2018年2月12日月曜日

超なるほど!災害対策(動物取扱責任者研修より) 最終回

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。



前回のブログに引き続き、動物取扱者研修で平井潤子さんから伺った、ワンちゃんの飼い主さんにぜひ覚えておいて頂きたい大規模災害の心得についてお話します。



【大規模災害に備えて飼い主さんに知っておいてほしいこと④】


●なるほど!(その5) ストレスでは死なない

◇災害関連死


災害関連死という概念が生まれたのは、1995年に発生した阪神淡路大震災が発端です。

具体的な事例には以下のようなものがあります。


・処方薬が摂取できなかったことによる持病の悪化

・ストレスによる身体の異常

・不衛生な環境による体調の悪化

・栄養不足や食欲不振による衰弱死

・車中泊中の静脈血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)

・将来を悲観した自殺

・仮設住宅で孤独感にさいなまれ、過度の飲酒をしたことによる肝硬変

・災害復旧作業中の過労死

・地震による疲労が原因の事故死



◇過去の大規模災害の災害関連死者数


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阪神淡路大震災(1995年1月17日)※兵庫県内のみ
直接死 5,483  関連死919

新潟県中越地震(2004年10月23日)
直接死 16  関連死52

新潟県中越沖地震(2007年7月16日)
直接死 11  関連死 4

東日本大震災(2011年3月11日)
直接死 15,893 関連死 3,523

長野県北部地震
直接死 0 関連死 3

紀伊半島大水害(2011年 9月)※紀伊半島3件合計)
直接死 66 関連死 6

広島土砂災害(2014年8月20日)
直接死 74 関連死 3

熊本地震(2016年4月14日)
直接死 50 関連死 175

※単位=人
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実は、直接災害で亡くなった人よりも、せっかく災害では生き延びたのに、その後に命を落とした方の方が多いケースもあることがお解りいただけるかと思います。


これは人間の統計で、ペットの災害関連死については残念ながら統計がなく、実態がつかめていません。

けれども、人間がこれだけ災害の影響によって関連死していることを考えると、当然小さなペットたちも相当数が災害関連死していると考えるのが妥当でしょう。


◇阪神淡路大震災の事例


たとえば、阪神淡路大震災の後、ある2つの大きなアニマルシェルターにいたペットたちの、なんと6割もが次のような症状を呈したといいます。


絶食・脱水・放浪・咳や涙が止まらない・下痢・嘔吐・食欲不振・震え・その他異常行動


ペットたちにとって、

・経験したことのない大災害や余震への恐怖
・知らない場所での生活
・飼い主さんと離れ離れの寂しさや不安
・周囲の騒然とした空気

といったものが、相当のストレスになることは想像に難くありませんね。


でも、飼い主さんたちにぜひ覚えておいていただきたいことがあると平井さんは語っておられました。


◇ストレスでは死なない!


大規模災害の後、災害関連死したと思われるペットの飼い主さんの多くから、平井さんは次のような言葉を聞いたそうです。


「ウチの子が・・・ストレスで死んでしまったんです!」


確かに、人間もペットもストレスで体調を崩すことは知られています。

実際に、上記のような症状が多くのペットに出ています。


けれども、


ストレスが直接 死の原因になることはありません。


正確には、ストレスが原因となった体調不良や病気を放置した結果、手遅れになっての死なのです。

ですから、

「非常時でストレスを感じているのは当たり前。無理もないな・・・」

という風にペットのストレスを甘く見ないで、様子がおかしかったら可能な限り早く、獣医さんに相談してほしいということです。


不幸にも亡くなってしまったペットの中には、

ストレスが引き金となった疾患の治療に早く取り組んでいれば命が助かったのに・・・

というケースはいくつもあったというんです。



●飼い主さん自身の身を守って


講話の最後で、平井さんが強く訴えておられたのは、


まずは飼い主さんがご自身の身を大切にしてほしい


ということでした。

それは、平井さんご自身が仰っていた次のお言葉

「わたしたちは動物が好きなので、被災地に行くと動物のことばかりを考えてしまうけれど、動物たちにとってはぐれてしまった飼い主さんに会えた時の喜び、飼い主さんと再び暮らせる喜び・・・それに叶うことをわたしたちは動物にしてやることはできない」

と通じるお話だと思いました。

飼い主さんはペットを愛するあまり、ご自身を犠牲にしてでもペットに尽くしてしまうところがあります。

けれども、せっかく大災害で一命をとりとめ、飼い主さんとペットが一緒にいられるにも関わらず、飼い主さんが震災関連死してしまったり、倒れて長期入院するようなことになってしまったら、残されたペットはどうすればいいのでしょう・・・?

ですから、

「あの子の食欲が落ちて何も食べられていないのにわたしがパクパク食べることなどできないわ・・・」

などという考えを捨て、

「わたしが元気でいなくては!!」

と胸を張って考えられるようにして下さい。

アナタのワンちゃんは、元気なアナタが大好きなんですから・・・



<今日のPet Hotel 11!>



ウリだよ~~~ん♪
今日もいっぱい走っていっぱい跳ぶよ~!

どうしてもウリくんに追いつけないボス&なつ
入りたいけどちょっとコワイRくん
我関せずのチャコ(笑)

ボクに追い付けるわけないよ~~ん!
たしかに・・・・(^-^;

朝の海岸さんぽ♪

Cちゃん「ねえねえRくん♪」
Rくん「キャッ!やめてーーーー!」
男女が逆でしょ(笑)

自分のおうちに居座られて戸惑いを隠せないCちゃん
それに気づかないフリをするすっとぼけたボス

Rくん「ウリくん、ちょっとつめてよぅ」
ウリくん「無理だよ!すっごく混んでるんだっ!」
そうは見えないよ~(^-^;

Kくん「ここにいれば安全だ~~~♪」
Kくん、心配しなくても
どこにいたって安全だよ(^-^;