2018年3月11日日曜日

不幸な犬を減らす法律を考える⑤

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。




前回のブログにひきつづき、日本をドイツやスイス、スウェーデンのような犬に優しい国にするために、わたしたちが家庭内国会で考えた動物愛護管理法の改正案


◇ 繁殖業をライセンス制とする。

◇ 繁殖業者に子犬へのマイクロチップ装着を義務付ける。

◇ ペットショップやブリーダーから犬を買い取る際には「犬税」を課す。


以上3つの法案の詳細について、きょうは最後の「犬税」のメリットのお話。

前回ブログをお読みでない方は、お話が見えないと思いますので、ぜひ予め前回ブログからお読みください。



【犬税導入のメリット】


●行政へのメリット


・法施行のための財源確保に頭を悩ませる必要がない。

・狂犬病予防接種率が上がり、人獣共通感染症への危機管理が向上する。

・世界各国から批難を浴びている、「合法的に大量の犬を殺している国」(殺処分のこと)という屈辱的なレッテルを払拭できる。

・国内飼育犬のしつけが向上することで、咬傷事故などを減らすことができる。

・動物愛護先進国のイメージは、観光客誘致にも役立つ。


●獣医さんへのメリット


・狂犬病予防接種もマイクロチップ装着も、今よりずっと件数が増え、しかもその費用は国に請求して間違いなく犬税から支払われるから儲かる♪

・全国の獣医さんが、マイクロチップの個体識別番号で管理されたカルテを共有できるため、犬種による多発疾患の把握や、有効な治療法といった知識の共有ができる。


●飼い主さんへのメリット

・狂犬病予防接種、不妊手術が無料で受けられる。

・しつけ教室で、正しいしつけ方法を学んだり、悩み相談をすることができる(無料)

・適正な価格で健康な子犬を買うことが出来る可能性が高まる(後で詳しくお話しまーす①

・犬を購入する=犬税を納める・・・犬たちの役にたてることになる♪

・保護犬を引き取る・・・犬たちの役にたてることになる♪


●ワンちゃんへのメリット


・正しいしつけをしてもらえなかった結果、問題犬扱いされて虐待を受けたり捨てられたりする可能性が減る。

・万一、保護犬になってしまった場合も、新しい家族が見つかる可能性が高まる
(見つからなくても殺処分になることなく、快適なシェルターで天寿を全うできる)

・飼い主さんとしつけ教室に通うことで、おりこう犬になり、どこにでも飼い主さんに連れて行ってもらえるようになる~♪(しっぽブンブン!)

・犬税で子犬が高くなるため、軽い気持ちで安易に子犬を買う人が減る


●ペットショップへのメリット


※これについては後で詳しくお話しまーす②

・生体販売の禁止といった規制がかけられることなく、現行通りの商いを続けることができる。



【詳しく解説】


上記メリットのうち「後で詳しく説明しまーす」って書いた部分のご説明です。


①適正な価格で健康な子犬を買うことが出来る可能性が高まる


ブリーダー直販やペットショップで子犬を購入する場合に、高い犬税が課せられることになると、売り手側は消費者の”買い控え”を懸念するようになります。

現在、日本の子犬の販売価格は諸外国に比べてすんごく高い!って言われています。

それは、子犬の価格が「コストに利益を上乗せして決められている」のではなく、「このくらいの価格なら消費者が買うだろう」っていう視点で決定されているからです。

けれども、犬税の導入によって生き残り競争も激しくなるので、ある程度の期間が経つと、子犬価格が適正に落ち着いてくるのではないかと思っています。

もちろん、価格競争が激化して、ただ安いだけの子犬をバンバン生産されては困りますが・・・

マイクロチップ装着の義務化により、生産者のブリーダーが特定できるので、パピーミルなどの劣悪環境で生まれたような、健康状態に不安があるような子犬は売れないようになり、悪質ブリーダーは淘汰されていくように思っています。

一方、優良ブリーダーの子犬はある程度高くても、少しくらい待ってでも買いたいという人が増えてくると思っています。

買い手側は、高い税金を払って子犬を購入するのですから、品質に対する要求が高くなります。

すると、

「母犬の飼育環境を見せて欲しい」

などの購買者の声に応えるような、いい意味でのサービス競争が激化してくれたら素晴らしいと思っています。


②ペットショップへのメリット


わたしたち愛犬家は、ついついペットショップを目の敵にしてしまいます。

実際、現状のペットショップには次のような問題があります。


・ペットを物のように扱い、命より利益を優先している。

・生体販売は、売れ残りの子犬が闇に葬られる最悪のシステム。


そこで、ずいぶん前から「生体販売の禁止」を求める声が挙がっていますが、ペットショップも生き残りをかけて必死でこれに抵抗しています。

それなりに大きな業界団体なので力もあり、実現は難しいとみられています。

(政治家が献金や票稼ぎより良識を重んじて法案成立を断行すればいいだけのお話なんですけど・・・)


ですから、法律を成立させるためには、それに反対しそうな人たちにとってもある程度のメリットがないと難しいんです。

犬税の導入は、やはりペット業界から猛反対が予想されますが、以前から多くの反対を受けていた生体販売を禁止しないという条件をつけることで、しぶしぶ承諾する可能性があるかな・・・ってわたちたちは考えたわけです。

でもね、ペットショップで生体販売される子犬たちには全頭マイクロチップが装着されているわけですから、売れ残りをこっそり処分すればすぐに判明することになります。

行政は、管理しているデータを見て、

〇〇ペットショップには現在何頭の子犬がいて、その子たちの個体識別番号は何番・・・

ってことがすぐに判るからです。

査察に入り

「お宅には今20頭の子犬がいるはずだけど、何番と何番の子はどうしました?」

ってできちゃうのですから、ペットショップは売れ残った子犬を違法に闇に葬り去ることはできなくなりますね。


結果的に・・・売れ残った在庫子犬を抱えることで大損失を出すことになるペットショップは、生体販売をしていると割に合わないことになりますから、自発的に生体販売から受注販売へとシフトしていくはずだとわたしたちは見ています。



【法律を考えるのって楽しいけど難しい】


今回、あーでもないこーでもないと、動物愛護管理法の改正案を家庭内国会で議論しながら つくづく感じたのは、法律を作るのって本当に難しいってことです(←あったりまえだっ!)

例えば、問題のある行為・・・たとえば、虐待生体販売パピーミルなどのひとつひとつの問題に対して、罰則を強化するのは簡単です。

けれども、どんなに罰則を強化しても、それらの行為を正確に把握し、摘発できなければザル法になることは目に見えています。

規則をたくさん作ってがんじがらめにすることも、結局はその抜け穴を探す悪質な業者とのいたちごっこになるだけです。

いい法案っていうのはきっと、


・最小限の規制で最大限の効果を出すことができるようにすること。

・問題のあることをしている人が、自発的にそれを止めたくなるような法案であること。

・法案が成立することによるメリットがより多くの人たちに及ぶことで、施行された後にも好循環が生じること。

・法の違反者を行政が正確に把握することができるシステムであること。

・命を尊重するための法案なので、トレーサビリティ(生産者や販売者が追跡できること)であること。


こういったことが満たされている必要があるだろうと思いました。


でもね、


「今日本で問題となっているワンちゃんを取り巻く様々な問題を解決するために、一体何をどうすればいいんだろう・・・」


ってことを真剣に考えるのは実に有意義でしたし、見えなかった問題や壁も色々と見えてきました。

もう少し煮詰めて、いいカンジになったら、ある程度影響力のある人に提案してみようかしらん・・・・

ある程度影響力のある人が知り合いにいないなぁ・・・・(チーーン♪)




<今日のPet Hotel 11!>

朝のおさんぽ♪
お山の畑と海へ~!

砂浜をこーやって掘り掘りして・・・

んーーと・・・

そだ!”なつ”を入れてみようっと♪

なつ「ふ・・・ふざけんなよコラァーーー」
わぁこわーーい(笑)

額縁でパチリ♪ってしたり

いいカンジの枝を拾ったり・・・

橋の下を覗いてみたり・・・
1才のMくんは何もかもエンジョイするね~!

お庭でも木で遊ぶのがお気に入り♪

常連のHおばあちゃん
「で・・・デカいわね~!踏まないでよ」

チャコ「あちょっと、Mくん、登らせて~」

シーズー×ヨーキー & シーズー×チワワ
やっぱり似た雰囲気のモシャモシャ女子会

初めまして。
”なつ”と同じくチワックスのKくんでーす!

”なつ”みたいに気が強くなくて、とってもおだやかで
怖がりさんなの。
でも、みんなにご挨拶、上手にできたよー!

海に来たのは2回目だよ!
どう?海の似合う男だって思わない?!


Mくんと遊んで一番はしゃいでいるのは
お料理番かー?(^-^;