2018年2月13日火曜日

犬の祖先に関する「まことしやか」なフェイクニュース①

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。


本日のブログは、ぜひ最後までお読みください。
(途中でやめるとダマされちゃいますよ~~)

【その嘘、ホントーー?!】(byバカボン)


●1枚の写真と感動的なキャプション


今回、ブログのテーマに選んだのは、以下の1枚の写真です。



わたしが、この写真の存在を知ったのはつい最近のことです。

いい写真ですねぇ~~♪
(なんかヘンなマークついてるけど・・・)

写真には以下のようなキャプションがついていました。


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オオカミの群れ

この写真の中で、先頭に歩いている三匹は、年老いたオオカミと病気のオオカミである。群れ全体の進行速度を調整して、誰も遅れないようにしている。

その後を追う5匹(黄色で表示された)は、群れの中で最も強く優れたオオカミであり、敵の攻撃があったとき、正面を守る任務を引き受けている。

その後の中間の群れは常に外部からの攻撃からの保護を受ける。

群れの中の緑色に表示された5匹も
最も強く、優れたオオカミたちである。後方からの攻撃があった場合の防御の任務を引き受ける。

最後に離れてついてきている(青い矢印)一匹が 、この群れのリーダーである。

誰も取り残されないようにすることが彼の任務である。群れを統合し、全体が同じ方向に行くように導く役割をする。

彼は全体の群れの「ボディガード」として全体を見守り、自分を犠牲にして群れを守るために、常にどのような方向にでも動ける準備ができている。

私はこの群れの、どこに属しているのだろうか?
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この美しい写真と、含蓄のあるキャプションを見て、みなさんはどういう感想をお持ちでしょうか?

わたしは不覚にも

「ほっほ~~~!!オオカミってやっぱりカッコイイ!すごいなぁ~~!」

と、一瞬感嘆してしまったのです。

でも、次の瞬間

「んんーーー?!」

と首をかしげてしまったんです。



●実態とかけ離れている


ワンちゃん大好きなわたしは、その祖先であるオオカミにもそれなりに興味を持っていて、まあ平たく言うと”好き♪”なんです。

(山の中で出くわして喜ぶかどうかは別として・・・(^-^;)

犬のDNAとオオカミのDNAはほとんど違いがなく、犬の習性や生態を知る上でオオカミを知ることはおおいに役立つと考えています。

そういった興味で今までさまざまなオオカミの情報にも接してきましたが、

オオカミが群で移動する際に、年老いたオオカミや体の弱いオオカミがその先頭に立つ

などというお話は聞いたことがありません。

オオカミが群で移動するメインの目的は狩りです。

そして、その時に群に必要な栄養源を決定するのは群の中でも体が大きく強いメスであることがほとんどです。

何故ならば、最優先に栄養源を必要としているのは子孫を残すメスだからです。

そのため、メスが群の先頭に位置して獲物を選別する役割を担っています。

「この獲物にするわ~~~♪」

と狙いを定めると、後方から他のオオカミたちが

「イエス、マダム!!こいつでやんすね~~?!」

ってな感じでハンティングをするというワケですね。


とはいえ、猟場を求めて単に移動する場合もありますから、移動する際の先頭は時と場合により入れ替わるようですが、少なくともお年寄りや体の弱いものが先頭を張るってことはまずないはずなんですね・・・



●色々なバリエーション


この1枚の写真と、それに付随したキャプションが主にSNSを通じて世に広まったのは2015年頃からだそうで、英語やベトナム語など、様々な言葉で拡散されています。

キャプションの前半部分はほぼ共通ですが、最後の部分は色々なバリエーションがあるみたいですね。

上記の日本語訳されたキャプションは、最後の部分が


「彼は全体の群れの「ボディガード」として全体を見守り、自分を犠牲にして群れを守るために、常にどのような方向にでも動ける準備ができている。

私はこの群れの、どこに属しているのだろうか?」


となっていますが、

別の英語のキャプションだと


「彼は後ろからすべてをコントロールしています。

その位置から彼はすべてを見ることができ、方向を決めることができます。

群は長老のペースに従って移動し、お互いを助け、お互いを見守っているのです。」


と締めくくられています。


いずれにしても、この写真とキャプションを見た人は、崇高なオオカミのリーダー像や、年老いた仲間のペースに合わせて歩くオオカミの群の姿に感動し、

「嗚呼・・・誰かに伝えたい!!」

と思ってしまうのは無理もないでしょう。

そのため、どんどん世界中に拡散していったと考えられているんですね。



●真相はこういうこと


この写真について調べてみると、すぐに真実に辿り着きました。

知っている人は知っている、ある意味有名なフェイクニュースだったんですね。

実際には、この写真は2011年にBBCのドキュメンタリー「Frozen Planet」に掲載されたもので、その時についていたキャプションは以下の通りでした。


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カナダ北部の北極圏でバイソン狩りに向かう25頭のティンバーウルフの大規模な群。

ウッド・バッファロー国立公園内の冬季中頃の気温は-40℃前後です。

アルファ(※↓)のメスが率いるオオカミのパックは、深い雪の中を一列で移動し、エネルギーを節約します。

(群の構成に関する記述はこれ以降ないため、以下省略します)
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(引用元:BBC Frozen Planet


※「アルファ」っていうのは、一般的にオオカミや犬の中のリーダー格を示す言葉です。
(アルファという存在の概念自体が間違っているという学者もいます)


な~んだ・・・やっぱり先頭にいるのはメスなんじゃ~ん?

よくよく写真を見ると、先頭の3頭は明らかに体格が大きいこともわかりますね(^-^;

隊列のために深い雪をかき分けて道を作る任務に、ご老体や病気の子を選ぶとしたらオオカミたちは相当イケてない頭脳の持ち主ということになってしまいます・・・


この写真は、Chadden Hunter氏が撮影したもので、撮影したご本人も使用したBBCも、SNSで拡散されている内容は事実無根だと公言しているにも関わらず、どこかの誰かが勝手につけたキャプションの方が世界中に広まっているんですねぇ~・・・



●真実はどこにある?


一連の事実を知って、頭に浮かんだのは

「まことしやか」

という言葉でした。

漢字で書くと

「実しやか」

なんですね。

「事実や内心を繕って本当めかす」

という意味です。

この写真につけられたキャプションは、いかにも動物好きな人間が好みそうな内容で、動物好きを自認しているわたしもまんまと感嘆させられてしまったワケですが、かえってそのことで

「怖いなぁ~~~!」

と感じています。


人は、「つまらない真実」よりも「感情を揺さぶられるフェイクニュース」を信じたいと思ってしまう傾向があることを実感したからです。


実際、よく見てみるとこの写真とキャプションをFacebookで投稿している方へのコメントで、誤りを指摘している人達もチラホラ見かけます。

けれども、大半の人はそれらの冷静な指摘コメントを読んでいないのか、はたまた見て見ないフリをしているのか判りませんが、

「涙が出るほど感動しました!オオカミって素晴らしいですね!シェアさせてくださいっ!!」

とゆーよーなコメントを書いているんですねぇ~~・・・


犬やオオカミが好きなわたしとしては、こういった現実に

「気に入らねーなぁ!」

と感じてしまいます。

犬の祖先であるオオカミをダシに使って、一体なんの目的でこんなねつ造をするんでしょー?


あ、もう長くなるので次回につづきをお話しまーーす!




<今日のPet Hotel 11!>


朝の海岸さんぽ
キモチいいーー!

アカエイを吊り上げちゃった釣り人に遭遇!
Kくん、興味津々!
シッポには毒針がついていて
「危ないから」って取ってくれました!
アカエイとの格闘で釣り人はヘトヘト。
手が擦り剝けて出血していました( ノД`)

Bちゃんはお外遊びだーーーい好き♪

わーいわーいわーーーい!

遊ぼあそぼっ!

ジャーーーンプ!!
(おお・・・浮いている)

Bちゃん「ねえねえ、Kくんあそぼっ!」
Kくん「近寄るなー!あっちに行けーーブルブル」

Bちゃん「ねえねえ、なつ~~、遊ぼうよ~」

なつ「嗅ぎすぎ!!」
Bちゃん「あい・・・ごめんなさ~い」