2018年3月30日金曜日

飼い主の帰りを何カ月も待ち続けた犬のお話

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。




渋谷駅前のハチ公像は、日本だけなく、広く世界の人に知られていて、ハチ公前で記念撮影をする外国人観光客も数多くいるそうです。


亡くなった飼い主さんを、毎日駅に迎えに来ていたハチ公のエピソードは、ハリウッドでも映画化され、人々に感動を与えました。


現在のアキタ犬ブームの火付け役でもありますね。



きょうは、海外で「まるで忠犬ハチ公のようだ!」と話題になっているワンちゃんのおはなしです。





【飼い主さんを待ち続けて・・・】


●気になる野良犬



クリスティーン・サルデラさんは、ブラジルのサンパウロに住む弁護士です。

先月(2018年2月)のある日、サルデラさんは、市内のサンタ・カサ・デ・ノボ・ホリゾンテ病院の入口ドアの外に、1匹の犬がいることに気づきました。

ブラジルには残念ながらいまだに野良犬が多く、道端に犬がいることは珍しい風景ではありません。

けれどもサルデラさんは、この野良犬が他の野良犬と少し様子が違うと気づきました。


その子は、誰かが病院の出入り口を通るたびに、おもむろに体を起こしては、行き過ぎる人を確認し、また元のように地面に伏せるという行動を繰り返していたからです。

その様子からサルデラさんは、その子がその場にとどまってじっと誰かを待っているような強い意志を感じとりました。

しかも、その子は明らかにただの野良犬ではなく、誰かにきちんと飼いならされているように思えたといいます。






●飼い主さんを待ち続け・・・



サルデラさんは、病院の受付スタッフに入口の犬について尋ね、次のような事実を知ることになりました。


4か月前、市内の公園で59歳のホームレス男性が、何者かに刺されて救急車で病院に搬送されるという事件がありました。

ホームレス男性が飼っていたその犬は、病院まで飼い主さんが乗せられた救急車を追いかけてきたそうです。

そして、その日から4か月の間ずっと、名前が不明のその犬は、サンタ・カサ・デ・ノボ・ホリゾンテ病院の入口ドアの外で、飼い主さんを待ち続けているというのです。

その犬にとって、世界の全てだったホームレス男性は、不幸にも既に亡くなり、いくら待ってももう会うことはできなくなっていました・・・・


けれども、彼の愛犬は、それを知る由もありません。


だからその犬は  最後に飼い主さんを見失った病院前に何カ月も留まって、出入りする人々の様子を窺いながら、飼い主さんを待ちつづけていたのでした。





●SNS投稿で



病院のスタッフは、健気(けなげ)なその犬のために、食べ物と水を与えてあげていました。

けれども、サルデラさんはその犬を救うために、何かもっとしてやれることはないかと考えました。

サルデラさん自身は、すでに2頭の犬を飼っているので、もうこれ以上飼うことはできませんでした。

そこで、Facebookに犬の写真を投稿したところ、大反響がありました。


サルデラさんがFacebookに犬の写真を投稿した直後、さっそく地元で保護活動をしているひとりの男性が現れました。

彼は、その犬に新しい家族が見つかるまでの間、自分の家で面倒を見ることを決意し、犬を車で自宅に連れ帰ってくれたのです。



●今はまだここに・・・



ところが、犬に新しい家族が見つかる前に、犬は保護活動家の家から脱走してしまいました。


そして・・・・


犬がふたたび現れたのは、飼い主さんとはぐれた場所・・・保護活動家の家から3キロ以上も離れたサンタ・カサ・デ・ノボ・ホリゾンテ病院の入り口前でした!

その様子を取材に来た記者に対し、サンタ・カサ・デ・ノボ・ホリゾンテ病院の院長は、次のように語りました。


「きっと、この子は今はまだ、この場所にいる必要があるんでしょう。

けれども、うまくいけばそう遠くない時期に、この子はもうここを離れてもいいのだと気づいてくれることと思います。

うちのスタッフのひとりが、この子を獣医さんに診せ、必要な予防接種を受けさせながら、この子の信頼を得る努力を続けているんです。

彼女は、その時がきたら、この子を家族として家に迎え入れることを決めているんです。」



●その時はきた



そして、今月(2018年3月)10日に、”その時”は来ました。


サンタ・カサ・デ・ノボ・ホリゾンテ病院の入り口で、飼い主さんの帰りを何カ月も待ち続けていた名前のない犬は、病院スタッフのレティシアさん(30才)の新しい家族となり、「チャンピオン」という新しい名前をつけてもらったのです。

レティシアさんは、チャンピオンが病院の前に佇むようになった時から、他のスタッフと共に彼の面倒を見ていたひとりでした。

いつだってチャンピオンは病院の前にいたので、レティシアさんは彼を引き取る必要性を感じていなかったそうです。

でも、保護活動家の男性が一度チャンピオンを連れ帰った時、初めて たまらなく寂しい気持ちになっている自分に気づいたのだそうです。

そして、ふたたび戻ってきたチャンピオンを見たとき、レティシアさんは彼を家族にする決意をしたということでした。






<参照元>

Life With Dogs

the dodo





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すばらしいお話だと思いました。


愛する飼い主さんを何カ月も待ち続けたチャンピオンの健気さはもちろん、彼に関わった全ての人の行動に感動しました。


病院前に佇んでいる野良犬が飼い主さんを待ち続けていると気づいて、水や食料を与えてあげていた病院スタッフたちの優しさ。


「なんとかしたい」と思いながらも、自分の家には既に二頭の飼い犬がいるからもう変えない・・・と、Facebookで情報を広めたサルデラさんの冷静で賢明な判断。


投稿を見て、新しい家族を見つけてあげようと、すぐに犬を迎えに来た保護活動家の男性。


ふたたび病院前に舞い戻ってきた犬の気持ちを尊重し、彼が居たいと思っている病院前にいさせてやりながら、ゆっくりと時間をかけて信頼関係を築いていったレティシアさんと、それに理解を示してくれた院長。



野良犬が多く、治安も悪いと言われるブラジルですが、今回のエピソードからわたしが受け取ったのは、そこにいる人々の「懐の深さ」でした。


日本で同じようなことが起きたとしたら、どうなるんだろう・・・ちょっと想像してみました。


おそらく、病院の出入り口前に4か月もの間 野良犬が佇むことを許してくれるような社会ではないでしょうねぇ・・・・




<今日のPet Hotel 11!>

朝の海岸さんぽ♪
Nちゃん「ボスぅ~、あそぼっ!」
ボス「え・・・(ちょっと怖い)」

Nちゃん「なつ~、あそぼっ!」
なつ「やーよ!」

Nちゃん「チャコ~、あ・・・・」
Nちゃんの下をスルーするチャコ (-_-;)

Nちゃん「ねえねえ、なつぅ~~」
なつ「仕方ない・・・相手してやるか~」

ヤッタヤッターー♪

ワンワンワンワンッ!

ガウガウガウガウ!

なつ「はい、もうおしま~い」
Nちゃん「そ・・・そんなぁ~~!!」

へへ、イイもの見つけちゃった~♪

これは誰にも渡さないわーーー!!

誰にも渡さないんだから~~!ニャハハー!

(大丈夫、誰も欲しくないってさ(;^_^A)