2017年12月16日土曜日

トリミングを怠るという虐待

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。



前回のブログで、人間の手を借りられないと生きていけない犬たちの例として、トリミングが必要な犬種について少しお話しました。

今回はトリミングについてもう少し詳しくお話すると共に、飼い主さんにトリミングを1度もしてもらえなかった可哀相なワンちゃんのお話をさせてください。



【トリミング必須の犬種たち】


●単なるオシャレじゃないのよ


柴犬やビーグルなど、トリミングが必要ない犬種だけを飼っていた人の中には、本気で

「犬にトリミングなんてバカバカしい!自然な姿が一番なのに!」

と言う人がいます。

いやいや、違うんですって~~!

飼い主さんたちが高いお金を払って定期的に愛犬をトリミングに連れて行っているのは、何もオシャレのためではないんですよ。


●何が違うの?


トリミングが必要ない犬種と絶対に必要な犬種・・・

その違いは簡単に言っちゃうと毛が伸びるか伸びないかの差です。

一般に、犬の被毛はダブルコートといって、オーバーコートアンダーコートという二種類の毛があります。

けれども、人間の繁殖介入によって人工的に品種改良されたことによって、オーバーコートがなく、アンダーコートだけのワンちゃんがいます。

これをシングルコートと呼びます。

ダブルコートのワンちゃんは、半年に1度の換毛期にアンダーコートが抜け落ちて、新しい毛に生え変わり、毛の長さは一定です。

つまり伸びない!

トリミングも要らない!

対してシングルコートのワンちゃんはオーバーコートがなく、アンダーコートが変異した1種類の被毛が一生伸び続けるという特徴があります。

伸び続ける毛をそのままにしておくと大変なことになりますから、トリミングが絶対に必要なんですね。

どんな風に大変なことになるかは、下記のニュースのポピーちゃんをご覧ください。


●シングルコートの犬種


プードル種

テリア種

シュナウザー種

コッカースパニエル

ビションフリーゼ

など、多くの犬種がトリミング必須です。

(例に挙げた以外にもトリミング必須の犬種はいます)


では、トリミングの必要なワンちゃんにトリミングをしないでいると、どんな風になってしまうのでしょう?



【13年間放置されたポピー】



●歩くことすら・・・


イギリスのウエスト・ミッドランズで、ヨーキー(ヨークシャーテリア)のポピーちゃん(13才)は、驚くべき姿で発見されました。

ご近所の人からの通報を受けて駆けつけたRSPCA(英国王立動物虐待防止協会)の捜査官が見たのは、伸びすぎた被毛が絡まってドレッドヘアのようになっているポピーちゃんでした。

被毛は長いだけでなく、汚れがこびりついてひも状に固まり、目や鼻や口を覆っていました。

固まった毛は、まるで重たいコートのようにポピーちゃんの身体にのしかかっていて、更に爪も伸び切っていたために、ポピーちゃんは歩くのさえ困難な状態でした。







●救出!


ただちに保護されたポピーちゃんは、まとっていた被毛を生まれて初めて刈ってもらいました。

刈り取った被毛は、長いもので34㎝もあり、総重量は2㎏にもおよんだそうです!!

RSPCAのスタッフによると、保護された当時、ポピーちゃんは酷く攻撃的だったそうですが、獣医師の治療とトリミングを受けた後はスッカリおとなしい子になったとのこと。

自分の体重と変わらないくらいの重さがある被毛を背負っていた時は、苦痛とストレスで気が立っていたのかもしれませんね・・・





驚くのは、ポピーちゃんが野良犬ではなく、れっきとした飼い犬だったことです。

こんな姿の愛犬を日常的に見ていて、どうして平然と放置し続けることができたんでしょう?!


●もう飼い主にはなれない


飼い主は58才のイギリス人男性 ポール・パドモア。

パドモアは無抵抗なペットを無残にも飼育放棄したとして逮捕・起訴されました。

今月(2017年12月)4日に行われた裁判で、パドモアは罪を認め、

6週間の地域奉仕活動
85ポンド(およそ13000円)の罰金
100ポンド(およそ15000円)の裁判費用の負担

そして、永久にペットを飼育することの禁止という命令が下されました。


●やっと幸せになれるはずが・・・


さて、長い長い間、グルーミングをまったくしてもらえずに不快な生活に耐えてきたポピーちゃん。

無事に新しい飼い主さんも決まり、やっと幸せな犬生を手に入れられるかと思ったのに・・・ポピーちゃんは長く生きることはできませんでした。

実は、ポピーちゃんは、伸びすぎた被毛以外にも保護された時から問題を抱えていました。

脊椎を損傷していたのです。

それが重たい被毛のためか、それとも何か別な理由による損傷なのかは判っていません。

ただ、新しい飼い主さんは、ポピーちゃんの悪化した脊椎損傷のために安楽死という道を選択せざるを得ませんでした。


RSPCAの担当捜査官 ボイドさんは

「せっかく優しい飼い主のもとへ引き取られたのに本当に残念です。

でも、少なくとも数週間はポピーは幸せだったと思います」

と語っています。


そうだよね・・・きっとポピーちゃんは、最期は幸せだったよね・・・


そう思わなくてはやっていられません。


実際、経済的に困窮して、トリミングにお金がかかる愛犬の飼育放棄をするという飼い主さんも多いです。

人間の手によって作り出された、トリミングが必要なワンちゃんからしたら

「誰のせいでこんな毛になったと思ってんだっ?!ふざけるなっ!!」

っていうお話・・・


(出典:UK METRO


<今日のPet Hotel 11!>


朝のおさんぽ
いつになく(?)思慮深げなボス

防波堤の上を行進だっ!
チャコはちゃっかり先頭。
面白くなさそうにしているのは”なつ”様

をいをい・・・急に止まらないでよねーーー!!
後ろの2ワンが玉突き事故を起こしてたって
チャコは気にしな~~~い(-_-;)

冬の陽だまりは天国だよね~~!
あったかいんだから~~♪