といった具合ですね。

つまり、ワンちゃんの「しつけ」が上手くいっているというのは、心理学的に言うと

ワンちゃんの「刺激制御」がうまくできている

という意味です。


これを踏まえて・・・



「できる」と「完璧マスター」の差


「フセ」「マテ」が単に「できる」だけではパニック対策には不十分で「完璧マスター」が必要な理由をお話しましょう。

「できる」 = 「刺激制御」不完全な状態
「完璧マスター」 =「刺激制御」完全にできている状態

です。

具体例を出しましょう。

「刺激制御」が不完全な状態の例


子ども(や夫?)に「早く片付けなさい」「今すぐよっ!」などと何度も何度も言っているのにぜんっぜん片付けない。

「んも~~~!何度言わせるの?!」

ってなる・・・

こういう場合は、子ども(や夫)への「片付けなさい」という「弁別刺激」による「刺激制御」が不十分な状態です。


「刺激制御」が完全にできている状態の例


お母さんに「止まりなさーーい!」と何度言われても止まらない子どもも、
妻に「ちょっと待ってよー!」と何度言われてもスタスタ行ってしまう夫も、

赤信号では自動的に止まる・・・!!

こういう場合は、赤信号という「弁別刺激」による「刺激制御」が完全にできている状態です。


認識さえできれば必ずやる


違いがお解りですか?

「刺激制御」が完全な状態になっていると、決められた行動をやるかやらないかに、刺激の強さや大きさは一切関係ありません

信号が赤だってことが認識さえできれば止まるんですからね。

赤信号がバカデカいものである必要も、まぶしいほど明るい必要も、たっくさん並んでいる必要もないんです。


ワンちゃんが


・コマンドを何度も何度も言わないとやらない。

・しまいには大きな声で怒鳴って叱ったりリードを引っ張らないとやらない。

・条件によってやったりやらなかったり(オヤツをチラつかせるなど)

・時と場合によってやったりやらなかったり(気分がノっているかどうかなど)


こんな状態では、イザって時になんの役にも立ちません・・・いや、むしろイザって時ほどなんの効力も発揮してくれません。

でも「刺激制御」が完全な「完璧マスター」になっていれば、ワンちゃんに認識できる程度の声で、たった1コマンドを出すだけで、ただちに必ずその行動をすることができるようになるってことです。


なんのためにしつけをするのか


今一度、何のためにワンちゃんをしつけるのかを考えてみましょう。

大きな目的はふたつ。

・周囲に迷惑をかけないため。

・ワンちゃん自身の身を守るため。

ですね。

いざという時に興奮して他の人やワンちゃんを傷つけてしまうのを制御できなければ・・・

いざという時にパニックになって飼い主さんを振り切って逸走し、行方不明になったり交通事故に遭うのを防げなければ・・・

一体なんのためにしつけをしているのか解らなくなってしまいますね。


「バーーーーンっ!!」

と言って撃つマネをするとひっくり返ってお腹を出す・・・というような”芸”であれば、調子がよければやるという程度でも構いません。

でも、安全に関わるコマンド

「オイデ」「マテ」「ダメ」「フセ」

などは、いわゆる”芸”とはハッキリと区別して、「刺激制御」を完全な状態に・・・つまり「完璧マスター」をぜひ目指したいものです。



【おまけ(チャコのこと)】


偉そうなことを言っているわたしですが、自分の愛犬チャコのしつけは、いまだ「完全マスター」には程遠い状態です。

元繁殖犬だったチャコを引き取って4ヵ月。

当初は環境に慣らすこと、不妊手術、健康状態を改善することに集中していたため、現在やっと本格的にしつけに着手したばかりです。

以下は「フセ」を教えはじめて2日目のチャコの様子です。
まだやっと「できる」ようになったかな?という状態で「完璧マスター」には程遠いですね。

(褒め方がオヤバカ丸出しなのは見ないフリしてください)






現在も、「フセ」がちょっとできるようになったと思うと、混乱して「オスワリ」ができなくなったり「マテ」が解らなくなったりと、よくある後戻り現象も見られ、一筋縄ではいきませんが、可愛いチャコのために、忍耐強く楽しみながらトレーニングして「完璧マスター」を目指していきたいと思います。



みなさん、一緒に頑張りましょう(^▽^)/




<今日のPet Hotel 11!>

三浦海岸は今、河津桜と菜の花が満開♪
京急の線路沿いにずーーーっと咲いてまーす!


日中は見物客でいっぱいだから、朝早く
おさんぽしてきたヨ!


貸し切り状態~♪


みんなも三浦海岸に遊びにおいでヨ!!


つくしんぼもいっぱい顔を出して・・・
もう春がきたんだねぇ~~~♪


ウリも来たんだよ~~~~ん♪


土の中に何かいるのかな?
早くお庭のクラピアが緑に色づかないかなーー!




2018年2月27日火曜日

パニックになると指示が耳に入らないワンちゃん⑧

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。




前回のブログに引き続いて、

「ウチの子は、普段は『マテ』ができるのにパニックになると指示が耳に入りません。そういう場合はどうすればいいのでしょう?」

というワンちゃんに、どのように対処していけばいいかを考えていきます。


パニック対策の大前提は、以下の通りでしたね?

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<パニック対策の大前提(復習)>

・パニックに陥った犬が指示を聞くことは不可能。パニックにさせない対応を!

・愛犬がパニックになる原因を把握しておくこと。

・愛犬が飼い主さんをリーダーだと認識していること。
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ワンちゃんをパニックにさせないために飼い主さんができる3つの方法

「回避法」「克服法」「対処法」

のうち、「対処法」でお勧めなのは

パニックを起こす前に「フセ」「マテ」で回避すること。

そのために「フセ」「マテ」「できる」だけではなく「完璧マスター」レベルにしておくことが必要だというお話をしてきました。



【前回の補足】



「オスワリ」を例にした「完璧マスター」の条件の中に


・「オスワリ」と言っていないのに勝手にオスワリしないこと。


という項目がありましたね。

これは、ワンちゃんが自由な時間に「オスワリ」することを許してはならない・・・なんていう意味ではもちろんありません。

あくまでも「訓練している時間に」ということです。


小学校の生徒たちが自由時間に歩くのは自由ですね。

でも、運動会の行進練習をしている時は「進め!イッチニッ!」という号令がない時に勝手に歩き出しては困ります。

それと同じことを言っているだけです。

例えば「フセ」の練習を繰り返している時、頭のいいワンちゃんは


「はは~ん、この姿勢をするとオヤツくれるんだな?」


ってすぐに気づきます。

だから、言われてもいないのに先回りしてフセちゃったりするんですが、それは違うとキッチリ教えなくてはなりませんよってことです。

ワンちゃんがオヤツが欲しい時にフセをして、それに反応して飼い主さんがオヤツをあげていたら・・・どっちがしつけられているんだかわかんなくなっちゃいます(^-^;



【コマンドの完璧マスター】


●まずは「できる」ようにする。


ここでは、パニック対策にわたしがお勧めしている「フセ」を例にとってお話します。

あえて「フセ」の姿勢を覚えるまでの訓練方法そのものには触れません。

あまりにも多くの方法がありますし、ワンちゃんの個性や体格によっても最適な方法が違うからです。

ただ、どんな方法で教えるにしても、

訓練が、ワンちゃんと飼い主さんにとって「すんごく楽しみな時間♪」になるようにして下さい。



●訓練を楽しい時間にするために



◇「フセ」がうまくできないからといって罰を与えない


訓練中に、もしもワンちゃんがイライラして飼い主さんに咬みつこうとしたりすれば、もちろん叱らなくてはなりません。

でも「フセ」をなかなか覚えないからといって叱っていたら、ワンちゃんは訓練そのものがイヤになってしまうに決まってますよね~?

「フセ」ができていない時には、ご褒美をあげないことや、固い表情、「ちがう」と言うなどで、できていないことがワンちゃんにきちんと伝われば十分です。


◇訓練は毎日 短時間ずつ


訓練は短時間で構いませんから、毎日 行(おこな)って反復させてください。

むしろ、1回の訓練が15分以上にならないように気を付けてください。

それ以上時間をかけるとワンちゃんの集中力が切れます。

集中力が切れると失敗しやすくなります。

失敗するとワンちゃんも飼い主さんもフラストレーションが溜まります。

その不穏な空気にワンちゃんは耐えられなくなっちゃいます。

また、時間が長すぎるとワンちゃんは飽きて、訓練に嫌気がさしてしまいます。


◇訓練期間はご褒美をセーブ


たとえば、訓練のご褒美にオヤツを使うのならば、少なくとも訓練している期間は、訓練時以外は一切オヤツをあげないというのも効果的です。

訓練=オヤツの時間~♪

そうなれば、ワンちゃんにとって訓練の時間は待ち遠しい時間になること間違いなしですね!


◇終わりよければ・・・


訓練の最後は、かならず成功して褒めちぎられて終わるようにします。

当たり前のことですが、うまくできていないのに褒めてはダメです。

もし「フセ」がうまくできなくて、でももう切り上げなくてはならない・・・というような時には、確実にできる「オスワリ」などをさせ、

「よくできたねぇ~~~!!」

と褒めちぎって訓練タイムをおしまいにします。

そうすれば、訓練の時間にいいイメージが残るので、明日の訓練もまた楽しく行うことができます。



●「できる」→「完璧マスター」へ


ワンちゃんがある程度「フセ」をできるようになり、例えばごはんの前に「フセ」と言うとするようになったとします。

「ヤッタァーーー!」

と、ここで訓練をやめてしまうと「完璧マスター」には至りません。

ここからが本当の正念場です。

「フセ」の出来栄えのハードルを、ワンちゃんの様子に応じて高くしていきます。

どのタイミングで、どのくらいハードルを高くするかは、飼い主さんがワンちゃんの様子を注意深く観察して判断するしかありません。


●ハードルを高くする方法は単純


ハードルを上げていく方法はいたって単純なものです。

例えば、

何度か「フセ」と言い続けるとフセをするワンちゃんの場合、「できる」ようになるまでは、それでもご褒美をあげます。

これをハードルUP!



「フセ」と1回言ってフセをした時しかご褒美をあげないようにする。


「フセ」と言ってしばらくしてからノソノソをフセをするワンちゃんの場合、「できる」ようになるまでは、それでもフセができたらご褒美をあげます。

これをハードルUP!



「フセ」と言って心の中で10数える間にフセをした時しかご褒美をあげないようにする。
(カウントする数10→7→5という風に少しずつ減らしていく)


・・・といった具合です。

簡単でしょ?

ここでつい

「ん~~惜しい!でもまあ頑張ってるし、いっか♪」

って例外を作ってしまってはいけません。

それが理解できるのは人間だけ。

ワンちゃんはかえって混乱してしまうので可哀相ですヨ!!



さて、前回の復習です。

「フセ」「完璧マスター」とはどういうことを言うでしょう?

----------------
・「フセ」と1回言われたら確実にフセできる。

・ごはんやオヤツといったご褒美を見せられなくても「フセ」と言われたらできる。

・「フセ」と言われたらただちにフセできる。

・「フセ」と言っていないのに(訓練中に)勝手にフセしない。

・「フセ」と言っったらフセ以外のことをしない。(「オスワリ」「オテ」など)

・いつ、誰に「フセ」と言われてもできる。
----------------

ということですね。



そもそも、ワンちゃんにコマンドを覚えさせる時に、どうしてここまで完璧さを求めるんだと思いますか?


長くなるので、つづきは次回にしまーす!




<今日のPet Hotel 11!>

コラーーーッ!!
絡まってるっちゅーーの!(;´Д`)

「お庭遊びするよーー!」
っていう時のこの光景が大好き♪

トリミングホヤホヤのお二方
あんまり転げまわったりしないでね~~
ムリか・・・(^-^;

ハーバーライトが朝日ぃ~に変わ~るぅ~♪

その時ぃ~ 1羽の~

カモメぇ~がぁ~
飛ぉ~~ん~~~だぁ~~~~~!!

え?古すぎて解らない?(-_-;)

いいなぁ カモメさん・・・(はぁと)







2018年2月25日日曜日

パニックになると指示が耳に入らないワンちゃん⑥

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。





前回のブログに引き続いて、

「ウチの子は、普段は『マテ』ができるのにパニックになると指示が耳に入りません。そういう場合はどうすればいいのでしょう?」

というワンちゃんに、どのように対処すればいいかを考えていきます。


パニック対策の大前提の復習でーす↓

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<パニック対策の大前提(復習)>

・パニックに陥った犬が指示を聞くことは不可能。パニックにさせない対応を!

・愛犬がパニックになる原因を把握しておくこと。

・愛犬が飼い主さんをリーダーだと認識していること。
---------------


ワンちゃんをパニックにさせないために飼い主さんができる3つの方法

「回避法」「克服法」「対処法」

のうち、「対処法」に欠かせないとわたしが考えることがいくつかあります。

前回「フセ」「マテ」を覚えさせることをお勧めするとお話したのも、そのひとつです。

では何故「フセ」「マテ」が大事なんでしょう?


【「フセ」と「マテ」を勧める理由】


●「オスワリ」ではなく「フセ」


ワンちゃんがパニックになった時に困ってしまうのは、


興奮して激しくワンワン吠えたり・・・

飛び掛かって行こうとしたり・・・

逃げ出そうと暴れたり・・・


という問題行動をされてしまうからですよね?

これらは「オスワリ」では封じられません。

何故なら、ワンちゃんは「オスワリ」したままワンワン吠えることが可能ですし、オシリさえ上げればすぐに飛び掛かったり走り出したりできてしまうからです。


◇「フセ」は吠えにくい体勢


「フセ」の体勢で吠え続けているワンちゃんを見たことがありますか?

あんまりイメージが湧かないですよね?

そう、「フセ」をさせるとワンちゃんはまず吠えるのをやめます。

ワンちゃんは、吠え続けることで自ら興奮状態を高めてしまって、何も耳に入らない状態に陥ってしいます。

つまり、ワンワンするのはパニックに油を注ぐようなものです。

ですから、ワンちゃんが吠えにくい「フセ」の体勢を取らせることは、パニック対策に大変役に立つんです。


◇「フセ」は急に動けない体勢


更に、オシリさえ上げればすぐに臨戦態勢に入れる「オスワリ」と違って「フセ」の体勢は、立ち上がるのが一拍遅れますね?

ですから、犬界では「フセ」の体勢は”服従体勢”なんです。

服従体勢とは、

「参りました」「あなたに敵意はありません」「私はあなたに従います」

ということを表す体勢です。

お腹を見せる体勢が意味する

「降参です!許してください!」

の次に従順さを示している体勢が「フセ」なんですね。


ワンワン吠えながらアタフタと動き回ることをしないで、黙って地面にお腹をつけて服従体勢を取ることで、自然とワンちゃんは落ち着き、飼い主さんの指示に耳を傾けることができる状態になるというワケです。


ドッグランなどでワンちゃんをよく観察していると、さんざん走り回った後、休憩したい時に、お腹を地面につけて「フセ」をしている光景をよくみかけます。

これは、熱くなった身体を物理的に冷やすと共に、興奮しすぎた自分の頭を冷やすという目的もあるんです。

ですから、追いかけっこしている相手がいる場合に、

「ちょっとタイム!休憩させて!」

「キミもちょっと落ち着いてよ」

ということを相手のワンちゃんに伝えたい時にも、あえて「フセ」の体勢をして見せます。

そういう意味で、「フセ」はワンちゃん自身が最も冷静沈着になれる体勢なんです。



覚えさせたいでしょ~~~~?!



●「やめさせる」か「させる」か


もうひとつ、「フセ」をお勧めする理由があります。

それは、「何かをやめさせる」より「何かをさせる」しつけの方が簡単だということ。

ワンちゃんにしつけをする際、「オスワリ」「オテ」のように、「何かをする」ことを教えるのは、割と簡単ではありませんか?

何故なら、飼い主さんにとっては教えやすく、ワンちゃんにとっては覚えやすいからです。


◇教えやすさ


しつけで大切なのは、成功した時に褒めるタイミングです。

「何かをさせる」場合は、してほしいことをワンちゃんがした瞬間に褒めるだけでいいんですから、よっぽどボンヤリしている人でなければ簡単にできます~(笑)

そして、飼い主さんとしては「お願い!オスワリしてちょーだい!」と祈るような気持ちでしつけていますから、ワンちゃんがオシリを床につけた瞬間、心の底から喜んでワンちゃんを褒めちぎることが自然にできます。


◇覚えやすさ


ワンちゃんの側から見ても、「オスワリ」って言われた時にオシリを床につけたらメチャクチャ褒められた!!

ってゆーのは、ものすごーく単純で覚えやすいことです。

うまくできた時に、オヤツをもらえたり飼い主さんがとっても嬉しそうな顔をして褒めてくれるんですから、んも~~何度でもやっちゃう♪

って気持ちにもなりますね。



これに対して・・・「何かをやめさせる」しつけは、飼い主さんにとっては教えにくく、ワンちゃんにとっては覚えにくいんですね。


◇教えにくさ


そもそも「何かをやめさせる」時ってゆーのは、飼い主さんにとって不都合な、やってほしくない行動をワンちゃんがしている時です。

来客中にワンワン吠えたり、拾い食いをしたり、家具をかじったり、オシッコシートを引き裂いたり・・・といったことですね。

飼い主さんは「んも~~!!」って怒っていますから、「ダメッ!」とか「ノーッ!」とか言う中止のコマンドを出して叱るでしょう。

で・・・ワンちゃんが困ったことをやめたら?

どうしますか?

「やめろ」と言って「やめた」んですから、褒めないといけませんね?

でもここで、すんごく迷いませんか?


「今褒めたら、その前にやっていたイタズラを褒められたと勘違いしちゃうんじゃーないかしらん?」

「何がいけなかったか、ホントにこの子に伝わったのかしらん?」


ってな感じで心配になりますよね?

その上、ワンちゃんがしでかしたことに腹を立てている状態ですから、飼い主さんは急に心の底から褒めちぎるほど器用に気持ちを切り替えられません。

そのため、多くの場合、ワンちゃんが飼い主さんの指示でちゃんと困った行為をやめたにも関わらず、絶妙のタイミングで褒めるという大事なことがうまくできないんです。

なんとな~~~く不穏な空気になり、ワンちゃんはバツの悪そうな顔をして、引きちぎられたクッションを忌々しそうに見つめる飼い主さんを上目遣いで見ている・・・

みたいな感じでその場は終わってしまうわけですね。


◇覚えやすさ


当然、ワンちゃんにとっても突然叱られたのは何故なのか?が非常にわかりづらいです。

ワンちゃんが独りお部屋で・・・


イェーイ!!オシッコシートビリビリぃ~~~~~♪


って遊んでいたら、メチャクチャ不機嫌な飼い主さんがやってきた!


なんか怒ってる・・・なんだろう??

はしゃぎすぎだから?

呼ばれたのにボク、気づかなかったのかな?

オシッコシートの破片を食べちゃったのがダメだったのか?


混乱しながら、とにかく怒っている飼い主さんに許してもらいたいと、そればかり考えています。

そこで、静かにオスワリして上目遣いで飼い主さんを見つめてみても、一向に飼い主さんから褒めてはもらえません。


・・・なんだったんだ?飼い主さん、もしかして便秘か?!


ってな感じで終わってしまいます(意味ないぢゃ~~~ん)



パニックなどの困った行動を「やめさせる」ということが、いかに難しいか、ご理解いただけたでしょーか?

それに加えて、パニックを「やめさせる」ためには、ワンちゃんがパニックを起こしてから指示を出すことになりますね?


んなもん・・・・聞こえないっちゅーの (-_-;)


ワンちゃんがパニックを起こしそうなタイミングで「フセ」をさせ「マテ」で服従体勢を維持させることによって、パニックが起こせないようにしてしまうのが味噌なんです!



このようにして、困った行動を別の両立し得ない行動をさせることによって封じ込めるやり方を「対立行動法」って呼びます。


ようちえんの先生が、子どもたちを静かにさせたい時に

「静かに~~!黙りなさ~~い!」

と声を張り上げて、今していることを「やめさせようとして」も、テンションMAXのキッズはなかなか静まりません。

ところが、

「お口チャックして~~~♪」

と、キッズに別なことを「させる」ことによって静かにすることは簡単です。

「お口にチャックする」という行動は「お喋りする」という行動と両立しないからですね。


ワンちゃんに「フセ」をさせた状態を「マテ」でキープすることは「パニック状態」とは両立し得ない行動だから、とっても有効なんです。



長くなってしまいました。

つづきはまた次回にしまーーす!




<今日のPet Hotel 11!>

朝の海岸さんぽ♪

よく走って・・・

上手に歩いて・・・

全員、快便♪

ボス「チャコはどうしていっつもボクを枕に
するわけ~?」

チャコ「そりゃ、ボスが大好きだからに
決まってるじゃない!」
ボス「そっかぁ~~~~~~~♪」

単純く~ん(-_-;)





パニックになると指示が耳に入らないワンちゃん⑦

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。




前回のブログに引き続いて、

「ウチの子は、普段は『マテ』ができるのにパニックになると指示が耳に入りません。そういう場合はどうすればいいのでしょう?」

というワンちゃんに、どのように対処していけばいいかを考えていきます。


パニック対策の大前提は、以下の通りでしたね?

---------------
<パニック対策の大前提(復習)>

・パニックに陥った犬が指示を聞くことは不可能。パニックにさせない対応を!

・愛犬がパニックになる原因を把握しておくこと。

・愛犬が飼い主さんをリーダーだと認識していること。
---------------


ワンちゃんをパニックにさせないために飼い主さんができる3つの方法

「回避法」「克服法」「対処法」

のうち、「対処法」について、「フセ」「マテ」が大事だと言うお話をしましたね。


さて、飼い主さんが頑張って「フセ」を教え、できるようになったと仮定しましょう。

「対処法」一番大事なポイントは、ここからですヨ!



【「フセ」の持ちぐされ】


以前、”「マテ」の持ちぐされ”という言葉をこのブログで使いました。

コチラ→ 「マテ」のできないワンちゃん(最終回)

実は「フセ」持ちぐされている飼い主さんが大変多いんです。


特に、パニック対策として「フセ」「マテ」を使うのであれば、単に

ある種の芸のように「フセ」「マテ」ができる

というだけではぜんぜん足りません。

そこで、今回は「フセ」「マテ」のコマンドを使ってパニック対処する方法と、それを実践するには何が必要か? というお話をしたいと思います。


【「フセ」と「マテ」によるパニック対処法】


●やり方はとっても簡単


方法自体は至極単純で簡単なものです。

ワンちゃんがパニックを起こしそうな状況になったら、パニックになる前に「フセ」と言ってフセさせ、「マテ」と言ってその体勢を維持させます。

ワンちゃんがパニック状態になってしまってからでは指示が聞えませんから、パニックを未然に予防するわけです。

ジっと「フセ」ができていたら、たっぷり褒めてあげ(←忘れないでっ!)飼い主さん自身も堂々としたリーダーの振舞いで、そばについていてあげます(抱っこは禁物!)


パニックの原因が匂いや音であれば、ジっとフセている間にワンちゃん自身がそれに慣れることができますね。

パニックの原因が、お散歩中にすれ違う他のワンちゃんであれば、それをやり過ごせば、もうパニックの心配は去ったということになりますね。


その繰り返しをすることで、ワンちゃんは次のことを理解します。


「怖いことや苦手なことがあっても、リーダー(飼い主さん)の指示に従っていれば何もキケンなことはないんだ!」



●パニック対処法がうまくいくと・・・


パニック対処法がうまくいくことによって、


・ワンちゃんの毎回のストレスを軽減してあげることができる。

・ワンちゃん自身の”苦手”の克服に繋がりやすい。

・飼い主さんを頼もしいリーダーだと認めるようになり、関係がより良いものになる。


というたくさんのメリットがあることが解って・・・


ワクワクするやろ~~~~?!



なーんだ、パニックになる前に「フセ」「マテ」をするだけなんて、簡単ぢゃーん!


でも・・・本当に簡単でしょうか?(そうは問屋が卸しません)



【コマンドを完璧マスターさせよう】


●「できる」と「完璧マスター」は違う


ワンちゃんに覚えさせたコマンドを実践に生かすには、それをワンちゃんに「完璧マスター」させていることが重要です。

これね・・・ほとんどの飼い主さんがご存じないのではないかと感じています。

とても大切なことなのに知らない飼い主さんが多いのは、もしかするとトレーナーさん業界で秘密にされているのか・・・?と感じるほどです(んなわけないかー)

「オスワリ」「フセ」「マテ」「オイデ」などといったコマンドが「できる」ワンちゃんはたくさんいます。

でも、「完璧マスター」しているワンちゃんはものすごく少ないんです。

特に、パニック対策として「フセ」「マテ」を活かしたいなら、このふたつのコマンドを「完璧マスター」させることは絶対に外せないポイントになります!


●コマンド「完璧マスター」チェック


お宅のワンちゃんが、そのコマンドを「完璧マスター」しているかどうかをチェックしてみてください。

以下の項目にひとつでも当てはまってしまえば「完璧マスター」とはいえないレベルです。

※多くのワンちゃんができている「オスワリ」を事例にして設問を作りました。


・「オスワリ」と2~3回言わないとしないことがある。

・ごはんやオヤツをもらえる時以外は「オスワリ」と言っても聞えないフリをすることがある。

・「オスワリ」と言ってから実際にするまでに間が空くことがある。

・訓練の時間に、飼い主さんが言っていないのに勝手に「オスワリ」する。

・「オスワリ」と言っているのに、勝手に他の事(「オテ」や「オカワリ」など)までする。

・飼い主さん以外の人に「オスワリ」と言われたらオスワリできない。


●コマンドの「完璧マスター」とは?


ちょっとわかりづらいかもしれませんが、ワンちゃんが次のような状態になって初めてコマンドを「完璧マスター」していると言えるんです。

※やはり「オスワリ」を例にします。


・「オスワリ」と1回言われたら確実にオスワリできる。

・ごはんやオヤツといったご褒美を見せられなくても「オスワリ」と言われたらできる。

・「オスワリ」と言われたらただちにオスワリできる。

・「オスワリ」と言っていないのに勝手にオスワリしない。
(自由にしている時間に勝手にオスワリすることは問題ありません__後ほど詳しくご説明します)

・「オスワリ」と言っったらオスワリ以外のことをしない。(「オテ」「オカワリ」など)

・いつ、誰に「オスワリ」と言われてもできる。



さて、お宅のワンちゃんは、「オスワリ」できるだけですか?それとも「完璧マスター」していますか


パニック対処法に必要なことは「フセ」「マテ」「完璧マスター」です。
ぜひ、それを目指してみませんか?



長くなるので次回につづきま~す!




<今日のPet Hotel 11!>

ボク、ボスじゃないよ!Rくんだよ!

夏に13才になる、ボスの大先輩なんだよ~!

なのに”なつ”は勝手にボクのお部屋に
ずかずか入って来たりして・・・
ボクへのリスペクトがぜんぜん感じられないヨ!

ああ~もう~~!ボス、キミもかい?
ボクの大事なブランケットに
乗らないでったら~~!
(ゴメンねRくん・・・(^-^;)

ウリだよ~~ん!
いつもお庭で跳んだり走ったりしてる写真
ばっかりだけど、お散歩ではこんなに
おりこうに歩けるんだからねっ!!
(たまに引っ張るけどね~・・・)

あ!おんまさんだっ♪
波打ち際をすごいスピードで駆けるんだよ!

Σ(゚□゚;)!!??

あ、あ・・・あっ・・・
(流木が波にさらわれるかと、思わず
おいかけるボス)

あ~~~~あ(;´Д`)
まだお水が冷たいのに・・・
まんまと誘われるままに入っちゃったのね~~





2018年2月24日土曜日

パニックになると指示が耳に入らないワンちゃん⑤

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。




前回のブログに引き続いて、

「ウチの子は、普段は『マテ』ができるのにパニックになると指示が耳に入りません。そういう場合はどうすればいいのでしょう?」

というワンちゃんに、どのように対処していけばいいかを考えていきます。


パニック対策の大前提は、以下の通りでしたね?

---------------
<パニック対策の大前提(復習)>

・パニックに陥った犬が指示を聞くことは不可能。パニックにさせない対応を!

・愛犬がパニックになる原因を把握しておくこと。

・愛犬が飼い主さんをリーダーだと認識していること。
---------------

ワンちゃんをパニックにさせないために飼い主さんができる方法は以下の3つでしたね。

「回避法」「克服法」「対処法」

です。

回避法は説明が不要だと思いますので、克服法対処法について、内容を詳しくお話していきます。


【ワンちゃんのパニック克服法】


●苦手なものに慣らし、平気になってもらう


特定の音に怯えてパニックを起こしてしまうワンちゃんの克服法について、具体的にどのようにすればいいかを詳しくお話すると見せかけて

じ・つ・は・・・・

以前、このブログでこのことについては、大変具体的にお話しているんで~~す!

コレです→「特定の音に怯える③」

ぜひご一読くださいませ!


パニックの原因が”特定の音”以外のものでも、基本的にやり方は同じです。

ワンちゃんが苦手なものに、あえて何度も向き合わせることで、マヒしてしまうくらいに慣らしてしまうんですね。


ちょっと想像してみてください。

おばけ屋敷で、上からビヨヨ~~ン!!って生首が下りてきたら

「ギャアアアアーーッ!!」

ってパニックになりますね。

でも、何度も何度もその生首が

ビヨヨ~~ン!!ビヨヨ~~ン!!ビヨヨ~~ン!!ビヨヨ~~ン!!!

・・・って下りてきたらどうですか?

「ギャアアアーーッ!!」

「きゃああーっ!」

「きゃあ・・・」

「き・・・っって、もうエエわっ!!」(ザンザン♪)

ってなりますよね?

ま、そういうことです(←どういうこと?)


苦手な音に限らず、克服法を行う時に以下は共通です。


・飼い主さん自身が落ち着いて毅然とした態度でそばにいてあげること。

・パニックを起こしてもキケンがワンちゃん自身や周囲に及ばないよう、リードをつけて行うこと。

・周囲にあぶないものがない状態にしておくこと。

・苦手な状況でも、ワンちゃんが吠えたり暴れたりしないで落ち着いていられたら褒めちぎること。


ワンちゃんが完全に苦手な刺激に慣れてしまうまで、この訓練をくりかえし行いましょう。


更に、注意点とコツを付け加えるなら、


・ワンちゃんの体調がいい時に行いましょう。

・お散歩や運動などで、十分にエネルギーを発散した後の時間に訓練を行いましょう。


エネルギーが有り余っていると、パニックも派手なものになってしまいます。

お散歩や運動で十分に発散した後は、ワンちゃんが精神的に最も落ち着いてゆったりしている時なんです。



【ワンちゃんのパニック対処法】


●ぜひ覚えておきたい「対処法」


ワンちゃんがパニックになる原因を克服してしまうのが一番ですが、克服させるほどに繰り返し苦手な状況を作るのが現実的に難しい場合もありますね。

たとえば、お散歩でたまーにすれ違う特定のワンちゃんを怖がってパニックになる場合などは、

「あのぅ・・ウチの子がパニックになるのを克服させたいので、何度も何度も向こうからこちらに歩いて来てはいただけませんか~~?」

なーんて、なかなか頼めません。

そういう場合はこの「対処法」をぜひお試しください。

もちろん、克服したかったけれど、克服までは至らなかったというワンちゃんにも有効な方法です。

もっと言えば、今まで飼い主さんが気づかなかった”何か”に突然愛犬が怯えてパニックになりそうな場面に出くわした時にも、この「対処法」をしっかり身に着けておくことで、問題が大きくなるのを防ぐこともできます。

つまり、この「対処法」ある意味オールマイティーなんです。


●一貫性のある対応を!


アナタは、興奮してしまった愛犬を落ち着かせたい時に、どんなコマンドを使っていますか?

実際、お散歩をしている時にギャンギャン吠えてしまうワンちゃんの飼い主さんを見ていると、コマンドらしきコマンドを使っている人はあまり多くありません。


「コラ!」「ダメッ!」「〇〇!(名前)」「NO!」「いけないっ!」「あ~~も~~~う!」「すみませ~~ん!(周囲の人に)」


などと、色々な言葉をかけながらグイグイとリードを引いている方がほとんどです。

きちんとコマンドを使っている場合でも、よくて

「オスワリ」「マテ」

でしょうか。

ま、ワンちゃんが従っているのを見ることはほとんどありませんが・・・(-_-;)


まず、ワンちゃんが困った行動をするのをやめさせるコマンドを統一しましょう。

そして、余計なことを言わずに、落ち着いてそのコマンドだけを発するようにして下さい。


●お勧めは「フセ」と「マテ」


パニックになってしまうワンちゃんに、どうしてもコレだけは覚えさせておいた方がいいと思うコマンドは

「フセ」と「マテ」

です。

Pet Hotel 11!でお預かりするワンちゃんを見ていて感じるのですが、

「オスワリ」はほとんどのワンちゃんができます。

「オテ」も、言ってもないのにごはんの前に大慌てでやってくれるワンちゃんがいます(笑)

「マテ」もわりとできるワンちゃんが多いです。

問題は「フセ」

意外と「フセ」ができないワンちゃんが多いんですね。


個人的に、競技などに出場するワンちゃん以外は、むしろ「オスワリ」ができなくてもいいから「フセ」の方を覚えさせた方がいいと思っているくらいです。


どうして「フセ」を教えることをお勧めするかというお話をしたいのですが、長くなってしまうので、次回にしたいと思いま~す!




<今日のPet Hotel 11!>

Rちゃん、お散歩でもワンワンをガマンして、
おりこうに歩けました!エラーイ(^▽^)/

Sくん、朝も夕方もいいウンチをして、大きなAくんと
ずーーーっと寄り添って仲良くしていました。
エラーーイ(^▽^)/

なつ・・・Aくんをガン見しすぎ(-_-;)
大仏さんじゃーないんだからね・・・
Cくん、お庭遊びしてま~す!



ワチャワチャワチャワチャ

海は初めてなんだって!
興味津々だったね(^▽^)

我が家にやってきてもうすぐ3か月になるチャコ。
現在「フセ」の練習中でーーす!

ワカメの季節になりました♪
朝採れならぬ「朝拾いワカメ」
ショウガ醤油でいただくと、歯ごたえがシャキシャキして
もうやめられない止まらない!






2018年2月23日金曜日

パニックになると指示が耳に入らないワンちゃん④

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。



前回のブログに引き続いて、

「ウチの子は、普段は『マテ』ができるのにパニックになると指示が耳に入りません。そういう場合はどうすればいいのでしょう?」

というワンちゃんに、どのように対処していけばいいかを考えていきます。


パニック対策の大前提は、以下の通りでしたね?

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<パニック対策の大前提(復習)>

・パニックに陥った犬が指示を聞くことは不可能。パニックにさせない対応を!

・愛犬がパニックになる原因を把握しておくこと。

・愛犬が飼い主さんをリーダーだと認識していること。
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前回は、ワンちゃんをパニックにさせないために飼い主さんができる方法を3つご紹介しました。

「回避法」「克服法」「対処法」

です。



【どの方法を選ぶかの判断基準】


●年齢や個性に応じた対処法を


方法を選ぶのは飼い主さんです。

その際、何を基準に考えたらいいでしょう?


◇基準その1 QOL


QOL = クオリティーオブライフ つまり、生活の質ですね。

飼い主さんのQOLと、ワンちゃんのQOL、どちら
も犠牲にしてはなりません。

何かのきっかけでパニックになってしまうワンちゃんを飼っている現在の状態と、パニックを起こさないワンちゃんになった状態を比較して、後者の方が間違いなく飼い主さんとワンちゃんにとってQOLが上がるというなら、ぜひとも取り組むべきでしょう。

でも、極端な話、そのためのトレーニングに費やす時間や労力が飼い主さんの負担になりすぎて、結果的にQOLが下がってイライラしてしまうようならば、「回避法」に徹するのもひとつの手でしょう。

また、トレーニングを最後までやり切る自信がなく、ただワンちゃんを混乱させてしまったり、単にイヤな思いをさせて終わってしまう可能性が高いと思われるなら、現状維持を選ぶのもアリでしょう。

ただ、個人的にはワンちゃんの”苦手”を克服する取組みは、ワンちゃんとの絆や信頼関係を深めるのに大変役に立ちますし、なによりもワンちゃんが以前とは比べものにならないくらい自信に満ちた犬生を送れるという意味で、ワンちゃんの幸せ度が大変UPしますから、ぜひとも前向きに考えていただきたいと思います。

ワンちゃんにしたって、自分が毎回パニックを起こすたびに、大好きな飼い主さんを困らせたり、イヤ~な顔をされたりするのは決して幸せなことではないと、わたしは思います。



◇基準その2 ワンちゃんの年齢や健康状態


今までずっとパニックを克服できないまま老犬になってしまったワンちゃんに、ある日突然飼い主さんが一念発起して「克服法」を試してみるのはどうでしょうか・・・

人間と同様に、ワンちゃんも歳をとるほどに新しいことを覚えるのが苦手になりますし、今までのやり方に固執もします。

老犬が、トレーニングを楽しむどころかストレスしか感じることができず、かえってQOLが下がってしまうようならば、今まで通りのやり方で静かに余生を過ごさせてあげた方がいい場合もありますね。

持病を抱えていて、ストレスが命取りになってしまいそうなワンちゃんについては言わずもがなですね。

一方、ワンちゃんがまだ若くて元気いっぱいならば、今後の長い犬生をより幸福度の高いものにするためのチャレンジは、ぜひやってみていただきたいと思います。



◇基準その3 困り度


愛犬のパニックの起きる頻度や、パニックの激しさパニックになった時に具体的にどうなってしまうのか・・・といったことです。

愛犬のパニックに飼い主さんが困り果て、疲れ果てていて、なんなら愛犬を手放す選択肢が頭をよぎるほどなら、諦める前にぜひ「克服法」「対処法」に取り組んでみていただきたいです。

逆に、飼い主さんもワンちゃんもさほど困っていなければ、パニックの時だけなんとかやり過ごせばいいかもしれません。

でも、現在はさほど困っていない場合でも、”苦手”から逃げ回るような生活を送るうちに、ワンちゃんの臆病ぶりやパニックが更に酷くなって、手が付けられない状態になってしまう可能性もあります。

また、突然の災害に見舞われたり、引越しを余儀なくされたりして、ライフスタイルが変化したような時に”苦手”の多いワンちゃんには、そうでないワンちゃんとは比べ物にならないくらいのストレスがかかってしまいます。

先々、どのようなことがあるかわかりませんから、トレーニングをしない理由が特に見当たらないならば、できる時にぜひ「克服法」「対処法」にチャレンジしていただきたいと思います。



◇基準その4 パニックの原因


例えば、毎日のお散歩で他のワンちゃんに出会うたびに

「キャーーーッ!ドキドキドキドキ・・・」

ってパニックになっちゃうワンちゃんならば、それは日常生活に支障をきたすことになりますから、なんとか克服させてあげたいということになるでしょう。


また、休日にドッグランに連れて行くと楽しすぎてテンションが上がり、興奮状態からやがてパニックに近い状態になり、飼い主さんの制止や呼び戻しが耳に入らなるワンちゃんもいますね。

これまた、周りの人やワンちゃんに迷惑をかけてしまうので、ぜひなんとかしておきたいですよね。

せっかくのお天気のいい休日に

「あの子、ドッグランが大好きだから連れて行ってあげたいけど・・・また他の人や犬に白い目で見られて謝るのもなぁ・・・」

と、お出かけをためらってしまうのは実にもったいないことです。


逆に、年に1度の日程が予め判っているような花火の音にだけパニックを起こしてしまうワンちゃんならば、その時だけ別な場所に連れて行っておくなどといった「回避策」で十分かもしれません。

ただし、その場合でも

「年に1回くらいだからいいだろう・・・」

と、パニックになってるワンちゃんを抱っこしたり優しくなぐさめたりするのは、やめておいた方がいいでしょう。

理由は「パニックになると指示が耳に入らないワンちゃん②」で、絶対にやってはいけないこととしてご説明したとおりです。



上記の選択基準を、飼い主さんご自身が色々と考え合わせた結果、どの方法を選択するのがワンちゃんとご家族にとって一番いいのか・・・

ということを考えてみてください。


繰り返しますが、個人的には若くて元気なワンちゃんならば、ぜひ愛犬と一緒に”苦手”を克服することにチャレンジしていただきたいと思います。

今よりもうんと幸せで快適な、ワンちゃんといつでもどこにでも行ける生活を夢見て・・・



ワンちゃんをパニックにさせない3つの方法のうち「回避法」については、説明はいらないと思いますので、次回からは「克服法」「対処法」について、少し詳しくお話していきたいと思います。

いずれも、どのような内容かが判らなければ、実際にチャレンジできそうかどうかの判断もできませんものね。


・・・とゆーわけで、次回につづきま~~す!




<今日のPet Hotel 11!>

なんだなんだ?!
「チェ・・・またクラゲさんかぁ~」
ボス、危ないから触っちゃだめだよーー!

ボスが夢中で遊んでいるのはサランラップの芯
珍しく”なつ”も興味を持って遊びたがってま~す

ボス「ヘヘン!いいでしょ~?!
ボクのだよ。誰にもあげないよ~」

チャコ「いらないよーだ。わたしはカメさんで
遊ぶんだも~ん♪」

ボス「・・・・いいなぁカメさん」
すぐに他の子のが欲しくなるボス(-_-;)