2017年10月20日金曜日

いい獣医さんを選ぶコツ(ワンちゃんのオーラルケア)④

こんにちは。神奈川県 Pet Hotel 11!(ペットホテルワンワン)のお庭番です。


【何を優先するか?】


●最も簡単なオーラルケア


前回のブログで、

『柔らかいものばかり食べているワンちゃんは歯周病になる子が多い。

逆にドライフードだけ食べているワンちゃんには、それらの症状があまり見られない』


と教えてくれた獣医さんのお話をしました。

歯磨きグッズを買って毎日歯磨きしてあげるような、コスト時間手間をかけずに、日々のフードでオーラルケアができるとしたら、こんな素晴らしいことはありませんよね?

ちゃんと毎日歯磨きするのがベスト

でも、デンタルケアを三日坊主にしてしまうくらいなら、カリカリフードだけを食べさせている方が、長続きするという意味ではベターってことですね。

歯磨きをイヤがるワンちゃんでお悩みの飼い主さんにとっては朗報でしょう。

けれども・・・

飼い主さんによってはとっても複雑な気持ちになるのではないでしょうか?


●ハナちゃんの場合


わたしは獣医さんに、ハナちゃんが先生の予想通り柔らかいものばかりを好んで食べ、ドライフードは残してしまうことを伝えました。

すると先生は・・・

『やっぱりそうかぁ~・・・ハナちゃんは10才にしては心臓も問題なくて、歯周病以外はとっても状態がいいから、頑張ってカリカリフードだけ食べるようにしていたら、あと5年は健康に過ごせると思うんだけどなぁ・・・

でも、飼い主さんが10才というハナちゃんの年齢をどう考えるかだね。

好きでもないカリカリフードばかりを食べて元気でいたって可哀相だと考えるかもしれないね。

その判断は飼い主さん次第ってことになるかもなぁ・・・

でも、ボクとしてはこれだけは飼い主さんに伝えて欲しいんだけど、

このままの食生活を続けていたら、また3年後くらいに同じことを繰り返すかもしれないってこと。

そうなったら、更に高齢になってのオペはハナちゃんにとって大変な負担になるってことをね・・・よく考えて欲しいってことかな~。

喜んで食べるものだけをあげていたら、もちろん贅沢になってカリカリフードを食べなくなるかもしれないけど、他になにももらえなければ、お腹が空けばカリカリフードだって喜んで食べるようになるはずなんだよね~。

栄養バランスを含めた総合的なことを考えたら、品質のいいカリカリフードだけにした方が内蔵への負担も少なくていいと思うんだけどねぇ』


確かに・・・わたしの知人に、

『週一で焼き肉食べないと死んじゃう~~~!』

と言っていた、おそらく脳みその半分以上は焼肉で占められていると思われるほどの肉食女子がいたのですが、彼女がある時、何を血迷ったかファスティング(断食)にチャレンジしたんです。

2日の断食後、空腹状態で迎えた最初の食事は白がゆでした。

彼女は、普段なら見向きもしないような、味付けなしのドロドロおかゆを食べた感想を

『美味しすぎて涙が出た~~!』

と言っていたのを思い出しました。

カリカリフードだけでは可哀相・・・というのは、もしかするとわたしたちの固定観念なのかもしれません。

とはいえ、ハナちゃんの今後をどう考えるかは飼い主さんの自由でもあります。

他人が押し付けることはできません。


●ハナちゃんの飼い主さんの気持ち


獣医さんの見解を、ハナちゃんの飼い主さんにお話ししました。

するとやはり、

『そうですかぁ・・・でもなぁ~・・・やっぱり好きなものを食べさせてやりたいって思っちゃうんだよなぁ・・・困ったモンですねぇ~・・・いやいや~困ったなぁ・・・』

と、本当に困ったという顔をして仰います。

飼い主さんのお気持ちが痛いほど理解できたので、わたしはそれ以上は何も言いませんでした。

ただ、

『ではせめて、歯磨きガムを試してみてはどうでしょう?効果がどの程度かはわかりませんが・・・』

とご提案したところ、ぜひそうしてみたいとのお話でしたので、今度ハナちゃんに買って行ってあげることにしました。


●それぞれの事情


ハナちゃんのように単に好き嫌いで柔らかいものばかり食べる子もいれば、中には喉がつまりやすいという理由で、ふやかしたようなフードしか食べられない子もいますし、年齢的に噛む力が弱くなっている子もいるでしょう。

今回の場合、獣医さんはハナちゃんにカリカリフードを勧めましたが、いろいろな事情のある子にすべて、今回のような方法を当てはめることができないのもまた事実ですね~。

ぜひ、愛犬のために、どういう方法が一番いいのか、たくさん悩んで考えてあげてみてください。

いずれにせよ、信頼できる獣医さんに、今の愛犬の口腔の状態を診ていただいて、正しく知っておくということ。

そして、予防接種の時だけでなく、獣医さんにマメに歯科検診も含めた健康診断に行くようにしましょう。

それが、後悔しないための一番の方法だと思います。


【なんでカリカリフードなの?】


ところで・・・

そもそも、どうして柔らかいものばかり食べていると歯肉炎や歯槽膿漏になりやすくて、カリカリフードだけ食べている子はなりにくいの?

ってことです。

ワンちゃんの飼い主さんの中には、

『とにかく硬いものを食べさせると歯石取りになる』

と誤解されている方も多いようなのですが・・・

それはちょっと違います。

イメージとしては、

歯石は硬い → 硬いものを噛むことで硬い歯石が削り落とされるんだ!

と思ってしまいますね?

でも、実際に歯石を削り落とすような物って考えると、その条件はかなーり限られちゃいます。

●歯石を削り落とす物の条件って?


・歯石よりも硬いもの

歯石を削り落とすんだから当然ですね~

・歯よりも柔らかいもの

歯が欠けちゃったら元も子もないですからね~

・歯で噛んだ時にすぐに砕けてしまわないもの

歯の側面についた歯石に触れないので、そもそも意味がないですね~


上記3つの条件を兼ね備えているもの、なーーんだ?!

って・・・ワンちゃんによっても歯の硬さには差がありますから、このクイズの答えはなかなか難しいわけですヨ・・・・


をいをい!じゃあなんで柔らかいものばっかり食べさせずにカリカリフードを食べさせるように勧めるわけぇ~~?

っていうお話を・・・

長くなってしまうので、次回にしたいと思います。



<今日のPet Hotel 11!>


雨があがってやっとお外遊びできたよ~♪
お気に入りのベンチに走って行って座る
ハノン嬢(やったね♪のお顔)

デュークくん「ボール投げてくださ~~い!」
わたし「投げてあげるから持っておいで~~」
のくりかえし(笑)

MAXくん、お薬が効いてくれていて、
今日も元気いっぱい!
前よりちょっぴり甘えん坊さんになったかな(^▽^)

あ・・・
また”なつ”が虫を見つけて いたぶろうと・・・(-_-;)

「トリャァ~~~~ッ!!」
まいっか・・・ひさびさのお庭遊びだし
なにより楽しそうだし(;'∀')