2017年12月11日月曜日

犬は人間に作られた①

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。


人間の都合で命を危険に晒しているワンちゃんたちについてお話してきました。

過去記事をお読みでない方はぜひ・・・


もう闘わなくていいんだよ(闘犬のお話)

安楽死が決まった軍用犬を救え!

ブルドッグの悲劇


人間は、犬という生き物をある意味溺愛し、可愛がっていると同時に、ずいぶんと好き放題に利用しているように感じませんか?

人とこんな風な関係にある生物って他にいるでしょうか?

人間と犬の歴史を見ていくと、この特異な関係の理由がなんとなくわかってきます。


そこで今回は、人間がどんな風に犬たちを作り出したかっていうお話です。



【犬の多様性は人間の仕業】


●育種


さて、前回のブログでもお話したように、現在わたしたちになじみの深いポピュラーな犬種はみんな、わたしたち人間が特定の目的のために交配を繰り返して育種してきたものです。

育種っていうのは、その犬種が世に広まって犬種名がついて、認識されるようにするってことですね。


「おかーさーん、今日のお夕飯なぁに~?」

「オムライスよ~~!」

「ヤッター!」


って場合、オムライスはオムライスとい料理名がちゃーんとついたお料理です。

つまり、育種された犬種と同じようなものです。

でも、


「おかーさーん、今日のお夕飯なぁに~?」

「冷蔵庫の余りもの一掃処分の炒め物よ~!」

「え~なんだソリャ?!」


って場合、犬種でいうところのMIX(雑種)みたいな感じでしょうか・・・

特に犬種としてのタイトルがついていない場合は育種された犬種とはいえません。


オニギラズなんてものは、つい最近育種された新種のお料理って感じですね。

(でももう滅亡しそうなのかな・・・(^-^;)



●ほぼほぼオオカミ


犬の起源については謎が多くて、未だに多くの学者たちによって、さまざまな説が提唱されています。

でも、現在最も有力と言われているのは、「犬はオオカミの亜種」っていう説です。

遺伝子学的に見て、犬とオオカミにほとんど違いが見られないことが判ったのがその理由です。

ではそのオオカミがどうやって人間と一緒に暮らす「犬っていう動物」になったか・・・

これまた色んな説があってハッキリはしていません。

オオカミの子どもを人間が育てたのだろうとか、

オオカミの中でも人懐っこいヤツが人間に近づいてきて、それを人間が家畜化していったのだろうとか、

まあ色々と想像すると楽しいですね♪


ただ、確かなことは、犬は人間が一番はじめに家畜化(一緒に暮らすようになること)した動物だっていうことです。


●はじめはみんなオオカミ顔


当然のことながら、家畜化され始めたころは、犬は単に

「やさしめのオオカミ」

でしかなかったはずですね。

寝ている間にうっかりオオカミに首元をガブリ!なんてやられたら困りますから、オオカミに子どもが生まれれば、人間はその中でもより従順なオオカミを繁殖させたかもしれません。

さて、動物が家畜化されるとその外見に変化が現れることをご存じですか?

具体的には、


・脳みそが小さくなる(狩猟の必要がなくなるからあまり頭を使わな~い)

・頭蓋容積も小さくなる(脳みそが小さいから大きな入れ物はいらな~い)

・体が全体的に小さくなる(与えられる食料だけで生きていけるように~)

・目が丸くなって前方に移動する(狩猟しなくていいから視覚が退化しました~)

・鼓室嚢が小さくなる(狩猟しなくていいから聴覚まで退化しちゃいました~)
 ※鼓室っていうのは鼓膜の奥にある音を反響させる空間です。

・口吻=マズルが短く、歯も小さくなる(獲物を攻撃して倒す必要がなくなったから退化してま~す)

・おでこと口吻=マズルの境目がハッキリしてくる(口吻が退化したことでこうなりました~)


こんな風にして、オオカミたちは人間に家畜化されたことによって、だんだん顔つきが犬っぽく変わっていったんですね。

人間目線で見ると、外見的に親しみやすく可愛らしくなっていったともいえるでしょう。


●呆れるほどの多様性!


このところ、多様性多様性ってよく言われますが、犬ほどサイズや形が多様性に富んでいる動物も珍しいでしょう。

そもそも、祖先のオオカミとは似ても似つかない容姿の犬種がいっぱいいます。


ピレネー犬とティーカッププードルなんて、ゴジラと人間くらいの差がありますし・・・

柴犬とビーグルの耳の違いといったら、もはや地球人と火星人ほどの差ですし・・・

グレイハウンドとダックスの足の長さの差なんか、羽生結弦とドラえもんくらいに大違いですもんねぇ!


Pet Hotel 11!でワンちゃんをお散歩させていると、言葉を覚えたての小さなお子さんがよく

「あ!ワンワン!!」

な~んて可愛いお手てで指差してくれるんですが・・・

ぜんっぜん外見的に違う犬たちを連れていても、ちゃーんとぜんぶ「ワンワンだ」って認識できるお子ちゃまってすごいなぁ・・・といつも感心してしまうくらいです。


こんなにも犬たちの外見が多種多様になったのは、わたしたち人間が、いかに家畜化したオオカミの繁殖に手を加え、干渉してきたかってことを表しています。


では、人間はこんなにもバリエーションに富んだ外見の犬を、いつごろからどんな目的で意図的に作り出したんでしょう?


長くなるので、それはまた次回のブログでお話したいと思います。



<今日のPet Hotel 11!>


波浪警報が出ていた三浦海岸
おかげで綺麗な砂模様ができていたよ!

ワーーーイ♪
テンションあがりまくり~~~!

チャコは今日初めて波打ち際で海のお水に
チャプンと脚をつけてビックリしていたよ!

よーーし!次はお山だっ!!
張り切ってるねぇ~~~(笑)

チャコは30頭もの大所帯にいたせいか、
移動する際に他のワンコを平気で押しのけます。
その犠牲になるのは大抵、ボンヤリしているボス
(-_-;)

クンクン・・・
よっぽどいい匂いがするんでしょう(;'∀')